GUN&MILITARY
公文書

'04.12.20  gun&military

余談

 今回は先日の「新製品即断即決」の裏バージョン。

 とにかく情報は専門誌に出尽くしていたので、いかに早くいちユーザーとして購入の感動をアップするか…というか"買いました宣言"するかというのが、今回のレポートの"位置"かなと考えていた。そのため、実は入手前に記事は文章としてそのまま使える状態にしていた。

 発売日の12月15日は平日。購入自体は昼休みに近くの専門店で出来たのだが、さすがに試射は夜に自宅でするしかないと思っていた。ところが図らずも一人で残業することになり、事務所で多少試射することが出来た。10m位の所から段ボールを撃ったりして付属の弾を半分くらい使った。

 そこで私は困ってしまった。専門誌の情報から想像していたモノと違っていたのだ。あれだけ露出していたのに何を読んでいたのかと我ながらガックリ来た。

 まず外観。思っていた程の質感が感じられず、電動BLKのG18Cと大差がない。価格差があるだけに、モールドのピン類やスライドと一体のチャンバー部などの表現が貧弱に見える。よくよく考えれば具が違うのだから「計算」は合っている気もするのだが。つまり比較しやすい物を続けて出すのはメーカーとしてはリスキーという事だろうか?

 それから予想程には撃っても楽しくなかった。反動は当然ないにしても脈動もほとんど感じない。ピストンが軽量化されているのは分かっていたのでそれはいいとして、ロックタイムが気になる。それでもフルで撃つとそれなりに「使えそうな感じ」が頼もしいのだが、セミでの連射がかなりもたつき、長物AEGと較べても劣る。このシリーズが発表されたとき、後続がフルも撃てるアレンジのM92FやUSPであることを疑問視する意見がネット上で見られたが、この具合では仕方がない。セミのみでは売れない。

 商業誌ではないが、発売日にネガなことを書くのもどうかと思い、また字数も超えるのでこれらの話は割愛した。逆にこれは「集めたもの」なので、言うほど悪いわけではない。


読書 佐野洋子「私はそうは思わない」ちくま文庫

実を言うと初めて読んだ。かなり面白いけど読むのが辛い。文章の構造が(文法的に)悪くて疲れるのだ。慣れの問題だろうか。最後まで読めないかも。


'04.12.16  gun&military

未来を獲るハンドガン

 発表からわずか2ヶ月。東京マルイの新カテゴリー電動ハンドガンの第1弾、G18Cが発売となった。

システム
 ブローバックしないことに不満を感じる向きもあるが、これはハンドガンがガスBLKという形式で完成度を高めて来たため感じるギャップではないかと思う。長物では結局ガスBLK形式はメジャーとならなかったが、電動ガンとして完成度を高め、今日ではその構造や作動のリアル度に対しての不満が差程でないことからして、将来的にはスライド非可動というのは大きなネガティブ要素にはならないだろうと思う。むしろ現状代替フロンのみであるガスガンのソース事情から言って、将来も生き残れるシステムであることの方が重要だ。

感触
 ご託宣はその辺にして実際に手にしてみると予想以上の重量感。数値上実物とほぼ同じだが、実物を持ったことはないのでバランスは分からない。専門誌面でも分かる通りモーターとギアとバッテリーの塊で、隅から隅までメカが詰まっているのだ。

以下、本文へ

東京マルイ 電動ガン グロック18C
\15,800


現物を手にしないとバッテリーのはまり方が今ひとつよく分からない。この画像でも分からないか。


とりあえず並べてみる。奥からMGC、KSC、電ブロ、AEG。


それにしてもさすが注目商品。専門誌でも丁寧にバラしたり撃ったりしている。専門誌を買えばウェブの情報なんかいらないな(本音)。特に「アームズマガジン」別冊の「トイガンアームズ」は創刊当初の本誌を彷彿とさせる内容に思わず買った。表4が表1のカットアウトモデル+裏焼きのロゴというのが商業誌でこれはないなぁ位に思っていたら、なんと広告掲載がゼロ。「だから」なのか「たまたま」(それはないだろ…)なのか、は分からないが。

'04.12.15  gun&military

(予告)

小隊司令部では本日、待望の東京マルイ電動ガン・グロック18Cを入手。
レポートは今夜の更新でアップの予定。乞うご期待。


(もっとも、それよりはアームズマガジン別冊「トイガンアームズ」買った方が良いのだが…(爆))

'04.11.8  gun&military

亜鉛ダイキャスト


20年以上前に買った25オート。ガンブルーを落としたままなので曇っているが、表面は平滑なまま。


M712MAXIのタンジェントサイト。全体に疱疹のような錆が浮かぶ。軽く削ると表面がこんなに荒れている。折れた根本に補修跡。全体が曲がっているのも分かる。これでは直しても意味がない。

 以前の記事で、マルシン製品の亜鉛ダイキャストはMAXIで変更されたのではないかという話を書いた。以前の製品とは見た目から違う。表面が粗い上に変質が早い。発売時に購入したM712のタンジェントサイトは、錆び付きくっ付き、しまいには折れてしまった。同じ症状を他でも聞いている。

 マルシンのMAXIシリーズはラインナップもメカニズムも興味深い物が多い。多くが8mm弾を使うということを除けば(私は否定派なので)、もっと売れて欲しいシリーズである。しかし現に3種4挺所有している私が、これだけは何とかして欲しいと思って止まないのがこの材質の問題である。

 あまりに気になるので、マルシンに問い合わせのメールを送った。有名企業であってもメール対応には慎重なところが多い昨今だが、マルシンはサイトトップに「ご意見・ご感想・お問合せ」としてメルアドを載せている。しかも朝出したメールに、昼に返事が来た。素早い。

■問い合わせ
〜略〜 MAXI以前の製品とは明らかに亜鉛ダイキャストの質が変わっています。明らかにこの材質は変質が早いです。遥かに古い製品であるサイド発火のPPK/SやライブカートBLKのCz75の黒染めダイキャストが綺麗なままなのに、同じ保管状態にあるMAXI M712などはタンジェントサイトが錆び付いたようになりました。

■マルシン工業からの返答
亜鉛ダイキャストの材質は変更しておりませんので 表面処理や鋳造時の条件の違いによるものではないかと 思われます。今後留意して取り組みます。

 削っても劣化は同じなので「表面処理」の問題ではないだろう。つまり「鋳造時の条件の違い」か。結局分かった様な分からない様な結果ではあるが、いずれにしても今ある物については仕方がない。とりあえず今後は気にしてくださるらしいのが分かったところで筆を置くことにするか。


'04.11.2  gun&military

ブラスター(Blaster)

 最近書いていた記事で、引っ掛かった言葉があった。「ブラスター」である。ある種の銃に対する総称だが、私はブラスターについてあまり理解をしていない。そもそもブラスターとは何だろうか。

 実銃にはそういう形式の銃はない。ブラスターは主にSF映画やドラマに出てくる。私にとっては「ブレードランナー」の主人公デッカードの物や、「スターウォーズ」ハン・ソロの物がポピュラーだ。そのせいかイメージとしてはトリガー前にマガジンの来る拳銃の形式を思い浮かべるが、勿論そうでない物も沢山ある。

 調べていくと、これはどうも光線銃を表す名称の一種として使われているらしい。同義語は「レイガン」「ザップガン」「ビームガン」など。「ザップ」はともかく、「レイ」や「ビーム」はそのままの意味で分かり易いが、やはりブラスターは分かりにくい。

 英和辞書には当然銃の形式としては載っていないしスラング辞書にもない。爆発/爆風が語源の様なので、破壊力の強い銃というイメージなのだろうか。サンドブラスターという工具があるが、あれは塗装剥がしや下地作りのために圧搾空気で砂(研磨剤)を吹き付ける物だから(ここの読者にそんな解説は不要か)、エネルギーを「吹き掛ける」ということで語源になっているのかと考えたり。一方でガンマンを俗にブラスターと呼ぶこともあるそうで、そちらが語源という方が信憑性が高いかもしれない。

 SF物に詳しい友人に訊いてみると、高エネルギーの塊や光線を射出する銃を指す様だけれど、作品により意味合いはまちまちであるらしい。けれども携帯型の火器であるところは共通しているらしい。

 私が理解していなくても無理はない。誰も規定はしていない訳だから。そういう言葉ほど厄介なものはないんだが。誰かがある銃を「ブラスター風だ」と書けばそれはブラスター風なのだし、困ったな。結局困ったままだ。


読書 山口 瞳ほか「山口瞳の人生作法」新潮文庫

'04.10.25  gun&military

中華グロック・G26カスタム風 CYMA P.698A


CYMA P.698A 売価840円+送料、代引き手数料=2,205円

 最近になってようやくネットオークションを見て回る様になったが、あまりにも業者による出品が多くて驚く。最近流行の中国製エアガンの多くもこれである。これも長いこと欲しかったが入手できないでいた。高く入札すればいいのだろうが、どう見ても1,000円以上の価値があるとは思えなかったからである。それでは入手してみてどうだろうか。

 今流行のアジアントイガンにはコピー紛いの物も多い。このCYMA P.698Aも外見は、G26の東京マルイオリジナルカスタムであるG26アドバンス風だ。本体もどうせと思うところだが、どうにも見慣れない成りをしている。アクセサリー同様にディティールもマルイを模しているかといえば全然違う。エジェクションポートは妙に前に寄っていて似たものはない。フレームの構成はモナカ+3ピースのグリップパネルで他に見ない。そしてバラして出てきたメカも見たことがないタイプだ。独創的でも素晴らしいのでもなく、単に見たことがない。外国でトイレに入ったらTOTOじゃなかった、みたいな感じだ。アクセサリー類の取り付け方法もユニークで、バネ仕掛けでパチンと留めてある。玩具としては正しい処理だ。

 ここまで読むと何やら誉めているようでもあるが(?)、作りは不安になるほどヤワだ。ネジは全てタッピングなので分解組み立てには向かず、組み方が適当で元から山をネジ切ってしまっているネジもあった。実射性能を云々するような物ではなく、カタカタ動く肉薄プラのインナーバレルからは10歳以上用パワーで何となく前方に弾が飛ぶ。もちろん、組み上げ方を見れば分かるが個体差はかなりあるだろうからそれは私の物だけなのかも知れない。

 980円とかなら適価だろう。夜店にあったら大喜びで買う。でも、本体価格同等の送料を払ってまで買う価値があるかどうかは…その人次第だ。


アジアン・コンパクトグロック4種。
左上から時計回りにCYMA、アリイ/トイスター、BWC/モニカ、サニー/アカデミー


アクセサリーを外したベースはP.698。それにスタビが付いてP.698+。フル装備がP.698Aとなる。スライドのCOMBAT DELTAってのはMIL SPECに対するジョーク?。


レーザーポインタ以外は全てクリップオン。バネがいい加減に入っている。


分解展開。未知のメカ(笑)。クリック拡大しても未知のまま。


'04.10.5  gun&military

エーダイグリップ スタームルガーMk1

 スタームルガーMk1が好きで集めてはいるのだが、コレクターを名乗れるほどではない。そもそもMk1のトイガンは日本では今までに5種しか発売されていないが、未入手のコクサイ製は売買禁止モデルだからこのコレクションはコンプリートしようがない。ただし後の4つは揃った訳だが。実は先日やっとエーダイグリップ製を入手できたのである。


オークョンで入手のデッドストック品。
発売時期、定価、不明。


'04.9.27  gun&military

ガレージキット

 これが来た。箱を開けてから、やはり完成品を買った方が良かったかなと後悔。1万もある価格差もさることながら、注文する時には自分なりにああしたいこうしたいといった事が色々浮かんでキットにした訳だが、いざ現物を手にすると、どう見てもレジンの肌だし、気泡はあるし、要するに明らかにガレキだ。これを金属風に仕上げるなんて自分に出来るのだろうかと怖じ気づいてしまう。

 今回、これがどこ製の何かはテキストにしない。これの情報を真面目に探している方が検索でこの記事に当たったりしたら申し訳がないからである。ガレキ組み立ての知識も経験もない奴が、箱を開けてひたすら溜息をついているだけなのである。

 それだけでは何なので、実銃の話を少しだけ。

 ステロタイプなドイツ人像は杓子定規で融通が利かないイメージだが、"命を懸けた工業製品"ですら彼らの発想の自由さに驚くことがある。合図のための道具から榴弾や成形炸薬弾を発射してしまうのだ。しかもこれは奇をてらったものではなく、米軍のM203などに見られるようにその後の用兵思想に大きな影響を与えている(あくまで持論だけど)。

 ところでこの銃、どんな質感なのだろう。材質は色々あるということだけ覚えていたので再度調べた。1928年の登場当時は鋼製本体に木製グリップだったが、1934年には黒いアルマイト仕上げのアルミ製本体にプレスパーツとベークライトグリップとなっていた。末期は亜鉛ダイキャストの物もできたが、それは信号弾専用で榴弾は発射できない。材質が同じアルミでも、戦時ライセンス生産のエルマ製は赤茶けた下地が出ているが、ワルサー製はアルミ地肌の出た色という違いがある。少なくとも真っ黒というのはあまりリアルではないらしい。

  …やはり組んで塗るのが不安になってきた。


丁寧にパッキングされたパーツ群。

金属パーツの袋はまとまり毎にウェルドされており、互いが擦れない上に外から全てのパーツが確認できる。
参考資料
床井雅美「ワルサー・ストーリー」徳間文庫
まあ基本ということで。
カンプ・グルッペ・ジーペン監修「Wild Mook 39 WW2ドイツ軍兵器集 火器/軍装編」WPP
古いが資料価値の高い1冊。
「Gun '92年11月号 NY支局フォトエッセイ」国際出版
同誌でこの銃を取り上げた唯一のレポートと記憶するが、大変貴重な写真ばかり。ただ、エッセイなので文章情報の方には資料価値はほとんどない。

読書 村上春樹「レキシントンの幽霊」文春文庫

'04.9.13  gun&military 

それなりに新しく、良い。


 P99FSコレクターにとってこの手のバリエーション展開は、愉しみであり頭痛の種でもある。P99では私より遥かにそれを痛感しておいでであろう方も…。ともあれ、待望のFS(フィクスドスライド)セット、発売である。色々と話題になったマルゼン2002年カタログでは、「新世代固定スライドシリーズ」の第1弾として載っていた物である。

以下、本文

マルゼン ワルサーP99FS(フィクスドスライド)セット
\13,800


とにかくケースがお得。でも表裏が分かりにくいのは難ありか。下は付属品無しのBLKのもの。


読書 村上春樹「アフターダーク」講談社
この下段の記事が公開時と変わっているのは、私が不注意で削除してしまったためで、他に特に意味はない。同書のタイトルがマック用の旧いスクリーンセーバーを思わせて、フライングトースターマーチが頭の中で鳴るとか、そういう話だった。