随筆/日記
公文書

'17.11.28  随筆 

やる気のない11月
 そのままずっと家の中にいるのはさすがに不健康に思えて走りに出る。暫くJEDIで走っていると、空には雨雲らしき物も見当たらないのに雨粒が頬や額を叩いて来た。10キロ程度で切り上げる事にしたが、どちらにせよ暗くなり始めており、この季節、真っ暗になるのもすぐだろう。

 家に帰り着き、テラスから居間に上がると、奥から母が顔を出す。「雨、降ってきたよ」とは言ったが、この時間何かを干している訳でもないだろうし、狐の嫁入りに出会したときのような驚きもない。しかし母は「降ってきちゃった?」と意外そうな声を上げ、しかしすぐに引っ込んだ。

 手を洗い、冷蔵庫からビールを出して外を見ると既に真っ暗になっていた。秋の陽はつるべ落としと言うが、今の子供には「つるべ」なんて分からないよな。大体が自分が子供の頃からして、庭には井戸があったがポンプ式になっており、つるべなぞ使ったことはない。

 その日は本当に何もしなかったな。昨晩明け方まで酒呑みながらネットしていたとは言え、寝床から出たのは4時近くだったしな。10キロではスポーツとして走ったことにはならないし、買い物すらしていない。いや、買い物どころか食事もしていない。欲しい物も食欲もないので当然か。

 ビールも何か不味い。まあビールではなくて発泡性リキュールだけど。確かベアレンのアルトか何かが書斎にあったはず。あれなら旨いだろうか。書斎に栓抜きはあっただろうか。旨いビールがあるなら何か食べても良いかな。夕食まではまだ時間もあるし良いだろう。ただ、自分で何か作る気にはならない。

 これ先週末書いた様な気がしていたが作成日は11/4だった。ツイログで見返すとやはりツイートしていた(覚えてないのか?)。いやそれにしても今月はひと月全く酷いコンディションだった。まあ今も全快という感じではないが。とにかく休日は酒呑んで寝てるだけだった。


表題通り、もう少しで11月丸一ヶ月のブログ更新ナシになるところだった(焦)。


'17.10.30  日記 

小雨のクレープ
 休日外出しないもんちゃんが珍しく行きたいと言うので、高校の学祭に行ったのが先週末の話。帰路に「お腹空いた」と言うので、何が食べたいか尋ねるとクレープだと。意外な上にこれがなかなか近くにない。仕方ないので雨の後楽園までクレープを食べに行ったのがこの週末最大のイベントだった。しかし探すと意外にないものなのな。むしろ場所が水道橋で良かった。あれはハレの食い物だから。

 こちらも小腹は空いていたが、甘いクレープは勘弁だなと思いつつ、メニューのツナのクレープに、ビールがあったら最高じゃんって思ったんだけど、さすがにクレープ屋のスタンドにビールはなくて。でも売ってそうな場所は教えてくれた。

 結局、時折小雨の降る人気の少ない遊園地で、こちらはホットドッグと生ビール、娘はクレープを1.5個(食べられなかった分は私が)食べた。

 なんか変な感じだったな。学校見学だからというのもあって中学校の制服を着ているが、上に私の西ドイツ軍コートを着て、頑なに傘を差さない。頑なに過ぎる。

 この15歳の少女は、この先どう生きていくんだろう。こんなに頑なで儚くて大丈夫なんだろうか。あちこち行って一人で勝手に何でも決めてくる姉のバイタリティーがあまりに対照的すぎる(あれはあれで心配だが)。

 途方もなく面倒な気もするし、何か想像も出来ない物語が広がっている気もする。雨の降る遊園地でビールを呑みながら、なんて言うのかな、私はある種の途方に暮れていた。



 ところで、これで約600wなんだけど、本欄の字数制限、もうやめようかなと思った次第。ある種の矜恃であったのだけど、SNS時代にそれもな。という事で、今後は400-800wという事にした。


'17.9.15  随筆 

廃番だけど、新しい鞄 〜ボブルビーW13 ABS
 先日、新しい鞄を買った。仕事用の鞄は、駄目になっても大抵同じ物に買い換えるのだが、それでも2回目辺りでその不具合が厭になって違う製品にするという様な事がこの十数年の間続いている。

 この数年は2個続けてトライオンの鞄にしていた。この鞄はまず革が丈夫で、グローブと同じ物を使っているから傷も付きにくいし色落ちもしない。そして差し色がいくつか用意され、鮮やかな緑が洒落ていて気に入っていた。

 しかし、ファスナーに問題がある様で、同じ位置の基部がいつも裂ける。コの字の角の部分なので、確かに負荷が高いだろうが、必ずそこからというのが直し様のない欠陥と思えるし、ファスナー交換という修理は市井の修理屋でも受けるが、長さ次第であり、この場合全周換えるために高く付く。しかも、また買い直そうかとサイトを見たら、モデルチェンジで緑色がなくなっていた。じゃあこれでなくても良いな。


またもファスナーの壊れたトライオンの鞄。さすがにちょっとこのまま使い続ける訳にもいかない。

随分と鮮やかなラインナップだった。


BOBLBEE W-13 ABS【在庫限り特価】21,492円 (税込)
旧ブランド製品として在庫セール扱いになっており、オンラインショップでの在庫は今日現在、橙/緑/黄の3色のみ。現行品(POINT 65°Nロゴ)は黒/白/赤の3色。 → POINT 65°N(BOBLEBEE)

 今度は全然違うタイプにしようと思い探し出したら、たまたま自分のブックマークにあった旧ボブルビーのサイトでまだこれが扱われているのを知った。

 ボブルビーの鞄は既に2つ持っているが、いずれも自転車に乗る時に使っている。W-13の存在は知っていたが、確か数年前に既に生産終了していたと思っていた。ところが未だ在庫があり、しかも緑色がまだあった(またそこか)。

 実際に手にして意外な作りを発見したりするのは他のボブルビー製品同様。街中では似たタイプすら見掛けない程個性的なデザインも含め結構気には入って使っている。

 ただ、あくまで頑丈にPCなどをキャリーすることに注力するあまりか、作りがタイトで狭苦しい。また他製品同様ポケットが狭いし深くて使いにくい。これ体格の良い西洋人は指先すら入らないのでは? 逆にストラップの長さは西洋人向けなのか、丁度良い長さにすると鎖骨にバックルが当たる。

 なかなかベストという鞄には行き当たらない。


過去記事
'05.7.28 革の鞄 アクアスキュータム・ウォルトンシリーズのブリーフを導入。
'06.6.22 ボブルビー (自転車用)ボブルビーを初めて購入。HERKULES。
'07.9.18 鞄の修理 アクアスキュータム修理。5万の鞄を1.5万掛けて直している。
'08.11.7 トライオンFR308 アクアスキュータムからトライオンFR308に買い換え。
'09.6.18 ボブルビー投入の時 (自転車用)自分で塗装したPEOPLES DELIGHTを投入。
'13.6.4  アイロンとカバン トライオンを廃番のFR308からFR322に買い換え。


'17.7.30  car  随筆 

日曜日
 いつもの週末なら、昼過ぎまで横になっていたりするのだが、今日は朝から外出する事になった。「至急連絡欲しいですー」という長女のメールに気付いたためである。朝6時のメールなんて大概スパムなのだけど。

 用件は、部の朝練の後にバイトに行くが、用意した着替えを忘れたので10時辺りに持ってきて欲しいというもの。スパム並だ。普通なら「一度帰宅しろ」と言うところだろうが、珍しく朝に目が覚めたついでだし、適度な運動になるだろうから自転車で軽く走るか、などと考えてしまった。しかもツマと母にccが付いている。ばあばに持って来させるつもりか。自転車で行くと返信し、ccで解決済みと返した。

 で、雨降ってた訳です。やれやれ。

 改めて調べると、娘の大学までは約20km。ロードバイクでも50分あれば着くだろうか。電車でもドアトゥドアで60分程度だが、休日にはあまり電車に乗りたくないのでクルマにした。クルマだと道が混んでいると時間が掛かる。このところ、人に会うとか酒を呑むとかでなければ20km程度の距離は自転車で移動していた。大きな物を買うのでなければクルマには乗っていない。

 母のC3を借りた。久し振りに乗るクルマの何と快適な事よ。何せ足首を曲げるだけで前進して50km/h以上すぐに出る。楽だなこれ(文明人なのか?)。

 帰路、振動音のする天井辺りが気になり、音を出しているであろうパーツを押し込むと、音は消えた。まあこれ位は。

 ところがこれ位ではなかった。途中、街道沿いの店での買物後に、エンジンを掛けようとしたら…キーがもげた。出掛けにも変な感触だったのだが。これ、母が使ってる時でなくて良かったよ、まったく。こんなんで1万とか掛かるのだろうと考えると馬鹿らしいので、例によって自分で修理することにした。

 帰宅すると、一味唐辛子の詰め替えから母宅のエアコン修理の手配まで色々。なんか、日曜にしてはやる事が多かった。

モノレールの下を走り続けるコース。

快調快適に思えたシトロエンC3。

プラリペアで何とかなるレベルだろうか…。


'17.7.13  随筆 

15年前に通っていた酒場
 懐かしのショットバーの名前を、知り合いのFB記事の中で見掛けた。無くなったとばかり思っていたが、新宿3丁目から2丁目に移転していた(近くないんだよ)。しかし「ショットバーびざーる」の店名は覚えていたが、昔の事過ぎて、数回行ったことがある程度だった気もしていた。もう随分と昔の記憶である。

 例によって自分のブログを検索するが当たらない。確かに何か書いているはずだが。そう言えばブログは2005年からで、その前はウェブ日記の形式だった。改めてサイト全体を検索すると、日記リンクページがヒットした。通っていたのは2002年辺りだった模様。リンクページからの店のページへのリンクは既に切れていた。これは有料のくせにサービスを中止したJ-COMのサーバ上だったからだが。

 2003年の記事では、久し振りに寄ったら馴染みらしきバーテン氏に「1年ぶり位じゃないですか」と言われたと書かれているので、“それ位”は通っていたのだろう。肝心の彼の本名が思い出せないが、BBS上の記録で彼は教官と名乗っていた。私に合わせてくれていたのか、元々のハンドルだったのかは分からない。

 その頃の私は今と違いビールとウオツカしか呑まなかったので、主なウオツカがフリーザーに入っている様な店を選んで通っていた。当時ここはエギュベルという珍しいウオツカを常備しており、それがお気に入りでそればかり呑んでいたな。

 通わなくなった理由は多分特にない。この頃はG街を開発したり歌舞伎町にあったANGELに通い始めていたので、キャパ的に寄れなくなっただけだったと思う。

 ある晩覗いてみることにした。奥に小さいステージがある音楽好きが集う店になっていた。面識のないオーナー氏に音楽の趣味を訊かれたが残念ながら応えられなかった。ただ、常連らしき先客を含めて店の雰囲気は良い感じ。これで、1km半程度とは言え利用駅の反対方向の場所でなければまた寄るんだがなぁ。


当時のリンクバナー


'17.7.8  随筆 

良い夢を。
 耳を穿るとごっそり耳垢が取れたが、よく見ると耳垢色したカメムシの死骸1.5匹分だった。一つは腹から下が無いので0.5匹。夢に虫が出て来るのは希である気もする。他に記憶にあるのは、放棄された蜘蛛の巣に引っ掛って朽ちてかすかすの蜂の死骸。いずれも情景であって、ストーリーはない。

 これから寝るよという知り合いのツイートには「良い夢を」などとリプしたりするが、そもそも自分の夢が、前述の様に大概である事が多い。

 基本的に眠れなくなることはあまりないのだけど、眠れていないというシチュエーションの夢を見ることは多くて、自分が寝ていることに気づいていない事がままある。これはさすがに精神的に疲れる。タチが悪いのは、特になにもせず起きている夢だから特に変なことは起きないため、夢だと気付きにくいところ。私はよく「ああ、これ夢だから起きよう」と起きたりするので、そういう判断が出来なくなる。

 自分の中でよくある舞台の時には途中で「これはどうせ夢なんだから、付き合いきれなくなったら目を覚ましてリセットしよう」と念じて目を覚ますことがある。乗り心地の悪いエレベーターで古い病院の中を水平移動しているとか、ああこれいつものあれかと思いながらタイミングを図る。ただ夢から強制的に覚める時は、周りの人間が死んでしまう。

 何かにつけエロい話に結び付ける心理学者の分析ではどうなるのだろう。そう言えば、初めて入る居酒屋でアラサー位の女性を口説いて上手い事ホテル入ったは良いけど上手く勃たなくて、妙に優しく慰められながらうっかり寝てしまい、一人新大久保のホテルの天井を眺めている、という類の夢もままある。妙にリアルなので、久しぶりにやらかしたかと思うのだが。

 ハードディスクを分解して中を拭き掃除するという夢の方が、余程ファンタジーで気が利いているし、達成感もある(笑)。

(この1年ばかりの間のツイートから編集)

読書 【再々読】藤沢周「箱崎ジャンクション」文春文庫

「事情聴取」といつも被る。何か読む度に自分の深淵を覗く様でぞっとする。「あなたのやり方よね」とか、いかにもツマは言いそうだし(苦笑)。

 



'17.5.26  随筆  模型 

人畜無害にガンプラで安スコッチ。

 割と長いこと家呑み用の安スコッチとして愛飲していた「インバーハウス」が突如市場から消えてしまい、代わりにと呑み始めた銘柄がどれもが今ひとつしっくり来ていなかった。しかし先々週辺りに信濃屋で見つけたこの「クラン・ロイヤル」は、結構相性が良い模様。それでいて税込千円を切る。

 サイトの説明だと「グレンフィデックを中心にスペイサイドの原酒を使用し、WG&S社が所有するカーヴァンのシングルグレーンをブレンド。ウイスキー自体の味わいを最優先したスタンダードスコッチ」とある。グレンフィディックは好きだし、モルトはスペイサイド派なので申し分がない。惜しむらくはボトルが安っぽいのが残念だが、それは家呑み用だし価格相応でもある。

 ちなみにネットで「クラン・ロイヤル」について調べようとすると、意外に個人のインプレ記事は見当たらず、リストには「クラウン・ローヤル」という全く異種のカナディアンウイスキーが引っ掛かってくるがそれはまだマシで、極めて紛らわしい「クラン・ロイヤルスペイ」なる名称の釣り竿(縁がない)や、下手すると駄洒落みたいに「クラウン・ロイヤルサルーン」(これもまた縁がない)まで引っ掛かってくる始末だった。

 このところ、それでなくとも少なくない私の酒量は増えており、ちょっと調子に乗ると(調子が悪いと)ボトル半分空けていたりする。これは勿論家呑みの話だが、いかんなぁとは思うのだが、まあ家で呑んでる分には泥酔などはなく寝てしまうだけだし、当然部屋にある分を呑むだけで持ち金がそこから減ることもないし、まあ良いかと思っている。

 娘達や家の人間に絡む訳ではなく、ただおとなしく書斎でガンプラを弄ったりアニメを観ているだけである。極めて人畜無害である。呑んだくれだがイイヒトなんである(そうか?)。家で呑んでる分には…いや、街でも呑み屋にいる間は、温厚だったり陽気だったりするらしいですよ。ええ。


'17.4.25  随筆 

我が家の「重松 清」事情
 この春、自転車で20分の通学から、電車で1時間になった娘。暇を持て余すのか急に本を読みたくなったらしい。ところが今まであまり自分で本を買ってないからなのか、「大学で買うのと本屋で買うのとどっちが安い?」などと訊いてきた。何だそれ。

 初めは副読本の話かと思って大学の本屋の方が揃っているだろうと言ったら、全然違うらしいことが分かる。何読みたいんだと訊ねると特定の作家の小説で、重松清なのだという答えだった。経営学部にゃ関係ないな。重松清なら自分が以前に続けて読んでいたので、文庫本なら結構な数がある。書斎の文庫用書棚の1段を越えるくらいなので…40冊はあるだろう。

 書棚から持って行けとは言ったものの、書斎で物色するのもしにくいかなと、手頃な段ボールにでも詰めて渡そうかと考えてアマゾンの箱に入れ始めたら半端で入り切らない。そうこうする内に娘が部屋に来たのだが、この状態では選べまいと思いつつも念のため箱を見せると、あれもあるこれもあるねと書名で探すので、ああ下調べしてたのかと改めて知る。買った本人がタイトルなんか忘れているというのになあ。

 結局「疾走」だか「ナイフ」だか厚めの奴(重松清の本は大概厚いが)を持っていった。同じ事を娘がツマに訊いたとしたら図書館に行けと言っただろうが、私の方は本は買わないと読めないたちなので、作家が合えばそれなりに持っているのである。まあ、合えばなのだけど。それにそれが例えば藤沢周とか言われたらちょっと戸惑うだろうが。

 しかしあいつは物の扱いが雑だからなぁ。文庫カバーを買ってこないと駄目か(またお父さんが買ってやる病か?)。取り敢えず本屋が付けてくる特殊紙のカバーをテーブルに置いといたら、翌朝包んで持って行った。ご了承らしい。

 いや、勿論、読後感までは訊かないって。18歳なんだし。

'17.3.10  随筆 

識別と学習と記憶
 街中で知り合いに出会した時に先に気が付くのは大抵自分の方だ。しかし、知り合いかと一瞬思うのだが、年齢が全然違っておりすぐに別人だと認識し直すというような事も多い。勘違いしたその相手というのは、大概が自分が過去にその人を知っていた時の記憶の歳なので、結果として随分と若い人相手にそう思ってしまう様である。世の中には似た人が多いのだろうか。あるいは私は他人に対する識別能力が著しく劣るのかも知れない。

 だがこういう経験自体は、誰にでもよくある事ではないかという気もする。例えば夢の中で。

 意外な場所で意外な相手と出会す。大して親しくもないのに、懐かしい友達かのように話し掛ける自分。何話し掛けてんだと思うのに、相手も待ち合わせていたかのように振る舞う。尤も、そういう相手と行く先には、大抵トラブルが待っている。そういう意味では学習能力も著しく劣るのかも知れない。

 夢の中の出来事は荒唐無稽な様でいて、不思議と進行が予知可能だったりする。何せ自分の頭の中のことだから当然と言えば当然か。但し直前までは分からない。「これは下に落ちるな」とかそういう事は直前に分かる。だから大抵落ちてしまう。そういう意味では学習能力があっても不可避だという気もする。

 血液型話と同様に、夢占いも酒席でのネタみたいなものだ。だから結局下世話な話になるのだと思う。フロイトやユングは呑みながら書いていたんじゃないかな。自分の夢も下世話な展開を見せることもあるが、夢の常としてまあまず成就しない。何の話だっけ。

 10年単位で会っていなかった古い顔見知りに現実で続けて出会すことが最近あった。昔通った店の人が独立してやっている店に通う様になったからだ。昔の常連が来ている。前段の様な感覚だと、皆老けて見えて当然だが、しかし不思議とそういう印象がない。いざ面と向かうと、記憶の自動修正でも掛かるのだろうか。

 相手もそうだと良いんだがなぁ。


'17.2.23  随筆 

スタンプラリー
 そう言えば、首都圏のJR東日本はまだドラゴンボールのスタンプラリーを実施していた。ああ、関連サインの撤去作業立ち会いが来週の予定だったのを思い出した。ラッシュ時はさすがにないが、昼も近い辺りに列車に乗っていると小さい子供を連れた母親の姿を見掛けて気が付いたのだった。

 スタンプラリーという施策もどうなんだろう。こんな風に子供が山手線とかを巡ってそんなに利益になるのだろうか。…なるんだろうな。出掛けたら電車だけでなく、駅の商業施設も利用するだろうしな。

 駅も駅で、何かこういうキャンペーンがあると嬉々として臨む駅が多い様に思う。「スタンプ台こちらです」みたいな必要に駆られて掲出する表示でも、渋々という感じではなく手作業で作ってあったり。ああ、しかしそんなに適当なカラーコピーを取って、版権上大丈夫かねと思うことはあるけど。

 しかし、自分の子供が大きくなると、外で見掛ける小さい子供の歳が分からなくなるものだな。平日の昼に出掛けてるんだから未就学児なんだろうけど。幼稚園は休ませたのだろうか。保育園児はそもそも親が働いている時間で連れ出せないだろうし。

 小さい子供の挙動を見ていると、なんか酔っ払いみたいだ。余計な動作が多いし、すぐぶつかったり転んだりする。そして大人の言うことを聞かないのは、ほぼ男の子の方だ。大人になると忘れてジェンダーだのなんだと言う人もいるが、見て分かる位に、男の子は男の子で女の子は女の子だ。

 子供は父親が連れてるという事はなくて、母親ばかりな訳。そしてグループだとうるさいし、一人で子供何人か連れてると大丈夫かこの人という位子供にきつく当たる人も多くいて、迷惑や心配で、どっちも外に出て来なくて良いのにと思ってしまう。

読書 村上春樹「女のいない男たち」文春文庫

文藝春秋本誌で読んだ作品もあったが、後日に作中の特定の地名をぼやかしたという話も既にどこかで読んでいる。どこ時点で読んだのだったか。しかしあれ、火のついた煙草を車窓から投げ捨てるのが普通の土地とか書いたらそりゃ苦情も来るだろう。些末な話だけど。

 



'17.1.8  随筆 

西日
 この時期になると、傾き始めてからの陽差しが目に刺さる様で、西に向かって走るのが難しい。立っているだけなら目を逸らせば済むが、道を行く自転車だと進行方向というものがある。クルマならバイザーでも下ろすがそういう物もない。いつも掛けている色付きの眼鏡程度ではまるで効力もなく、それでも薄目にしたりとかして道を走る。

 これが車道だとまだ周りも同様に努力をしながら走っているのだが、遊歩道や公園の中の道などだと遠慮がない。手に持った何かを思い切り前にかざして、視界2m程度で歩いている人もちらほらいる。

 歩いている位ならまだましで、そのまま自転車で走っていたりする人もいるから困る。そういう人に限って重くてデカい電動アシストで、後に子供と芝ゾリなんか乗せてたりする。ぶつかれば負ける上に被害も大きい。こちらは歩行並の速度でスラロームして間を抜けていく。

 しかし、寒いには寒いが、風もなく陽差しはまだ暖かい。外出の帰路に近所の公園を抜けると親子連れで賑わっていた。小さい子供がそれこそわらわらと走り回っている。端の方に何やら人がたかっていると思ったら、ヘブンズ何とかといういわゆる大道芸人が何かしていた。

 うちも子供たちが小さかった頃は、よく公園に遊びに来ていた。築山の植え込みが迷路状になっている所を、腰をかがめて娘を追い掛けたりしたのだった。あれはもうそんなに昔のことだっただろうか? 何せその娘も今春から大学生なのだと。

 寒くても、晴れている日は外に出掛けると意外に気分が良い。正月休みは殆ど呑んでるか寝てるかだったので、今更ながら勿体ないことをしたなと後悔しながら公園の外周を走る。

 近所に中層ながらマンション群が出来るのだが、先日気が付いたのは、そこが出来るとうちには西日が差さなくなるということだった。西日に日照権云々と言う人もいないだろうが、しかし無くなると思えば大抵のものは惜しくなる。