
バラしの許可は頂いていたものの、ピン止めパーツに手を付けるのはやめておいた。なぜかリコイルSPの長さが左右違う。
■“ユニーク・コンディション”
趣味の世界に「コレクターズ・コンディション」という言葉があるが、今回レポートする預かり物のCMCワルサーP38はその対極にあると言えるかも知れない。モノ自体の程度は手入れが行き届いており極めて良い。しかし当時中学生だったオーナーに遊び倒されており、それは玩具としてのある種本懐ではなかろうかとも思うが、その為に製品のオリジナルコンディションは維持されていない。
青鍛冶さんによれば、元がBLKモデルだったためハンマーとシアーはロストワックスである。資料によればクロモリ鋼と謳われていたそうだ。またメインパーツは錆びたので交換し、その際STDモデルのパーツに換装されたそうだ。その辺りがこの個体を謎めかしていると言える。BLKモデルでは作動のためにオミットされたショートリコイル機構も、STDモデルのパーツによって再現されている。ここを見るだけでも結構なパーツが買い足されたのではないかと思われる。
その他固有のコンディションとしては、諸々の都合でファイアリングピンと装填表示が取り除かれている点。また、Fサイト両サイドの調整タブ部分は、サイレンサーを装着するために削られている。また当時のトイガン用オイルがプラスチックを侵すために対策としてグリップを塗装しているとのことだった。
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左側面(拡大)。
右側面(拡大)。

ロストワックスのパーツ同士が噛み合う部分。
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