随筆/日記
公文書

'10.8.31  随筆 

本人緑化計画

 先日、得意先の見知った派遣社員の女性から通路で話し掛けられた。彼女によれば、私がほぼ交流のないセクションの人達の間で、「M社のSさんっていつも緑色(の服)だよね」「えー、私、黒い(服の)時しか知らない」と、私の服装のことが話題になっていたそうである。ある種、営業冥利に尽きると言える。まあそれで仕事が増えるわけでないのは残念だが。

 かように私の服の色はほぼ完全に決まっている。緑と、黒と、茶/ベージュの組み合わせである。悩みの種は緑色の服というのは少ないということだ。そのため以前も書いたが、緑色のシャツはパターンオーダーで作ってしまうことが多い。しかしそれも生地があればこそできることで、濃い緑色の生地という物自体が滅多に取り扱いがない。伊勢丹や大丸といった百貨店から市井のオーダーシャツ専門店に至るまで、レギュラーで濃い緑色の生地を置いている店というのは皆無なのである。

 ところが先日知り合いが、ネットのパターンオーダー店を見つけて教えてくれた。しかも激安。シャツの場合、普通はブランドでない生地で作って安い場合でも8千円前後から。それが送料込み3千円以下。何か怪しい位である。コンテンツを一通り見て、やっとこれがタイのシャツメーカーであることが分かる。しかしまあ、ダメ元で試してみてもいい金額なので1着作ってみた。

 注文のインターフェイスは分かりやすいが重く、特に文字入力はテキストを別に用意してコピペをしないと私の環境ではほぼ確実に固まった。

 ところが納品は早く、サイトには「3週間で」とあったのに入力から10日で届いた。国内で作る場合と変わらない。現在2度洗濯をしたが色落ちも特になく、綿100なのでアイロンをしっかり掛ければ全く問題ない。これはもう数着作っても良いかという気になっている。

 普通のパターンオーダー店ではできない仕様もあるので、変なシャツを作ってしまいそうである。

J Tailor


微笑みの国、タイから。

家人からは怪しげな包み扱い。まさかシャツとは思わず。

BURNT GREENの生地で、襟と袖の内側をOLIVE。黒いボタンで糸はLIME。

本体…1,990円
シッピング… 550円
合計…2,540円


読書 吉田健一「酒肴酒」光文社文庫

うう〜ん。またも読了を諦める失速ぶり。筆者は吉田茂の息子で故人('12〜'77)。流し読みではその時代に合った洒落た文体で良かったが、いかんせん延々食べ物の話なのである。興味を持って読み進むことが辛くなってきた。加えて432Pと厚くて持ち歩き続けるのも辛い。解説にある通り「せわしない気分や空気の中で読むのは、あまりにもったいない」と言える。


'10.8.28  日記 

米帝家禽市場戦史博物館

 今さら書くまでもないが、私はスーパーマーケット程度の人混みでも気が滅入るし、夏祭り程度の催事でもノリ切れないという内向的で穏和な(あるいは神経質で偏狭な)性格である。

 しかし常識的な二児の父として、この時期に何処へも行かないというわけにも行かない。今年は義理の祖母を訪ねての山梨行きもなかったし、妻の心の故郷ベアレンの地・盛岡へも行かなかった。まあ長女が受験生ということもあったのだが(それにしては大して勉強しているようには見えなかったが)。ともあれ、子供達の夏休み最後の週末となる今週、木金と休みを取り、近隣ではあるが泊まりがけで遊びに行った。

 初日はTDLへ、朝から閉館間際まで約12時間を過ごす。その後舞浜にある船舶を模した内装のホテルに一泊し、翌日は木場の東京都現代美術館「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」(キムの館のドラフトに耽溺(爆))と「こどものにわ」で半日。詳しくは欄外の画像とキャプションを。…あまり、というか全然参考にならないが。また後者は美術館なので画像はなし(一部例外はあり)。

 大変な家族サービスだと賛辞を頂いたりもしたが、恐縮ながら/当然ながら企画・立案・手配、全て妻である。物ぐさで出不精な私には為し得様もない。特に敵地もといTDL内での段取りは圧倒的とも言える。ファストパスの取得タイミングは絶妙で、その間に待ち時間の短いアトラクションを適宜挿入していく手順も手慣れている。途中から(いや、元々)どうでも良い小官は為すがままである。

 最長は待ち時間100分のくまプー。炎天下待たされるのは、まあ仕方ないとして、後ろに並んだ関西系の家族の外道ぶりにややブチぎれ(ややっていうかボブルビーでガキの頭押し潰した)。最後に列が別れた時に文句垂れかけたら、妻が即答で「何? 何も聞こえなかったよ。気にし過ぎてんじゃない」と牽制。つか、わかってんじゃねぇか。

 やはり人混みは駄目。駄目なものは駄目。

小隊はこの週末、通称浦安鼠園こと米帝家禽市場の戦史博物館に赴いた。

※以下の画像キャプションについては、TDLが好きな方や妄想的な冗談を不快に思う方はパスしてください。まあそういう方が本欄を読んでいるとも思えないが…。

養鶏所をくぐり抜けると、そこは地域管理官の屋敷。全ての植民地支配地域は彼によって統制される。

植民地博物館のパレード。「世界は小さく全ては我が手中にある」という主旨のプロパガンダソングがリピートされていた。

レーニン像。過去に未来を語った過去の英雄である。ちなみに向かって右の背の低い男はヨシフ・スターリン。大戦当時の主力戦車T34は彼の姿を模していた。

人類史上最悪の大量虐殺施設。炎天下に涼を求めて木陰に集まった他民族へ、樹木に仕掛けられたノズルからガスを散布していた。悲惨である。

宇宙計画博物館。白く塗られた量産型サンダーバード3号が搬送する大量の資材がスターウォーズ計画を支えていた。

植民地領主の婚礼式典パレードが行われていた。ライスシャワーで米が撒かれているかと思いきや…。

オートマータがしゃぼん玉状になった銀の煙を撒いていた。<米帝と関係ないだろ

領主の館前での暴動。炸裂するモロトフカクテルに鎮圧部隊の超高圧放水。群衆が薙ぎ倒され小隊もびしょびしょに。

'10.8.4  随筆

掌編「幸せの星空」

「あなたは本当の星空を見たことがないでしょう」と恵美子が言う。僕を見る目には哀れみの色さえ浮かんでいる。

 さて、こういう時はどうすれば良い? 「“本当の星空”というのはどんなにか素晴らしいだろうね」と彼女の瞳を見つめながら話を振り、彼女に好きなだけ旅行先で見た荘厳な星空や故郷の美しい星空にでもついて語って貰えば良いだろうか? それが最もスマートだろう。

 しかし、今の僕はとてもそんな気持ちにはなれない。

本文はこちら


 出口、らしきものこの作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「星空」に参加。字数制限はコミュの仮規定2000字に準拠。

 


読書 堀江敏幸「めぐらし屋」新潮文庫

既読の割と気に入った作家なのに挫折気味。まだ読了していない。主人公を「さん」付けするというのが“生理的に”駄目なのだと思うし、そもそもがこの人の描く女性が駄目なんじゃなかろうかと。


'10.8.11  随筆

mixi参加5年の私ですが

 SNSは参加者同士の繋がり合いが強くなればなる程良い。だからそれを促進するコンテンツやシステムを強化するのは当然のことだろう。厭なら止めればいいとまでは言わない。ユーザーに多少なり選択肢が与えられるのであれば。要は使い方次第と言えば当然か。

 ともあれ、自分は能動的に結びつくのが目的であって、受動的に結びつけられたいとは全く思わない。それでは新興宗教か性質の悪いお見合い紹介所みたいじゃないか。

 参加しているSNSはmixiだけだが(知人主催の同業者SNSを別として)、ここ暫くのコンテンツの有り様には懐疑的になってしまう。

 同窓生の検索機能強化は良いだろう。一人と出会したら、会いたくもない大勢と繋がってしまうというのは仕方がない。しかし会社の同僚同士を結び付けるのはそれと同軸の事か? 全然違うだろう。過去の想い出と現在の現実では性質がまるで違う。もちろんそういうことのために参加している人はそれで良いが。

 更にこれはちょっとどうかと思ったのは、最近、新たなマイミク申請を受けると以下の様なメッセージが現れる様になったこと。

 内容も余計な世話だし、メッセージの文面も大変無神経な印象を受ける。これは7月頭に気付いたのだが、私はマイミクを原則面識のある方に限っていることもあり(尤もそれ以外の方の申し出を受けた事はなく)、そうそう増えたりしないのでもっと前からのシステムかも知れない。

 また、トップページに見たことのない参加者のアイコンが並ぶ様になった。ツィッターのRTの類ではない。「あなたの友人かも?」として、共通のマイミク人数が出ているという物だった。「友達の友達は皆友達」な訳がない。酒場繋がりや趣味繋がりが多いため余計にそう思う。カウンター並びで皆と仲良くする様な呑み方をするなら一人でバーに行ったりしないし、趣味というのはそもそも偏狭なものだろうと思う(私が偏狭なだけか)。まあ、それを言ったらSNSが成り立たないのだが。

こんな記事を用意していたまさにその日に、mixiが珍しく5時間超もダウン。まあその、頑張ってください。


'10.8.4  随筆

掌編「告白」

「志乃さん」

 間違いなく彼女は志乃さんだったが、声を掛けるのに一瞬躊躇ったのには二つ理由がある。

 一つには、彼女が“何”志乃だったかを思い出せなかったから。互いにいい歳である上に、さして親しい間柄でもないかもしれない異性を下の名前で呼ぶのが好ましいかどうか。彼女がどう感じるか。判断が付かなかったのである。

 そしてもう一つには、そう、そもそも親しかったかどうかを思い出せなかったから。声を掛けてから、親しくはないどころか、あまり関わり合いになりたくない種類の知人であることを思い出すということが僕にはままある。

 それでも声を掛けたのはなぜだかはよく分からない。「つい」というのが正しい。

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 出口、らしきものこの作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「少年時代」に参加。字数制限はコミュの仮規定2000字に準拠。

 


読書 長嶋有「エロマンガ島の三人」文春文庫

長嶋有アソート詰め合わせ。なにせ、1本目に表題作で“いつもの感じ”を漂わせておきながらSFと官能小説入りである。しかし最後にオチ(?)もある。相変わらず妙に細かくモノの名前が書かれていたりする。


'10.8.1  随筆

買い物

 身長161cmの娘が居間の真ん中で得意げにポーズを取っているから邪魔だなと思っていたら、妻が「また、新しいのすぐ着て」と言うのでおニューの服のお披露目と分かる。

 「おう、可愛いじゃん」と便宜上言う。「もっとちゃんと褒めてよ」と言われたので、「うわっ、どうしたのそれ、すっごい可愛い。プリティでガーリーでコケティッシュ。とっても似合ってるねぇ〜」と大袈裟に言ってやると「なにそれ、キモい」。「『キモい』言うな。およそ知性が感じられない。もっと違う言葉を使いなさい」と、何を注意してるのかよく分からない。だいたいね、男親は言うまでもなく、世の男性は女性の服装にそうコメントしたりしないものだよ。言うだけましだと思いなさい。なんちって。

 その型なんて言うんだっけと訊けば妻と娘で違うことを言うので、画像検索を掛けると色も形も全く同じ物が出た。「あぁ〜これ…」妻お得意のニッセンの商品だった(ちなみに「コンビネゾン」という物だそうな)。母親がネット通販で買った物(画面では見せているらしい)を着ているなんていつまでだろう。そのうち自分で買いに行くようになるんだろうなぁと、つい目を細めて見てしまうのだった。

 そう言えば自分は最近服を買っていないな。会社帰りにそんなことを考えながら歩いていると、アパレルのビルの前に出たのでちょっと覗いてみた。ちょうどバーゲン期間らしく混んでおり軽く後悔したのだが、モノクロの服が多いブランドなのに珍しく好みのオリーブ色のシャツなどが多い。一瞬でもそう思ってしまったのが全く間抜けな話なのだが、ライムグリーンの色付き眼鏡を掛けていたのだった。

 服よりも先に、財布を買わねばならない事を思い出した。最近の慢性的な金欠はきっとこの財布の穴のためと思われるからだ。


かき氷を食べながら歩く娘二人。


きっとこれが元凶なのだ。


'10.7.29  随筆

 少し、口の中が気持ち悪かったので、乗換駅の売店で飴でも買おうかと考えた。こういう時に、ガムでもミントタブレットでもなく飴を選択する事に年齢は関係ないだろうか。しかし、自分の周辺の人達の購買傾向を思い起こしてみても、そこで世代別分布グラフを描くことは出来ず、考えるのを止めた。

 駅の売店と言えばまず「キヨスク」だが、表記が「キヨスク」か「キオスク」かで悩む。「キヨスク」は旧国鉄時代の鉄道弘済会の命名で「清く」「気安く」と掛けて「kiosk」をそう読ませた物だそうだ。本体の民営化と同様にエリア毎に分裂した「キヨスク」だが、現在東日本エリアだけが「キオスク」と和文表記している。但しそれは近年の話('07年)であり、その際に会社組織としても「東日本キヨスク」から「ジェイアール東日本リテールネット」に改名している。

 それはJR系の話であって、私鉄各社では呼称は異なる。ちなみに西武鉄道にはTOMONY(トモニー)というのがあるが、これはファミリーマートとの共同運営なので、駅売店というより小型コンビニ。JR東で言えばNEWDAYSに近いか。ホームにある売店に至っては名前すら付いていなかった。

 ともあれTOMONYで飴を買う。

 使えるところではなるべくsuicaを使う。ポイントが貯まるなんてのを気にするのは主に女性で、私の場合は得意先がJRの関連会社だから。しかし先日ポイントを電子マネーに交換したら8千円相当もあり、背筋が寒くなった。

 「支払い、suicaで」とは言うが、端末はPASMO。その他ICOCA、Kitaca、TOICA、SUGOCA、nimoca、はやかけん等が相互利用可能なのだが、規格が同じなら名前も同じにしといてくれれば良いのに。レジ脇にWAON、Edy、iDなんて並んでいるとうんざりしてくる。

 ところで肝心の飴自体だが、何でもいいやと買ったものだから、味もまたどうでもいい味だった。


'10.7.23  随筆 

膝枕(掌編)

「へぇ。智也さん膝枕して貰ったことないんだ。してあげようか?」
「どこで?」そこからがそもそも思い付かない。
「公園のベンチ。この先にあるし」
「いや、いい。いいよ。して欲しくて言っている訳じゃないんだ」
「遠慮なの? それ」と、また前を見たままくすりと笑う。
 遠慮なのだろうか。確かにずっと身を預けられるのは負担じゃないかと思う。腕枕の時は概ね自分も寝てしまったり、そもそも姿勢が同じ仰向けだから身を預ける預けられるという程のことは感じないが、膝枕は違う。
「それに、屋外で真上の空を見上げるのって不安にならないか?」
「あたしがいても? それに膝枕ってあまり真上を向かないものでしょ。ずっと向き合ってるの?」
「あ、そうか」
「どれだけラブラブなのよ」
「ははは」

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出口、らしきものこの作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「緑陰」に参加。字数制限はコミュの仮規定2000字に準拠。


読書 小山薫堂「フィルム」講談社文庫

FMでパーソナリティとしての小山薫堂は知っていたけど、こういう小説を書くのだと。「ラブ・イズ……」の老婆・絹江があまりにいい女で素敵過ぎる。だからって今回の自分の創作をそれに準えたわけではないが(苦笑)。


'10.7.21  随筆

7月の偶然

 街中で誰かと偶然出会すという事が私には意外とある。歌舞伎町の奥の通りで元同僚に会ったり、ゴールデン街の店に入ったら学童クラブの父親仲間がいたり、新大久保のホテル街で娘の友達のお母さんに出会してしまったこともある。*

 そういうことでは、ままある偶然の一つと言えなくもないが、先日終電間際の山手線で真向かいの席に座っていたのが、20年前に付き合っていた女性だった。いや、これはかなり珍しいか。顔を見るのも十数年ぶりだった。

 昔の恋人の事は男の方が覚えているものだとよく言われるが、20年も前の話だし、何せ記憶力に全く自信のない男である。それでも彼女のことは一目で判ったし、ちなみに本欄で2度だけ書いたこともあった。もっとも、12年間4、5日毎に更新している本欄で2度というのは覚えているうちに入るかどうか。例によって自サイトに検索を掛けたところ、'03年の7月と'04年の7月に書いていた。あえてリンクは付けないのでお暇な方は探してみてください。

 こうして見ると7月に何か縁があるらしい。高校生の時に予備校の講習会で私が声を掛けたのが出会いなので、ひょっとしたらあれは夏期講習会で7月だったかもしれない。そう思うと何やらロマンチックな気分になってくる(阿呆か)。

 ところで、書き物をしていて思うが、私の話は出会いのシーンというのがない。大抵の場合、出会いは偶然などではなくて必然と考えており、何の経緯もなく出会って恋に落ちるという話はリアリティがなく興味が湧かない。積み重なる日常の中でしか恋愛は発生しない。恋愛だって人間関係に違いはないのだから、何もしなくて構築される訳がない。若い頃は見知らぬ女性に声を掛ける事もあるにはあったが、その意味で確かにそれはきっかけも結果も恋愛ではなかった。そして彼女が唯一の例外だったとも言える。

 そんな分析じみたことを蕩々と書いているというのもどうなんだという気がするが。

*その方の名誉のために書いておくと、職場が近くなのである。ちなみに私の名誉のために書いておくと、酒場が近くなのである。


'10.7.20  随筆

やすみ

 さて世間は3連休。いや、私も3連休だった。「土曜日は歯医者へ行って、日曜日は自転車整備、月曜日は家族と映画、これが私の3連休♪」。なぜかハッチェル特急楽団を思い出していたり。働いていた皆さんお疲れ様でした。H嬢も。

 歯医者。四十も過ぎていることだし、年に一度は歯の点検をしようと考えてはいたが、結局1年以上間が開いてしまっていた。特に痛むところがあるわけではないが、調べて貰うと不具合はあった。昔、他の歯科で治した奥歯に問題があり、処置して貰うことになった。いつもなら、念のためにと出される鎮痛剤を使うことはほとんどなかったのだが、今回は1日1錠は飲んでいる。

 だが夜は酒を呑む。夜は学童クラブ保護者会市内連絡会の会合があり、今回は市内各クラブの会長が集まる日だった。連絡会副会長と言っても裏方担当の私だが、司会の欠席で急遽代理をやる羽目になった。こういう時に限ってイレギュラーな進行が続出。そんなこんなで第二部(単なる呑み会)へも出席した次第。

 日曜日。目が覚めると照りつける容赦ない陽射し。これはレオパードで走りにいくどころではないなと思いつつ、いい加減RC20を組み上げなければと重い腰を上げる。今の低いモチベーションから言ってレポートのための写真を撮りながらでは勢いが付かないと思い、何も撮らずに一気にSTIレバーを組み上げた。当たり前だが、途中調整をしながら組まないと変速できなくなる部分などがあり時間を食う。

 3日目は寝て過ごすくらいのつもりが、妻と娘達だけで行く予定の映画に母と妹も行くと言うので、私一人留守番という訳にもいかず大泉まで「借りぐらしのアリエッティ」を観に行った。8時半の回だったが、帰り際の人混みを見る限りあれは正解だったらしい。キャラメル味ポップコーンとフライドポテトの匂いに辟易。

 単に3日間のこと書き連ねだだけで規定文字数達してしまった。あんなにだらだら過ごしたのに。


芝刈りをしていると、干涸らびたミミズや食い散らかされたコガネムシの残骸が一杯。“トカゲの赤ちゃん”(2cm程のトカゲ)が死んでいたので木の下に埋めているもんちゃん。

7月は新眼鏡2本投入。オン用に得意先テナントの安売り眼鏡屋の物と、オフ用に貰い物のアランミクリにライムグリーンの玉を填めた物。どちらも緑色のフレーム。

陽射しの強い庭の見え方を較べる。右から、今までのオフ用、サングラス、今回作った物。これなら夜掛けていてもおかしくはないだろう。どっちにしても実用上は問題なく見えているのだが。

'10.7.19  随筆

冒頭1行

 以前に、自分の書く物語は登場人物の台詞が随分とすかしており、日常こんな話し方をする人はいないと自嘲気味に書いた事があった。しかしごく最近に、それは私自身の話し方に似ていると言われた。そうかなと思い返してみるが自分ではちょっと分からない。確かに、気障な言い回しや文語風で話している事もあるかも知れない。前回の掌編小説に出てきた「寡聞にして聞かんな」という台詞も一見して妙な言い方なのだが、現に自分がそう言っているのだった。

 話し方といっても、言葉使いではなく喋り方については、私は自分の話し方があまり好きではない。立ち居振る舞いも大して好きではないが、とにかく話し方は好きではない。どこが嫌いかというと、相手によって違うというところが嫌いである。それも、相手に合わせて使い分けているとかならまだしも、この人はこういう話し方されるのはあまり好きじゃないだろうなと分かりながらも、ついその様にしてしまったりして、そういうのが嫌いである。

 ところが世の中には「その話し方では、相手は話を聞いてはくれないだろう」という話し方をする人が意外なほどいる。私の様に分かっていながら抜け出せないのだろうか。だとしたら気の毒だ。しかもそういう人に限って、まず聞いて貰う事が仕事だったりする(ま、私も営業職だが)。

 テレアポ。それも先物とかもっとよく分からないのとか、その手の、要するに詐欺紛いのテレアポがあるが、あれはどうして第一声でそれと分かる様な不誠実な喋り方をするんだろう。何秒かで聞く気が失せてガードを固くしてしまう。「社長ぉいらっしゃいますかぁ?」と聞かれて、相手の用件も聞かず「この事務所には来ません」と即答してしまう。後ろにいるけど。

 とりあえず文章の方は、冒頭1行でスキップされる様なものを書かない様にしたいね。まあテイクアウトかつ丼のコピーの場合それではそもそも読んで貰えない訳だが(仕事の話)。


'10.7.10  随筆 

夏は夏なりにビール

 「夏と言えばビール」などと書くのはあまりに浅薄だが、それ以前に私がそれを書いたら「そもそも年中呑んでるだろ」と突っ込まれるか。そんな訳で表題。なんだそりゃ。

 さて、先日本欄で紹介したベアレン醸造所カクテルビール「ラードラー」だが、飲んでみたいなぁという知り合いがいた。だが我が家では、ベアレンのビールはネットで箱買いし、その箱に空き瓶を収めて着払い返送するというリユースシステムを利用している。後で空き瓶返して貰うのも面倒だし、どこかの店で飲めれば連れて行くのだがなぁと探してみた。

 いや、探すも何も1店しっかりあてはあった。有楽町INZ「ワールドビアアンドフード ブルドッグ」。ベアレン醸造所の東京地区イベントではしばしば貸し切り会場となる店で、イベント時には何度か行っている。mixiで新入荷情報を出しているので、そこで「ラードラー」について訊いてみた。すると、スタンバイ中で、しかも都合が合えば私の行く日に合わせて出してくださるという。そう沢山扱う物でもないだろうからこれは本当に有り難い話だ。

 そんな訳で七夕デート(笑)となった。6時前に店に入るとまだまだ客は疎らだったが、初っぱなの「ラードラー」を呑み終える頃にはぱっと見て満席という状態になった。私はてっきり瓶だと思っていたが、樽だった。さすがにこう繁盛しては撮らせて欲しいとも言い出せず絵はナシ。

 イベントの時はそれ程気にしていなかったが、店員の方が皆笑顔だったのが印象的。やはりビールは笑顔で呑まなきゃな(私が一番似合わんか)。

 ビールを呑んでいると皆笑顔、というのは確か漫画「もやしもん」にあった台詞だったかと思うが、ベアレン醸造所ではコラボ商品「アルト」の生詰め版が出た。うちにあったので(笑)呑む。どれだけベアレン好きなんだよと…。


プランタンの正面。西銀座通りを望む。


ゲストビールの説明シートには複雑な価格マトリクス(笑)。


我が家のベアレン限定ビールのストック。なんだこりゃ。ちなみにクリックするともやしもんアルトのラベルのアップ。


'10.7.9  随筆 

「海でも見に行かないか?」(掌編)

「海でも見に行かないか?」と言うと、聡子はわざとらしく眉間にしわを寄せる。
「海? 今? この時期?」
「真冬の海というのも、それなり趣のあるものだよ」
「今の私達には合っている、という意味かしら」
「温もりを求め合っているという意味か?」
 ふん、と鼻で笑う。

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 出口、らしきものこの作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「海」に参加。字数制限は2000字に準拠。


読書 奥田英朗「家日和」集英社文庫

重松を読まなくなって暫く経つ。なんとなく近い感じがして手を伸ばす。この人の作品は、何かで読んだことがあったかどうか。ちょっと幸せに纏まり過ぎな気も。それは自分がひねくれ過ぎ?


'10.7.5  日記 

月朝

 朝一で整形外科。週の出だしの予定としては、やはりあんまり好ましくはない。出社はどうしたって正午近くになる。いくらノラクラ型の私でも、これではどうも出だしで蹴躓いている感じで決まりが悪い。

 天気も悪い。カッと照っていたかと思うと俄に掻き曇って降り出したり、かと思えば照ったままバラバラ降り始めたり。自転車でせいぜい5、6分の所に整形外科はあるが、天気が天気なのでクルマで出ると、出るなり降り始める。ザーザー降りの中を小さい子供との3人乗りの自転車で母親が路側帯を走っている。雨天の歩道は段差で車輪を取られて危ないからだろう。そこへ車道逆進の若い男が正面から来る。私なら怒鳴りつけているところだが母親は車道側に膨らんで道を譲る。

 レントゲンを見ると、先月よりかなり隙間が埋まっていた。「これで取り敢えず終わりですね」と言われた。画像では亀裂がある様に見えるが、実用上の問題はないし、暫くすれば埋まるそうだ。そう言えば画面を撮らせて欲しいと言うのを忘れたが、まあいいか。最近は何かを撮っていると「何でもネタにして」とすぐ言われる。実際そうだから言われても仕方ないが。

 ところで週末は学童クラブ父母会の市内連絡会だった。久しぶりに“夜の部”に顔を出したら、そういう日に限って自分を入れて4人だけだった。その日の会議は、出だしから全くの“お使い面”をした代理の役員が非協力的な上に態度も悪く、珍しく会長が激していた。日頃全くそんな風になることのない人なので余程だったのだろう。会長といっても私より幾つも若いのだが、工務店なので職人やら若いのやら相手にいちいち激していたらきりがないと言う。どんな大仕事でも4、5人と話せば用の足りる私の様な仕事とは違う。余程酷かったのだろう。それにしても私がその場にいなくて良かった(笑)。

 さて今週はどんな1週間なんだか。

欄外は庭周りのネタ集め(笑)

網戸に付いた蜂の巣。何蜂かはよく知らない。

パーツクリーナーを噴霧した後に撤去。こんなにポロポロ入っていた。合掌。

ロウバイにミノムシの大群が! と思いきや、実のなれの果て。それにしても美しい花とは本当に落差が激しい醜い実だなぁ。

'10.7.2  随筆 

健康診断

 昨日は年に一度の健康診断だった。

 今年は鎖骨骨折のために半年間も自転車に乗れておらず、週イチ50km超程度とはいえ唯一の習慣的運動がまるまるなかったためか、体調も明らかに違う。食が細いし睡眠時間が短い。また精神的に駄目だった時期もあったし、元々健康的な生活はしていないからあまり良い結果は期待できないだろうな。

 健診は毎年、会社に近くて比較的大きなC診療所で受けている。ちょっと旧式で、変えた方が良いのかと思うこともあるが、蓄積するデータは途中で収集方法を変更しない方が良いように思え、入社以来変えていない。H嬢や林檎屋君の受けるところでは当日結果が出るそうだが、C診療所は2週間程掛かる。こういうのは早く知りたい物だし、来年は変えるかなぁ。

 受診項目の順番は混み具合などによって入れ替わるが、それぞれの勝手は熟知しているので戸惑うことはない。ただ、もごもご不機嫌そうに喋る老医師だけはどうにかならんかな。

 心電図やレントゲン等では着替えるのだが、これがよくあるパジャマみたいな服で、良く言えば“病院気分”が盛り上がる。しかし今回は何やら同時間帯に女性の受診者が多く、この格好で見知らぬ男性と混じって受診するのは厭だろうなと、なんとなく目を逸らしてしまう。大体、男性:グレー/女性:ピンクだなんて色分けはする必要ないではないか。この色分けがまた間抜けな感じがするのだ。

 去年に続いて今年も血圧が高いと指摘される。煙草はこの2年近く吸っていないのではないかと思うし、塩分もそれ程摂ってないがなぁ。

 例年待合室には医薬関連企業のサンプリング品として、無料配布の健康ドリンクや栄養食品が並んでいるのだが、今年は皆無。これも不況のせいだろうか。

 受診で気を付けることは、新しい下着を着けることとフレグランスを抑えること位か。そんな末節ばかり気にしていたためか、朝にカフェオレを無意識に作り、うっかり一口飲んでしまった。


読書 角田光代「ロック母」講談社文庫

収録されているのは'92年から'07年の間に書かれた短編7本。“同棲旅行女”から“母と30代娘”に至る角田光代クロニクルかとも思うわけだが、代表作というよりは筆者自身が不出来を認めるような物も含まれる。初めて読む角田光代として相応しいかは判断が付かない。


'10.6.27  随筆 

夏のお薦めカクテル・庭呑み編

 以前と較べて呑む酒の種類は増えたが、私はカクテルの類に関しては相変わらずちゃんとした物を頼まない。ウオツカソニックとソーダやトニック割り以外は、「何かのリキュールとウオツカのロック」である。

 そんな私が最近気になるカクテルがある。と言っても、出してくれる店はかなり少ない。なぜならそれは出来合いの物だから。

 一つは「ロングアイランドアイスティー」。元々は紅茶を使わず紅茶の風味を出すというロングカクテルで、ベースはラム、ウォッカ、ジン、テキーラのスピリッツ4種。口当たりの割には度数の高いカクテルであるが、実のところ味は全然紅茶ではない。いや、一流のバーで頼むと紅茶風味になるのだろうか。しかし一流のバーではこれを頼まんだろうなぁ。これがボトル入りで発売された。しかもラムで知られるキャプテンモルガンのブランドで。ふる君が面白がってBBLに出すと言うので(というか入れたら呑むと言って)呑みに行った。これが…紅茶味なのだ。こうまで紅茶味では紅茶リキュール呑むのと変わらないだろう。そして難点は17.5%というなぜか低い度数。結局スピリッツ足さなきゃならん(苦笑)。

 もう一つはビールのカクテルで、レモネード割りの「ラードラー」。昨年の夏に訪れた盛岡でベアレン醸造所直営レストランのイベントテントで初めて飲んだ。当時の記事で「常温保存が利かない」と書いていたのは誤認だったようで、専用ベースビールと国産レモンで作られた新鮮なラードラーがこの夏ベアレンから発売された。私にはラードラー(自転車乗り)という名前がまた嬉しいのであるが、低い度数(2.5%)故に自転車乗り向けというのが由来の、南独ではポピュラーなカクテルとか。勿論日本では飲んで走ったら道交法違反。6/24発送開始ということもあり外で飲める店はなかなかないだろうが、うちでは例によって1ケース仕入れたので早速冷やして庭で飲んでいる次第。

 庭呑みでいちいち混ぜてもいられないし、こういうのは嫌いじゃないんだよな。


「キャプテンモルガン ロングアイランドアイスティー」(信濃屋楽天店)
700ml 1,980円(通常価格、送別)
当然、BAR BLACK LUNGのカウンターにて。



「ベアレン ラードラー」(クラシックビール ベアレン 直営SHOP)
330ml瓶 1本400円、12本4,600円(共に送別)
撮影上の演出なので、現実にはやらないように(笑)。

読書 村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」文春文庫

「ランナーであることと小説家であることはある種同じ」という話で、ランナーと、村上春樹という小説家にある程度共感できる人には興味深い本。ただ私は、村上春樹が、トライアスロンをやっていても道具が介在するという点で自転車が苦手、という点に於いては全くシンパシーを抱けない(笑)。


'10.6.22  随筆 

体質(掌編)

  今年も役員になった。娘が通う学童クラブの保護者会の、それも市内全域の取り纏めをする連合会の役員だ。

「そういうところってさ、結構不倫とかあったりするんだろ」

「いや、寡聞にして聞かんな。大体、親の集まりだぜ?」

 
もっとも、シングルの親だっているにはいるが、そんな話をすればまた面倒くさい話になっていくのでやめた。

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 出口、らしきものこの作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「部活動」に参加。今回は仮の字数制限に従った2000字。作風が自主的字数制限のためと思われるのも不本意であり(笑)。ある意味リアルな設定だが、勿論フィクションである。


'10.6.20  随筆 

眼鏡

 掛け替え眼鏡をいくつか持っているという話は随分前にも書いたと思うが、服と同じで、結局使う物は限られてくる。物によっては持っていること自体をすっかり忘れていたりする。

 実際に使っているのは概ね4本。平日のオン用オフ用が1本ずつ。オン用は会社に置き放し。オフ用は、それ以外に家の中用とご近所用がある。平日オン用と家の中用は普通のレンズで、他は薄い緑色の玉を入れている。それ以外にこの季節は度付きサングラスも使う。そう言えば、当たり前だが自転車用は5ヶ月掛けていない。

 家の中用は無印良品のナイロール。フレームとテンプルが好きな組み合わせで作れるのだが、相性が悪い物を選んだのか、購入当所からやや開き気味(こんな風→__/)だった。それをテンプルを曲げて(こんな→(__))使っていたが、今さらながら直すことにした。要はテンプルのフレームに当たる部分を延ばせば良い。あっさり完了。さっさとやれば良かった。何年間このままだったんだ。

 ところで、暫く前にH嬢から眼鏡を2本貰っていた。実のところそう気安く貰って良い様な物でもないのだが、少し前の物であるし全く使っていないというので、似合いそうな私にくれたという次第である。なのに暫くそのままにしてしまっていたのは、最近は持ち込みで玉だけ入れるのでも、安い玉付き眼鏡を作るより高かったりするからである。そろそろオン用の眼鏡を新調しようとしていたが、その頂き物はあまりそれ向きではないので、つまり立て続けに3本も眼鏡を作る様なことになるのである。結局、頂いた2本のうち1本だけ、度付きサングラス仕様にした。これからの季節、通勤にもこれは使えそう。

 オン用は、得意先のテナントに某安売り眼鏡屋が入ったので、そこでという予定でいる。しかし、なかなか気に入る物がないのが悩みである。店が先に決まっていると、そういうことになる。


金属の芯より先3mm程透明のプラリペアを盛ったところ。組めば違和感はない。

頂き物のアランミクリ。緑の方は度が入っていないまま。幸い形状からして比較的安い「球面レンズ」の方が合っているとか。でも1万。

手前の2つがサングラスと平日オフ。右上が家の中で、その下がご近所。

'10.6.16  随筆 

後ろ姿

 街中で目の前を歩く女性が、やけに尻を振りながら歩くのでつい眺めてしまった。

 形の良いボリュームのあるヒップ。それにしてもなぜこんなに艶めかしく歩かねばならんのだろう。ナルシストか天然か。いずれにしても、幸せか、苦労が多いかどちらかだなと思いつつ(余計な世話だ)、視線をもっと先の路面に戻す。

 ガラス張りのビルの前に差し掛かると、彼女は歩みを緩めて自分の全身をさっとチェックした。どこのガラスの前でもしていそうな感じの、身体に馴染んだ動作だった。5m程離れているとはいえ、さっきの様に眺めていたらこの手合いには気付かれていただろう。相手が親しくもない顔見知りだったりすると具合が悪いが、全く知らない相手なら別段差し支えはないか。しかしそれはそれで悔しい気もする。親しい相手なら暫く眺めているだろうが、それは前回の掌編の話か。

 そう言えば、自分は後ろから見てどんな歩き方をしているのだろう。尻も肩も振ってはいないだろうが、背筋は伸びているか? 俯いてはいないか?

 今日穿いているスラックスはやや細身のシルエットになっている。このところ痩せ気味で、以前よりベルトの穴1つ分締めている状態なのでむしろ丁度良いが、それでも腰から太腿にかけてやや張っている履き心地である。タイトなパンツの場合は下着のラインが出ない様Tバックを穿くのだという女友達がいるが、そう言えばTバックは穿いたことがないな。もっとも、この時期の私はしばしば腰の辺りに扇子を差していたりするので、視線はそちらの方へ行くような気もするから気にするほどのことはないかもしれない。というか自分の後ろ姿を気にするだなんて年頃の女性じゃあるまいし。

 そもそも、いきなりそんな下着を買ってきて穿いていたりしたら、痛くもない腹を探られてそれこそ夫婦仲が致命的に駄目になる様に思う。

 今日の私はいろいろ余計なことを気にしてばかりいる気がする。


'10.6.14  随筆 

紳士な態度

 女性をクルマに乗せる時、私は決まって先に降りて助手席側に回り込みドアを開けていた。

 過去形なのは、最近はそういうことをしなくなっているからだ。妻にしないし娘にしない。それと、特別でない女性の知り合いにはしないが、特別な女性の知り合いをクルマに乗せる機会自体が今はない。ああ、義母にはするか。

 ともあれ、いつ頃までしていたのだったか。妻にその様にしていた記憶はあるので、多分十数年前まではしていたのだろう。と言っても、5年ほど前からは、自分のクルマ自体がない訳であるが。

 若いうちは、そうすることが紳士の嗜みという様に考え、努めてやっていた。好意的に見てくれる人は褒めてくれたし、どうでもいい人は「気障だな」位に思っていたことだろう。良いんだ、実際私は気障だし。

 しかし、自分のクルマを持つようになってからはずっとハンドルは左だったので、実際の所は危険回避の意味合いが強かった。同乗者を車道側に降ろすのであるから、その安全確保は運転者の義務な訳だ。

 今はどうかというと、家の2台のクルマはいずれも右ハンドルなので、助手席に誰かを乗せても、安全を確保するために慌てて先に降りる必要はない。せいぜい子供がガードレールにドアをぶつけないよう注意するくらいだ。

 ところで似て非なるマナーというと椅子引きがある。レストランなどで連れの女性の椅子を引くのは間違いで、あれは単に給仕の仕事という訳だ。テーブルの下に落ちたフォークも拾わなくて良い。そんな話はどうでも良いか。

 ちなみに面識のない女性相手にレディーファーストというのはしない。電車内でも、若い女性が相手の場合は妊婦以外に席は譲らない。特に座りたがる女性というのはしばしば化粧を始めたりするからである。

 先日ヒールの高い靴で段差を越えようとしたH嬢(部下)にうっかり手を差し伸べて、ああ、これも違う違うと思ったり。

 いろいろ難しいな。


'10.6.12  随筆 

困った顔(読み切り掌編)


 出口、らしきもの前回が少々気持ちが落ち気味になる話だったので、今回は可愛い話を書いてみた。え? 別に可愛くはないって? 困ったな…。


'10.6.10  随筆 

「雨」のその後

 週の初め“適度な時間帯”にBBLを訪れる。お客はS女史一人。そこで店主ふる君と3人で本欄の話になる。彼女はここ暫くまとめ読みをしているということだった。平生、人のブログやらは読まないのだと言っていたのではあるが、それで半月スパンなのか。

 このところの本欄は、随筆ではなく掌編が多かったが、彼女は「可能性」が気に入ってくれたとか。ああいうのは笑いのセンスが合っていれば万人向けなのかも。

 その意味では「雨」に全く知らない方からコメントが付いていたのは珍しいねという話になる。小説創作のコミュニティの方らしいコメントをいただいた。

 他にはメールで「切な過ぎて読んでる方がナーバスになるよ」という感想をいただく。「雨」というお題では、私はああいうのしか思い浮かばない。「経験じゃないか?」というコメントもあったが、現在の自分に近づけて恋愛を考えれば、自然と不倫話になってしまうというだけの話なんである。他意はない。

 「自分の部屋なのに、窓際で服を脱ぐ女に共感できない」というのもあり。しかし「セックスの時は、ベッドサイドでは服を脱がない」と言っていた女性がいたので、窓際で脱ぎたがっても不思議はないかなとは思うんだが。まあそれは良いか。

 一番しまったと思ったのは、「またヨリコですよね」だった。「同じ人かと思っちゃいましたよ」と言われて、それは極端にしても、まあ被っちゃまずいわなと思った次第。ちなみにわざわざ書くこともないが、私にヨリコという知り合いはいない。

 文章に関わる人間を、書く人・書かせる人・評する人に分けるとすると、私は、仕事上は書かせる人であるわけだが、評する人にはなかなかなれない。両者は似ているようだけど結構違う。その意味に於いて、評するのはなかなか難しい事だなと思う。褒め殺しのようなレトリックの羅列に陥るくらいなら「上手いね」とか「暗いな」「エッチ」の方がまだ気持ちが良いかも。


読書 小川 糸 万城目 学 他「スタートライン 始まりをめぐる19の物語」幻冬舎文庫

雑誌「パピルス」に掲載された19人の作家による掌編集。と言っても加筆訂正が個々に異なるためか長さはまちまち。揃えた方が良いのに。それはともかくこれだけ作品があると、また読みたいのと敬して遠ざけようというのをいちいち覚えられない。メモして挟んでおくべきだった。掌編だと作家の個性より話自体の方に目が行きがちで、判断難しいかも。気に入るのは結局、三崎亜記や伊藤たかみといった既読作家だったりした。


'10.6.9  随筆 

スロースタート

 ひと月ぶりに整形外科へ行った。鎖骨を折ったのは1月末だから、もう5ヶ月近く経っていることになる。前回の受診後は寝る時でも固定帯を外しているが、寝返りの打ち方が悪かったらしい日は肩が痛む。

 月曜朝の整形外科はリハビリの老人で溢れており、半端な時間の予約なぞ入れようものなら1時間は待つ羽目になる。医者の方も気にして朝一番の予約を勧める。クルマで行くと、4台分しかない駐車場はすぐに一杯になっており、停められずに予約時間に間に合わなくなることもある。自転車に乗れるようになってからは、自転車で通っている。

 しかし、通い始めの頃と違ってだいぶ陽気も良くなっており、着いてからしばらく汗が引かない。これですぐレントゲンの機材に背中を付けるのは厭だなと思っていると、すぐに呼ばれてしまう。

 看護師(多分、技師ではない)の中には、やけに事務的に言葉だけで位置を指定してくる人と、位置治しをするのに都度腕に触れる人とがいる。後者の人はちょっと好みの感じなので、その人に当たると少し気分が良い。口を尖らせ気味にして「もう少し右、お願いします」と言いながら手を添え、中指だけが二の腕の辺りに触れる。しかしその日は違う人だった。

 レントゲンを撮って暫く待合室で本を読んでいると診察室に呼ばれた。画面では、相変わらず楔形の亀裂がある様に見えるが、密度が違うためそう映るだけで、実際には繋がっているのだそうだ。

 「スポーツの予定は…」と、また訊かれたので「ええ、自転車に」と即答。「そろそろストレッチとか良いですよ」と言われる。しかし、鎖骨周りに有効なストレッチってどうやるのだろう。訊いたら教えてはくれるのだろうが、それはそれで面倒くさくて訊くのはやめた。

 帰路、小径車を漕ぎながら、そもそもスポーツ用のメインの自転車はまだ全然組んでいないのだったと思い出した。


'10.6.6  随筆 

雨(読み切り掌編)


 出口、らしきもの今回の作品も、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「雨」に参加している。例によって字数制限は本欄の規定通り原稿用紙2枚分800字。本欄のこのシリーズ、何やらオチのあるショートショートぽくなっていたのが厭だったが、こんな感じなら。


'10.6.3  随筆 

ツイッター


 「これからの広告はツイッターだろ」と、その手の新書を片手にうちの社長が言う。半分冗談なのだろうという気がするが、そもそも冗談のしつこい人なので、当面は言い続けるのだろうなぁ。元は、お得意の大手ホテルの広報宣伝の方が話題にしていた事だったと思う。

 私の意識が低いのだろうか、ツイッターをそういう意味では大して重要なメディアだと考えていない。現状、消費者への影響力は拡大しているのだろうが、特性自体が付和雷同的であまり信用できない。広告それ自体が付和雷同を誘うものであろうというご意見には、然りと。何にしても仕事の種という意識自体が低い。ま、うちは平面媒体の広告制作屋な訳だが。

 とか言いつつ自らやっているのは、面白い場合もあるなと思っているのと、やってみないと分からんだろうという思いからである。別に否定はしていない。広告としては鬱陶しいというだけのことだ。

 ところで、巷では「ツイッターってどうですか?」というのが世間話の様に出るそうだ。「流行っているのは知っていますが、やっていません」とスルリと交わすのがスマートらしい。先日も学童クラブ父母会の市内連絡会の飲み会で話題になる。もっとも、中には本欄の存在を知っている方もいるということもあり、「ツイッターもブログもSNSもやっていて、ウェブサイトもあります」なんて答えている。もっとも、社交辞令で読んで交流できる様なことは本欄に書いていないので、詳しくはお教えしないのが常ではある。

 特に何もやっていない方は「人に伝えたくなるような日常を自分は送っていないから」と半分恐縮しておっしゃることがあるが、賢明だと思う。まあ私とてそうそう特異な日常を送っている訳ではないが。ただ、何かを切り取って整えて見せるのが好きなのである。そういう性分だとも言える。

 もっとも、140字はあまり自分に合わない気がする。単に800字に慣れてしまったせいかもしれないけれど。


'10.5.29  随筆 

酒場への電話

 酒場へ電話をするというと、どんなシチュエーションを思い起こすだろうか。

 一般的には予約の電話か。いつも一人で飲み歩いている私なので、予約をすることなどあまりないが、それでもたまにそういうこともある。大抵は、知った店に人を連れて行く場合であるが、これはある種のデモンストレーションであったりもする。つまり知った店に確認を入れる自分を見せるのである。そうするとあまり余所余所しく掛ける訳にもいかず、かと言えあまり横柄だったり馴れ馴れしいのも格好が宜しくない(しかしそういう人は実に多いね)。

 ところで、この際の名乗り方がなかなかに難しい。私の遊び方全般を知った人を連れるのなら「小隊長だが」で良いのだが、なかなかそうも行かない。なるべく避けたいのは勤務先を名乗ることなのだが、残念ながら店によってはそういう場合もある。

 まあそういう電話は良いとして、焦って掛ける電話というのもある。待ち合わせ遅刻のお知らせではない。店に荷物を預けているのに出先の店でうっかり長居してしまった場合だ。勿論それは特異なケースで、さすがに私もBBLのみのことではあるが。

 ちなみに私は予約をしてどこそこへ行くとか、下調べをしたりするのが苦手である。一見そういう様には見えないとよく言われるし、商業施設の販促など店情報を提供してお客に利用して貰うという仕事をしているくせに、自分はそういう情報を利用する事にあまり興味がない。

 最近はネットの情報が豊富なので楽にはなったが、昔は町歩き情報誌の類を買っては下調べをした物だ(「最近」って20年スパンでか)。人と会うのに、事前に周辺の街並みをSVで確認する事がある。流石だねと言われるが、これもネットがあればこそ。

 本来は、事前準備が苦手なのである。酒場探しも、大抵は行き当たりばったり。呑んだ後も当然行き当たりばったりなんだが。


読書 吉田篤弘「空ばかり見ていた」文春文庫

「流浪の床屋をめぐる12の物語」にしては、それぞれの印象がバラバラなのが私にはしっくり来なかった。もっと揃っていても良かったんじゃないかと思いつつ、これも作家のカラーか。気に入るところがあってこの作家を何冊か読んでみた訳だけど、それが本作でちょっとと思ったり。そして読了ならず。


'10.5.24  日記

刃傷沙汰は「にんじょうざた」と読みます。
「ちょっと、高枝切り鋏、持ってきて」というのが妻の第一声。

 ああ、とうとう刃傷沙汰かい。私なんか彼女に手を上げるどころか声を荒げたことすらないよ? 先端に鋸の付いた高枝切り鋏で薙刀の様に突かれて自宅で死ぬなんてぞっとしないな。勘弁してくれよ。

 何のことはない「梅の木にアブラムシが付いていて、布団、干せないじゃない」だそうな。

 梅の実は無事収穫して、梅酒やら梅ジュースやらの広口瓶に(妹が)漬け込んである。それが上手く行ったのも、今年はアブラムシの発生が遅かったために綺麗な状態で収穫できたからである。もっとも、昨年は早い時期から警戒してモスピランを散布したためか、実自体が全く成らなかったのだった。改めて点検すると、梅も枝垂れ梅も、部分的に結構なアブラムシが付いている部分があった。切っても構わない枝は全て切り払い、もう実は採らないのでオルトランの方を散布した。同じアブラムシ駆除剤でも、こちらは食用の実を付ける物に向いていない。

 午後に走りに行くことは諦めて、ビールを呑んで午睡。週末にどうも肩を痛めたらしく、これではドロップハンドルは握れまいと…いうのは言い訳で、暑いしさ、取り敢えずビールな訳で。そこで書きかけのままストックだった掌編のブラッシュアップをする。

 まだ明るい夕刻、宅配便が届く。暫くストックもなくギリギリで使っていたフレグランスを切らしていたのだが、週末にネット店で注文していた。今まで、会員カードの関係で某百貨店で買っていたのだが、テナントが退店してしまっていた。いっそネット通販でと探したところ、百貨店で買うより4割近くも安い。なんだこれ。

 いつも使っていた物には、夏用のアルコールフリーの「サマーフレグランス」バージョンもあるのだが、レギュラーにした。保ちが悪いそうだしどうせ使い分けを気にする程のこともあるまいと思ったため。

 そんなこんなであっという間に週末も終える。

桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿、同じ馬鹿なら切らなきゃ損損♪


駆除したくなる気持ち、分かるでしょ?


故有ってのベアレンクラシック。

「出番なし、レオパード」の図。

新型には背中にロゴのモールド。

しかしとうとうラッパ呑み。

'10.5.23  随筆

掌編「可能性」

 開始を告げるホイッスルが響く。私のイメージの中のプログレスバーには、残り時間が表示されるが、残量表示は増減を繰り返し、バーの縮小は遅々として進まない。どちらにせよタスクは始まったばかりだ。

今朝、出掛ける際の家人の言葉が、脳裏に蘇る。

「頑張ってね」

頑張る? 何をだ?

本編はこちら
出口、らしきもの


今回の作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「ゲーム」に参加している。この週末に公開する予定だった掌編が、テーマに合致していたので参加した次第。掌編ではあるが本欄規定の800字ではないため、リンク掲載とさせていただく。


読書 いとうせいこう「難解な絵本」角川書店

先日この本を林檎屋君が貸してくれた。ハードカバーの本はあまり読まないので数日会社の机上に置き放しにしてしまったのだが、読んでみると何か変な感じが。そして今回のこの掌編を書き放しにしていた事を思い出した。掌編を書いたのが3月。まるでこの本に触発されて書いたみたいで厭じゃないか。ま、その事とは別に、この本は面白いのではあるが。

ああ、本欄に書き忘れていたが、4月から林檎屋君が同じ職場で働くことになった。サバゲとネットでの付き合いが長いため、会社内でもついハンドルで呼びそうになる。問題なのは、その時に本名を忘れているという点だ。



'10.5.20  随筆 

女の噂話

 妻が浮気をしているのではないかと、思ったことのある妻帯者の方はいらっしゃいますか? いませんか。それなら良いです。

 いや、私にも別段特に思い当たる節はないのだが、H嬢が妙に最もらしく「テニスを習い始めると女性は大概浮気しますね」と力説していたのでそんなものかなと思っただけである。そう言えばBBLの常連H切氏もテニスコーチバイトの経験者だった。油断ならんな(何がだ?)。妻は娘達と同じテニススクールに通っているので、何かあったとしたら職員が「ああ、この人が」という目で娘を送迎する私を見るだろうからすぐ分かるだろう。でも分からないようにやりそうだな。

 妻の話はいい。それより娘のことである。最近、娘が可愛くて仕方がない。小2の下の娘は勿論だが、小6の長女の可愛いこと。

 と、先日twitterでつぶやいたら、「それ、前にもつぶやいてましたよ」と指摘を受けた。まあいいじゃないか、所詮つぶやきなんだし。

 ちょっと下ぶくれのぷくっとした顔とか、それでいてすらっとした四肢とか。身長があるところも好みである。

 それと、私が遅れて食卓に着くと皿とか出してくれるのだ。…当たり前なの?? あまり娘に入れ込むのは夫婦仲に問題があるんじゃないかという勘ぐりもあるそうな。確かに最近妻は私に冷たいかも知れない。ユーモアもへったくれもないな。その分、娘が皿を出してくれればそれでも良いさ。

 ともあれ娘が可愛い。そういえば自分が小6の時に、クラスにこんな娘はいたかもしれない。クラスメイトだったら好きになってしまうかなぁ。何書いてんだか。

 地元の酒場Hでは、たまに娘のクラスの男の子の父親に会う。子供達の通う小学校のことを話したりもして、娘はどう見られているのかと気になったりするのだが、小6の男の子はさすがにクラスメイトの女の子の話なんか父親にはしない。

 それに、酒場で女の噂話なんか嗅ぎ回るのはスマートな男のやることじゃない(笑)。



'10.5.14  随筆 

 黒猫に纏わる諺というと、目の前を横切るのが凶兆だったり吉兆だったり。両方あるということは、いずれにしても出会すこと自体がレアケースということなのだろうか。

 それにしてはうちの近所では頻繁に黒猫を見掛ける。大きな通りに出るまでの数百メートルの間に3匹いるということもある。

 そもそも猫自体が多い通りなのである。近隣は老人世帯も多く、飼い猫だか地域猫だかの外猫が10匹近くいる。そういう訳だから、見掛ける黒猫も「偶然出会した黒猫」という様な神秘的な存在ではなく、お馴染みの奴らだ。お馴染みどころか、“中太”の奴はしょっちゅう我が家の庭の、それもテラスの段の上に上がり、居間の真前を通り過ぎる。小便をされるのは厭だから(そして実際に庭の一角が小便臭い)威嚇してみたりするのだが、カラスと違って私を覚えていないのか、道で会っても何食わぬ顔である。

 ちなみに私の周りには妙に猫好きが多い。ツイッターのフォロー先もマイミクも、何やら猫のアイコンばかりである。会社で後席のH嬢も2匹の猫と暮らしており、猫の話をよく聞く(というか猫の話ばかりしている)。

 うちは家人がいろいろの動物を飼うことが多いが、猫は飼ったことがない。猫との暮らしを聞いても、感覚的な部分はよくわからない。

 街中で見掛けるのが圧倒的に猫であるのは勿論必然で、野良の犬はとんと見掛けなくなり久しい。そして街中の犬は誰かに連れられた犬であり、気安く近寄って撫でたりする訳にもいかないし、正直あまり眺めたくもない。見知らぬ他人に何やらパートナー自慢でもされているみたいで、素直に単体の犬として愛しい気持ちで見られない。

 その点猫はその辺に転がっているし、仮に誰かの飼い猫としてもそれは分からない。まあだからと言ってこれも近寄って撫でたりする訳ではないのだが。

これはH嬢のところのハル(♂)。
画像を貰った。
もふもふ。


'10.5.12  随筆 

嫉妬(読み切り掌編)

出口、らしきもの


読書 「Story Seller vol.3」新潮社

発売から少し経ってから買う。7作家中4作家読めたので当たりか。近藤史恵狙いだったのだが、シリーズの人物設定を忘れていた(爆)。持ち歩く時表紙の表記が目立って嫌だったのだが、さだまさしが意外に面白かった(笑)。さすが恋愛書いて四半世紀超というところか。それにしてもなぜに休刊なんだ。


'10.5.9  随筆 

老成しとけ

 私は、やることがない時ややる気がない時には、大抵庭をうろうろしている。持て余す程には広くはないが、嘆く程狭い訳でもない。この季節は借景と相俟って一面緑で埋め尽くされる。椅子一個出して、缶ビール片手に半日を過ごすなんてのもなかなか良い。ていうかこのところそればかりの週末が多いんだが。そして「良い」って感じでもないんだが…。

 このところと言えば、1日1.5食の生活が続いていたのが何とか3食食べるようになった。落ち着いたと言うより慣れたのか。今日の昼飯は近所のスーパーの弁当だったが、大盛りだったので残しそうになった。「これ多いよねー」と言っていた長女は、食後になぜか菓子パンを食っていた。女の子はぽちゃ位が良いんだと思いつつ、彼女はまだ縦に伸びているらしい。家の中でしょっちゅう妻と間違えてぎょっとする。ただし、歩き方ががさつなので足音では判別できる。

 先日知り合いが昔の荷物をひっくり返したらしく、自分の昔の写真などを送って来た。こちらも面白がって昔の写真を送ろうと探してみるが、あまり面白い物は見つからなかった。

 というより「若かったこの時は面白かったのだろうけどなぁ」と醒めた目で見てしまったりして、そうそう人に見せる気にはなれなくなる。それはそうだ。43歳の私の目に、23歳の小僧は彼が思う程には輝いては見えないんだ。

 当時付き合っていた女の子の写真も出てきて、いやこれは捨てたのではなかったかと手に取るのを躊躇する。かと言って、今捨てるという踏ん切りはつかない。だってこれ捨てたら、きっと思い出さないよ?

 ただしその事は万人に肯定して欲しいことではない。なぜなら、私が思い出さなくなるのを躊躇うのは、自分の輝いていた時期を忘れたくないからなどという理由では全くないからだ。思い出せれば物書きのネタになるという、そういう心根からなのである。

 草木でも愛でて、もう少し老成することが、私には必要な気もする。


ロウバイに初めて実がなった。ただし全部ではなく一部の枝だけ。あまり可愛くない実だなと思っていたら、調べると毒性があるのだそうだ。「カリカンチン(Calycanthine)」と呼ばれるアルカロイドが含まれて、哺乳動物では中毒を起こすと痙攣を起こしたりするとか。



3本ある五葉の松の1本だけがすっかり花粉を撒く準備をしていた。口で吹くと、大量の花粉が飛び散った。松花粉症の方は接近不能と思われ。


母の植えっ放しブルーベリー。どうやら次は大量収穫を果たせそうな雰囲気である。

自生している藤(手前)と木工薔薇。どちらも花が咲いていないと単なる固くて鬱陶しい蔓なのであるが今は綺麗。

合成樹脂(=プラスティック)は死語だよなと考えつつ、実物の樹脂を見るとなるほどと思う。梅の木の樹脂にエロチックさを覚える私は変?

昨年全く実の成らなかった梅が、今年は殺虫剤を全く使わなかったためか豊作。まだ大きくなるという母の言葉に耳を貸さず、虫が付く前に採る事に。

お手伝いもんちゃん。これで午前中の超不機嫌が幾分和らいだ模様。良かった良かった。でも小虫だらけ(笑)。

という訳で、バケツ一杯採れた。取り敢えずウオツカ梅酒を1本作って…あとどうしようか。

'10.5.7  随筆 

秘密基地(読み切り掌編)



 
出口、らしきもの「石田頼子〜」「背中を撫でる」と来て、この読み切り掌編がシリーズだといいなというコメントをいただく。そんなにしょっちゅうは書けないよと言いつつ、1週間と開けずにまた1編。ちなみにもう1本ストックもある。うう〜ん、私はなにノってるんだろう。このまま創作掌編ブログで行くか。無理だけど。随筆だか掌編だか分かりにくいと不都合もあるので(笑)、これから本文掲載の掌編は、連載読み切り関係なくヘッダーを付けることにした。把握してるのは本人だけになるだろうが。
 ところで今回の作品は、mixiの「お題に合わせて短編小説を書こう」コミュのお題「基地」に参加している。字数制限が元々ないので、本欄の規定通り原稿用紙2枚分800字としている。お題が出てから半日で書いている辺りが何ともせっかちである。


'10.5.5  随筆 

背中を撫でる (読み切り掌編)



出口、らしきもの昨日までの連載、GW真っ最中に「中にしても良かったのに」はないか(苦笑)。いいじゃねぇか、どうせ本欄読んでるのはオトナだろ? と言いつつ「切ないね」とメールでコメントいただく。全くうんざりするほどね。そんな訳で打って変わって可愛らしいお話も上げとこうかなと。ところで私の周りはなぜか猫好きが多い。家の周りは猫だらけだが猫と暮らしたことはない私だった。「フミフミ」は実は爪が痛いんだそうな。


'10.5.4  随筆 

毎日更新・連載掌編小説「下水路で想う」-3回(全3回)

続けて読み返さないと意味が分からないという方はこちらへ…
出口、らしきもの
まあ、どっちにしても…という気もしますが。


'10.5.3  随筆 

毎日更新・連載掌編小説「下水路で想う」-2回(全3回)



'10.5.2  随筆 

毎日更新・連載掌編小説「下水路で想う」-1回(全3回)


石田頼子〜は3回読みましたよ」とふる君に言われたので「可愛いラブストーリーだったろう?」と言った。たまにはああいう話も思い付くんだよ。でもいつもはこういうのをグルグルグルグル書いては消してる次第。そういう次第。今回は3回連載。海外からスマートフォンで見てるとか言うんでなきゃ、とりあえず付き合ってくれ。