いつの間にかオープンから2ヶ月も経ってしまったが、銀座のMODに2号店が出来た。と言っても「2号店」とは誰も言わない。「ウラMOD」もしくは単に「ウラ」とだけ言う。場所は銀座6丁目の外堀通りに面したビルの"隙間"を入った、その名の通り「ウラ」路地である。私が初めて行った時は、たまたま案内の地図を持っていなかったということもあってなかなか辿り着けなかった。しかしあれでは地図があってもちょっと分からないのではないかと思う。
「オモテMOD」との最大の違いは、椅子があるということである。いわば「ウラ」のレーゾンデートルであり、それだけにちょっと凝った作りになっている。カウンター前のスツールは収納式で、床から伸びる脚に偏心して座面が取り付けられている。座るときは座面だけを手前にくるりと回す。店主・神谷曰く「10年間、お待たせしました」の"夢の"座れるMODだが、いざ出来てみると不思議な感じがする。常連客は皆さんそうなのか、座面をしまったまま立って呑んでおいでの方も多い。
ビールとウオツカしか呑まない私なので、酒の種類が多くても眺める酒瓶が増えただけで勿体ないのだが、ビールと言えばこれが変わっている。ドラフトはエールタイプ1種類。よく見るサーバとは違い、井戸のようにポンプで汲み出して注ぐタイプ。"井戸ビール"と呼んでいるがせめて"ポンプビール"位にして欲しいと言われる。ちなみに何で銘柄で呼ばないんだと訊くと「よなよなリアルエール」という名前なのだそうだ。確かにそれではちょっと格好がつかない。味は申し分ないのに。つまみは、これまたほとんど食べない私ではあるが、ちょっと凝った旨い物を用意している。
とにかく分かりにくい裏路地にあるが、店の前には「オモテ」でもトレードマークである樽が看板代わりに置かれているので、近くまで行けばすぐ分かるだろう。
RETREAT BAR MOD
中央区銀座6-4-16花椿ビル1F TEL.03-3571-1922
OPEN 18:00〜2:00 日・祝休 CHARGE \500
"井戸ビール" 1/2paint \600、1paint \1,100