[今週のデスクサイド]拡大版 偏執的「戦前型ワルサーPPK」考

■とうとう購入
 CAWが戦前型ワルサーPPKを、それもエーレンバッフェでモデル化すると知った時はかなり心が躍った。暫くガンマニアらしい活動も買い物もしていなかったのだが、これはと思った。それが今年の3月のことだった。しかしその時はいろいろあって(そして金の方はあまりなくて)、当面は買わないことにした。

 しかし「その内に」というつもりでいても、トイガンというのはいつでも欲しい物が買えるとは限らない。大概は大した生産数ではなく、一度品切れとなると次のロットまで間が開く。言うまでもなく不人気モデルはそのまま事実上の生産中止ということもある。戦前型ワルサーPPKというのが人気モデルとも思えない。しかしこれは全くの誤算で、CAWの戦前型ワルサーPPKのファーストロットはあっという間に売り切れ、そして半年と経たずに再生産となったのだった。

 これを逃してはと思い始めた時にこの個体と出逢い、入手するに至った。この個体に関しては後段述べたい。あの衝撃の発表から実に9ヶ月を経ていた。


CAW ワルサーPPKエーレンバッフェ ダミーカートモデル 定価20,790円
■エーレンバッフェか、エーレバッフェンか
 ところで「エーレンバッフェ」という名称には最初は違和感を覚えた。いや、大戦独軍マニアなのだから物自体は勿論知っている。ナチ党員の中で、競技会などで優れた成績を上げた者や功績のあった者に与えられた物で、その名の通り名誉の武器=褒賞用武器である。気になったのはその名称の読みであって、実は私は「エーレバッフェン」と記憶していており、今までの記事もその様に表記していたのだ(訂正済み)。有名な親衛隊の「忠誠こそ我が名誉」というスローガンは「Meine Ehre heisst Treue(マイネ エーレ ハイスト トラウエ)」だし、武装SSはWaffen(バッフェン)SSだから間違いないだろう位に思い込んでいた。

 私の語学音痴の話は置いておくとして(棚に上げておくとして)、自分の記憶の元の方が気になる。昔の資料を引っ張り出すと、果たして「別冊Gun Part4 世界の名銃シリーズ」には「エーレバッフェン」と確かに表記されていた。…監修・床井先生。“弘法も筆の誤り”か。ちなみに今回CAW製発売時のGun誌'10年4月号でのレポートでも「エーレバッフェン」と表記されていた。歳清さん…。しかし無理もない。

そう言えば、古い資料には原語表記が見当たらない。手前の洋書も米語表記のみである…。

P.1■とうとう購入 ■エーレンバッフェか、エーレバッフェンか
P.2■戦前版と戦後版の違い ■プルーフマークを読む
P.3■トイガンのワルサーPPK
P.4■この個体について
P.5■謎のディティール ■今後

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