随筆/日記
公文書

'11.8.29  随筆 

朝の失敗
 たまに、眼鏡を掛け替えるのを忘れていることに気付いて100m程度の所から家に引き返すことがある。他人から見れば何が違うということもないだろうが、朝から蹴躓いたまま先に進む様でとても落ち着かない。

 眼鏡と定期と携帯電話は、取り敢えず揃っていないと調子が悪い。PowerBookはさすがに忘れないが、随分前に妻が同じiBookを使っていた時に間違えて持ち出しそうになったことはある。

 出掛けの失敗ということでは、冬場のことだがスーツの上下を間違えたことがある。全て黒か緑か、さもなくば茶系なので、多少違っても他人は気付かなかったかも知れない。いや、さすがにそんなことはないか。

 今朝は、失敗と言うほどではないが、シャツガーターを着けずに出てきてしまった。腕捲りしたまま外に出るのはあまり美しくないと考えているので、夏場も長袖の私は袖の長さをシャツガーターで調整する。また、袖が長めのシャツを買うので(パターンオーダーも長めに作るので)、シャツガーターは必須なのだ。しかし今日はおろしたての吊しのシャツで、いつもより短めの袖だったこともあり、そのまま出てしまった。

 シャツガーターは鞄に入っているのだが、鞄を片手にはちょっと着けられない。かと言って、網棚に載せて列車内というのも憚られる。シャツガーターと言うと一般的でないだろうが、例えばこれがネクタイとして、車内で着けている人を見掛けたことがあるだろうか。鏡など無くても普通は着けられるが、そういう人は見掛けない。

 無いと困るので鏡を持ち歩いているから安心して化粧に取りかかれるのか、車内で化粧をする女性は季節に関係なく減る兆しがない。と、それはしばしば書いている話なので今回は端折ろう。

 何の話だっけ。何のことはない自分の忘れ物自慢か? よくよく考えたら、磁気定期の使える改札が減ってきているという話を書くつもりだったのに、それを忘れて書き進めてしまった様だ。やれやれ。

'11.7.26  随筆 

そういえば13周年
 7月も今週で終わり。7月と言えば、何か特別な区切りがあった様な気がしながらも、まあともあれ勤務先の決算なので、そのためにあれこれ考えることがさすがに多くて既に月末である。

 そして思い出した。このウェブサイト「栴檀林小隊 前線司令部」を立ち上げたのが7月だったのだ。それも7月2日なので、とっくに過ぎている。普通うっかり忘れていることか? '98年立ち上げだから13周年だった次第である。周年としては半端だからいいか。ブログしか見ていない人がもしいたとしたら何のことか分からないだろうけれど(そんな人いるか?)、このブログ「小隊司令部発BLOG版」はウェブサイト「栴檀林小隊 前線司令部」の日記部分を'05年9月からブログ形式にした物なので、サイト全体としてはもっと前からやっているのだった。

 毎年この時期にはリニューアルをあれこれ夢想していたりしたのだが、今年はそれも忘れていた。やれやれ。デザイン(というレベルですらないが)やら何やらが昔のままのコンテンツも多く、何とかしたいのだが、既に膨大な量になってしまっており手の着けようがない。たまにクラリス「ホームページプロ」で作ったページが変な専用タグが付いたままで残っていたりするのを見つけたり、HD故障によるローカルサイト全滅の時にサイトをDLした影響で変なスタンプが付加されたままのページを見つけることもある。たまにサイトをまるごとリモートと同期すると「なんだこれ?」というファイルが出て来ることもある。

 ちなみにローカルサイトのサイズを参照したら79MB少々だった。画像は大抵小さいし、動画もほぼないからだろうが、13年もやって80MB足らずというのも何か淋しい気がする。PowerBook Duoの画面サイズを基準にしたままなので、結果として画像も小さい。ここから変えるとなるとそれもまた…。

 こんな調子で13年なら大したことない気がしてきた。

独自ドメインを使う前の、まだジオシティーズでやっていた頃の当サイトのトップページ。なんだこれ、色味や基本レイアウト何も変わってないじゃねーか。

読書 角田光代 鏡リュウジ「12星座の恋物語」新潮文庫

タイトル通りに12星座男女それぞれ計24本の掌編集。何より角田光代凄い。さすが晩飯のメニュー考えながら小説書ける直木賞作家だ。1本当たり7〜8Pだが、読むと1本1本ちゃんと角田だし。それにしてもこれ、やはり自分や自分の身近な人のタイプから読んでしまう様に思うが、そうすると後がどうでも良くなってしまうジレンマ。まだ3星座しか読んでないが読了断念の予感がッ…。


'11.7.1  随筆 
家まであと5分
 山手線の19時台。何とも中途半端な時間である。西武線に乗り換える高田馬場駅はウンザリするほど混んでいる。いつもの私なら歌舞伎町に寄ってBBLで1杯、いや2〜3杯やってから西武新宿駅発の電車に乗って帰るところだが、山手線反時計回りなので馬場を通過して新大久保から歩くというのに少し気が退けるということもあり、今夜は寄ってもあまり楽しいことは起こらない様な気がしてきてやめることにした。

 ところが決断してウンザリ駅からウンザリ列車に乗っていると、この気分のまま家に帰るというのもそれはそれで厭だなと思ってくる。これで、予定の勉強もせずに叱られてぶーたれた娘と妻が言い合ってたりすると更に厭だなと思ってくる。急行で30分揺られた後で良いから最寄り駅で一杯なんて考えも首をもたげて来たりする。

 しかし現実には寄りたくなる様な店自体がない。本欄でたまに名前の出るパブHは基本的には終電辺りの帰宅で覗く店であるし、開店も21時以降である。最近よくチラシを配っている何とかキッチンを覗いてみようかと思ったが、若向き且つまとまりのないPOPに気が削がれて二の足を踏む。昔何度か行った外国ビールの豊富なDは、出る物自体は悪くないが価格は都心部と変わらずそれをここでかと思ってしまうし、何より開店時間が不安定という致命的欠陥がある。5駅くらい都心側に行けば、街道沿いに気の利いたショットバーがあったりするんだがなぁ。

 結局、本屋に寄った後に前を通ると、偶然にもDが開いていた。移転してから初めての訪店なので、多分2年ぶりくらいではないか。殺風景なビルの吹きっ晒しの外階段に入口がある。目的のエク(独ビール)がなく、フィディックが15年のみだったので(…)リベットにした事を除けば、まあ相変わらず悪くはない。もっとも父親仲間と何度か行ったせいもあってか話題は育児や学童クラブの事に。あまりそういう気分でもなく、中途半端な気持ちのまま帰宅。


読書 山崎ナオコーラ「論理と感性は相反しない」講談社文庫

読み進みながらふざけた短編集だなぁと思ったら、きちんと仕事でふざけているのらしい。全編書き下ろしとのことだが、確かに連載にはならないなこれでは。自らがモチーフと思しき矢野マユミズ改め矢野マユミミズなんかいきなり2/3辺りで死後の作品集出版の話だもんなぁ。


'11.6.25  随筆  bicycle 

血とジェラートの週末
 先々週末から先週末にかけては、血を見ることが多かった気がする。

 なぜだか立て続けに鼻血が出た。止まったかと思えど、ちょっと触るとまた出る。何だったんだろう。「口の中で鉄の味がしたら風下に逃げろ」というのが某所で流行っていたが、風下どっちだ。そんな冗談ばかり言ってるからU嬢に睨まれちゃうんだろうな(笑)。

 さらに、髭剃りのメーカーを変えたら相性悪くてすぐに切ってしまう。暫く髭剃りはジレットの2枚刃(アクタスプラス)を使っていた。替え刃がなくなったタイミングで使い始めた、試供品の電気仕掛けで震える5枚刃(フュージョン)が酷くて、あっさり漏電トラブルでいつの間にかスイッチが入っているという酷い状態に。直せず(分解できないので修理も出来ない)、嫌気が差してフェザーの3枚刃(MR3ネオ)に変えた。ところがこれが相性が悪い。剃れない上に何度も刃を当てると余計なところが切れる。仕方ないのでジレットの電動じゃないやつを調べようとメーカーサイトにアクセスすると…Flashが最新バージョンでないことを遠回しに警告するアニメーションが延々。お前はニコ動か。大体さ、ジレットのホルダーってなんでこんなにデザイン野暮ったいんだ。

 そんな気分で迎えた週末は、天気が何とかなりそうなので久しぶりに走りにと思っていたら、もんちゃんとお留守番ということに。ダメモトで小金井公園にアイス食べに行こうと誘ったら珍しく乗り気になった。着くなりダ・ルチアーノのジェラートのレモンをダブルで頼んだが、案の定1コは私が食べる羽目に。何なのよ。

 ところが自分でそれを忘れていたのか、翌日曜に目的地を決めず出たリハビリライドで、結局境川CRの飯田牧場へ行き、やはりダブルで…。

 しょうもないことを繰り返す週だった様で。今週はいい1週間となりますように。


たまたまアイスが食べたかったのか、もんちゃん。シッポTシャツ。

これは私の食べた「ダ・ルチアーノ」のミルク。これに更にシングル1個ってさ。

「飯田牧場」ミルクと抹茶。帰路のエネルギー源だしね。
RC20の記録 飯田牧場 リハビリとか言っといて90キロ超はないでしょう。脚がダルいです。
走行時間3h49m18s/走行距離94.32km/平均速度24.6km/h/総走行距離8136.0km

'11.6.25  随筆 

緑色を選ぶ人は、こういう人です。
 得意先と同じビルに入っている有隣堂は、私が最も頻繁に利用する本屋だ。利便が良いという事もあるが、平台の趣味も割に合う。それと、この店が文庫に付けるブックカバーが気に入っている。何の印刷もない無地の紙(レザックという厚紙)が使われていて、数色から選べるのである。私が選ぶのは言うまでもなく緑なのだが。

 先日入口近くの新刊文庫コーナーにPOPが新設されていた。当店のブックカバーは色が選べて、この色を選ぶ人はこんなタイプです、という占いみたいなものだった。言うまでもなく緑色がどうなのかを見るのだが、「こつこつと努力を重ねて成功を目指す」という様なことが書かれていた。私はなにやら厭な気分になり、一瞬何か他の色がないかと探してしまった。と言ってもライムやダークグリーンなど“他の緑色”という事だが。

 何が厭な気分の元なのか考えてみる。こういう事を言われるの自体が、あまり好きな方ではないのだ。「あなたって、こつこつ努力を重ねるタイプよね」なんて言われるところを想像してみなよ。鼻の頭に毛虫が留まった時のスヌーピーみたいな顔になるね。断定風に言われる事自体が厭な訳じゃない。「こういう事」なのが厭なのである。でも、大抵みんな厭じゃないかな。

 それから、言われていることがまるで見当違いな所も厭だ。自分は別に一発勝負の山師や何の苦労もない天才なんかではないのだが、「こつこつと努力を重ねて成功を目指す」だなんて思ったことも言われたことも目指したこともない。こつこつじゃなきゃ駄目なのかよ。四十代半ばで過敏に反応する部分じゃないのかも知れないけれど。

 自分の周りには人の内面についてあれこれ言う様な人は少ない気がしたが、よく考えてみるとこれもまた例によって、私自身が言われにくいタイプなのかも知れない。

 とりあえず、件の占いは自分の中で「緑色を選ぶ人は、装甲擲弾兵タイプです」と置き換える事にした。

注)大戦独軍は兵種によって兵科色というのが決まっており、装甲擲弾兵はアップルグリーンなのだった。



'11.6.23  随筆 

「ベアレンビールと岩手のお酒Festival」

 梅雨の合間の晴れ間となった水曜日。このところの週末雨続きで、ひねて「平日晴れてもしょうがないな」と思うところだが、今日なら晴天歓迎である。それも多少暑い位が丁度良い。何せ今日はビールのイベントがあるのだ。

 本欄ではお馴染み岩手盛岡のベアレン醸造所が関係するイベントが、新宿で立て続けに行われる。本日22日は、御苑近くのJip wine bar & wine shopで「ベアレンビールと岩手のお酒Festival」が行われることになっていた。6種類の樽生が特別価格1杯600円(通常700円、も安いな)である。内50円が被災地支援に寄付されるという被災地支援イベントでもある。

 初見の店だが、オープンな作りながらシックでその割に広い、結構良い感じの店だった。場所を言うに当たっては、新宿で呑む人は番地の方ではなく「御苑近く」と表現するに相応しい店かな。

 樽は6つだが残念ながらサーバーが2つなので順繰りに出て来るという。季節柄ラードラーから始めたい所だが、店の方曰く「まずは定番」ということでクラシック+シュバルツでのスタートだった。

 一人で行くのも間がもたないなと思っていたが、結局退社時間の被ったH嬢に付き合って貰う。もっとも着くなり私設応援団長のKOBA氏を見つけて挨拶したりしていた次第。7時を少し回ってからベアレン嶌田氏登場。挨拶になり皆が盛り上がるところを見ると、今日の客は、やはり大半ベアレンファンの様だった。

 さて、明日23日からは6日間、新宿小田急百貨店11階催事場で行われる物産展「東北グルメ応援市」にベアレン醸造所が出店する。楽天市場の主催で、東北のグルメ店舗が出店する物産展とのこと。ベアレンのビール各種を販売。生ビールの販売もあるとか。こちらは週末に掛かるので妻が行くことだろう。25日にも神保町「ユーロスターカフェ」で盛岡イベントがある。

 外で呑まなくても、うちにはケースであるんだけどさ(W

Jip(Newsページ)
ベアレン ニュース
We Love Baeren - ベアレン醸造所 私設応援団


お洒落な建て構えに本気の幟。


嶌田さんの挨拶。大盛り上がり。


つまみも安くて旨い。

やっと来た、ラードラーの回。

結局クラシック、ピルスナー×2、クラシックセラーときて、ラードラー×2で締め。

呑み終えた泡の模様が、コレ。なんて偶然。


'11.6.10  随筆  mac&other

立ち上がる時

 列車で人に席を譲って困るのは、PowerBookを操作できなくなること。まあ、立っても時々やるけど。両手で持って両の親指でタイプする。昔は良くやった。

 昔だから、今の物より大きくて重い機種(正確にはやや大きくて重く、機能が大幅に少ない機種)なのだが、こんな物でも好きで使っているし、こういう使い方だってできるのだとアピールしたかったのだ。こういう場合に「何のために/誰に対して」が往々にして抜けがちなのがマニアというものなのだが。別に誰も見ちゃいない。

 これ、確か「モバギ打ち」って言わなかったかな。今のミニノートよりちょっと小さい位のモバイルギアだからできる打ち方。それも持っていたのだが、テキスト打ちと、不自由なメール送受(メールサーバに残っているメールを重複してもいちいち全部DLしてくる)にしか使えない上に、メインであるMacとのデータのやりとりが面倒だったので、使わなくなってしまった。

 さて席を譲った後、文庫を読むにしても朝の通勤時は譲った後にその場からはあまり動かない。他の人を見てると、席を譲った人はその場を離れることが多い様に思う。互いに気を遣ってしまうからなのだろう。私は譲った後にわざわざ自分から移動しない。通勤列車で決まった位置に乗るのは、降りるドアが違うだけでホームではえらく不自由するからなのだ。そうまですることはなかろう。確かに、相手は相手でどちらかが降りる時に改めて礼を言う人が多いので、まあ煩わしいだろうなとは思うのだが。

 ちなみに、黙って席を立つという事はしない。相手に声を掛け、顔を見て「どうぞ」とか「座りますか?」と話し掛け、相手が応じてから譲る。黙って立ち去るのがさり気なくて良いとか美徳だとかは全然思わない。明らかに身体が悪いとか年寄りならまだしも、譲られた相手に自分より適した相手がいないか探させる様な状況を生む方が、余程不親切だろうと考えるからである。

「モバいる?いらない?」page-5 親指打ち


読書 長嶋有「ぼくは落ち着きがない」光文社文庫

読み始めに「これは面白くなるの?」とやや疑わしく思ってしまったのは、自分が学園舞台物が苦手だからだろう。それはともかく、舞台設定からしてえらく芝居がかっている。堺雅人が演劇に絡めて解説を書いているが確かにとも思うが、そもそもこれ舞台化意識して書かれてはいまいかと思ってみたり。その意味で西部劇の酒場の様な扉は、印象的なモチーフになる。


'11.5.25  随筆 

娘より先に卒所
 先週末に、学童クラブ父母会市内連絡会の総会が開催された。新年度始動のセレモニーであり、私にとっては足かけ4年に渡った同会役員として最後の行事であった。娘はあと1年学童クラブにいる予定だが、私は所属クラブの隠居職に就いて市内連絡会からは引退させて貰うことにした。

 とは言え、副会長兼その他の係のまとめ役であり、静かに終えられるわけもない。1週間前に送られてきた質問状への回答と調整。総会当日避けられないかも知れないディベートのシミュレーションに忙殺されていた。総会屋か私は、とも思うが、実際には1/6も使わずに済んだ。さらに壇上で話をしなければならなくなったが実はこれが一番苦痛。会場は100人以上の人で埋まる。選挙後の市議会が始まった直後ということもあり、例年なら招待状の返事を寄越したかどうかも分からない様な会派の議員まで来て挨拶をしていた。


ちなみに壇上にいるのが小官。
 学童クラブは行政にとっては二の次三の次の存在である。「働く親支援の政策」なんてどこかへ勝手に立てられた旗という程度の実感である。かと言って私は先頭に立って環境改善を図ろうという程入れ込んでいるわけではなく、ただ、そこに没頭している人達に「こうすれば楽だし、こうすれば早いですよ」という提案で手伝いをしていたに過ぎない。要するに、まあ、そういうスタンスで活動をするのが好きなのである。

 平生のコミュニケーションのために役毎にメーリングリストを整備する。アンケート集約がやりやすいように項目や形式を整理する。イベント参加の申し込みを正確に効率的に出来るように携帯電話で書き込むメールフォームを用意する。最後の1年は副会長兼任であったため、機関誌の編集もすることになった。

 バーンアウト云々と言う程に入れ込んでいた訳ではないが、隔週週末の予定がぽっかり抜けたかと思うと脱力を覚える。

 まあ、他に注力せねばならないものがあるから辞めたのであって、そう脱力してもいられないのだが。


読書 伊藤たかみ「指輪をはめたい」文春文庫

買い漏らしてたかと買い、冒頭30P辺りで既視感。当サイトのサイト内検索をしたら'06年11月20日に既読だった。つまりダブり買い。阿呆だ。でもストーリーはほぼ忘れていたために楽しめた。但し「1冊を2度楽しんだ」のではなく、「2冊を計2度楽しんだ」のであって、お得な感じは一切ない(苦笑)。


'11.5.3  随筆 

三鷹蟲の森
 連休前に、父母会のメールやりとりで「前半(父母会活動を)お休みいただきます」と書く人がいたので、「ああ、旅行するんだな」と今更ながら連休を認識する。私が旅行に興味がないのは何度となく本欄で書いていると思うが、今年は妻のプランもなく、我が家はまとまってどこかへ出掛けることのない連休となった。

 そうは言っても日帰りでは出掛ける予定が幾つかあり、連休2日目の「三鷹の森ジブリ美術館」へは付いて行くことにしたのだった。尤も日帰りどころか自転車(一般の)で30分程度の場所である。そのため初めは自転車で行くのかと思い、BBを外していたJEDIを前日に慌てて組み上げたが、クルマで行って三鷹駅前の妹の勤務先に駐めていく計画なのだった。

 もう何度も行っている場所なので常設展は見飽きているため、ショートアニメと企画展示を見た後の昼下がりは休憩デッキでビールでも呑んでいるか(帰路の運転は妻なので)というつもりだった。

 ところが着くなりカフェ「麦わらぼうし」へ入るという事になった。開店前だったが上手い位置に並べたため、一巡目で中に入れそうだという。並べば大抵1時間は待たされる店である。結果、私は昼間から呑むことになった。

 え? 何も呑まなくたって良いじゃないかって? ジブリ美術館ではオリジナルの地ビール「風の谷のビール」が供されているが、カフェの店内外では出される銘柄が異なるのだ。店内はメイボック(季節により変わる)で店外はピルスナーなのである。これはどちらも呑まねばなるまい。

 このカフェのメニューは、よくあるアミューズメントパークの類にある飲食店とは一線を画す旨さとボリュームだが、朝が遅かったので少し辛かった。

 わざわざ迷う様な構成になっている館内を何の苦もなく行き来できる位のリピートぶりであるので、ちょっと映画を観て、後はのんびりとビールでも呑んで過ごすのが良いのである。

屋上庭園から見た入口付近。ちなみに屋内は撮影否推奨。守ってない人もいたが。

守り神は後ろ姿が渋い。腰に生えた草がまたイイ。

「黒い石だ! 伝承の通りだ。読める。読めるぞ!」守り神の裏にあるが、この展示に気付かない人も多い。ここで「バルス!」とか叫んではいけません。

[オマケ] 謎の「風の谷のビール」
「風の谷のビール」は、静岡県は酪農王国株式会社ビール工房製の地ビール。ジブリのイラストラベルはジブリ美術館限定だが、元々の商品名も同じである。同社は1997年設立で、ジブリ(当時の徳間書店スタジオジブリ事業部)の美術館構想立ち上げの時期に合致する。「風の谷のビール」自体は2000年12月にオーガニックビールとしての認定がされておりその時点で名称は決まっていたが、これは美術館のオープン(2001年10月)より前である。いずれにしても、まさか美術館用のビールのために起業というのもないだろうし、同館の企画商品とは違うのではないかと思われる。実際、オープン当初の同館のビールの中身は銀河高原ビール製だったらしい。それよりも、酪農王国のサイトでは、同館で供されていること自体が全く触れられておらず、何とも不自然な印象があり気になる。こっちの話の方を取材でもして掘り下げて本文にすべきだったかも知れない(爆)。

酪農王国 http://homepage2.nifty.com/wind-valleybeer/
三鷹の森ジブリ美術館 http://www.ghibli-museum.jp/



'11.5.1  随筆 

むすめたち

もんちゃんの詩? 小3とは須く斯様にシュールな文章を書くものだろうか。先生のコメントが間抜け過ぎ。

 いつもより早い時間の帰路。家族との待ち合わせで駅前の通りを急ぐ。間引かれた街灯の灯りが薄暗く感じるが、元々こんなだった様な気もしてくる。暫く行くと前方に並んで歩く母娘らしき2人が見える。母親の方が背が低いので家人ではないなと思いつつ見る。娘の方は白い脚が薄闇に浮かび上がっており、若い子は本当に脚を曝すなぁと感じる。しかしこれ…。近付くと、中1の長女と母だった。

 「お前、スカート短ぇな」「えへへ」部活で転んだためという大きな絆創膏が膝を覆っていた。

 なぜ平日に地元駅前のファミレスなんぞに向かっているかというと、次女もんちゃんの誕生日(4/26)で、彼女の希望でファミレス・ディナーなのだった。

 小学校に入ったばかりの頃は「大きくなったら赤ちゃんになる」と言っていた。最近はクラスで並ぶと後ろから数えた方が早いという位になって、言わなくなった。

 でもまだ私と一緒に風呂に入る。

 プーさんの好きなもんちゃんに「プーさんと入りたい?」と訊くと、「入らないよ。プーさん、ぬいぐるみだから。縫い目、あるからね」と言われる。私の膝には子供の時の大怪我で縫い目があるのだが、その傷を指差しながら「ジツハ、オトーサンモヌイグルミナンダヨ」と言うと呆れられた。

 「もんちゃんはぬいぐるみじゃないの? シッポはないの?」とお尻を触ると、「お姉ちゃんのお尻触ったらエロスケベだからね」と言われた。「お姉ちゃんのは触らないよ。ぬいぐるみじゃないからね」。それを聞いていた妻に「何言ってんの?」と非難がましく言われた。

 片手で両方の耳たぶを押さえて頭を持ち風呂に入れていたのが9年前。9年10年が長いか短いか、年々分からなくなっていく。顔が小さくて、目が大きくて、睫毛が長くて、首が長いのは変わらないが、背丈は完全に「大きめの小学校3年生」である。少なくとも赤ちゃんではないよ。