page-5 親指打ち

'99.3.17

バイルコンピューティングがブームの昨今、専門誌が何誌も出ている。そういう雑誌を愛読するモバイラーの間には「親指打ち」というタイピングがある。
 しかしPowereBookユーザーには、その雑誌もタイピング方法も無縁なものだ。元々HP LX200などのユーザーの間で行われていたタイピングらしく、本体重量が1kgを大きく上回るノートPC向きではない。PowerBook最軽量のモノクロDuoや2400cでも1.9kgあるし、更にDuoのキーボードはフルサイズに近いので、割に手の大きな私でも、真中辺りのキーを打つと親指がつる。

モバギで親指打ち(DOSバージョンっ 
て今はもう店頭にないんだってね)

 設計者達に言わせれば「そんなアクロバティックなタイピングを考慮してキーボードなんか作れるか」といったところだろうが、こういう使い方が必要になる事もある日本の都市部の交通事情という背景自体が、そもそもAppleの人たちの眼中になさそうなのは周知のことだろう。

の場合、早く目を通したいメールをいくつも落としてある時に座席に座れず、更に時間潰しの雑誌もないなんて時は、やっぱり立ったまま読み書きしたりする。と言っても、親指打ちは速く打たないと内容を忘れてしまう様な場合だけで、大抵は半開きにして抱え込むようにして持ち、開いた鞄の中に手を突っ込む様にして右手だけで打つ。全開にして抱えると、みぞおちのあたりでクリックボタンが押されてしまうのもちょっと不便といえば不便。

PowerBookの話になると、キーボード手前をパームレストにし、ポインティングデバイスを中央に配置するというスタイルを生み出した独創性を讃え、その後のノートPCが(IBM系を除いて)そのスタイルを踏襲している点が指摘されることが多い。しかしこれはあくまで机上などで理想的な姿勢でタイピングをするためのデザインだ。

 東芝のリブレットを初めて見たとき、ポインティングデバイスの設置位置の斬新さに関心を持ったものだった。液晶の横に付いていれば、自分とPCの間に距離がとれなくても、あるいは立っていても、操作が出来るのだ。あれはその後のミニノートのポインティングデバイスの設置位置に大きな影響を与えた様に思う。これはかつてのPowerBookに勝るとも劣らないアイデアだと思う(といっても、これが東芝のオリジナルかどうかは怪しい様な気がするのだが)。

↑無理がある。第一、デカくて目立つんだよ。

れからのモバイルコンピューティングを考えると、マン-マシンインターフェイスにはまだまだアイデアが必要。キーボード付きのモバイル機なら親指打ち専用キーボードなんて出来てもいいんじゃないかと思う。

 あ、富士通がparm用に作ったという2文字兼用アルファベットキーボードはパスね。私はカナ入力だからサ。

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