随筆/日記
公文書

'11.4.12  随筆 

総会議案書

 大して忙しい訳でもないのに更新が滞りがちである。…いや、忙しいな。仕事じゃなくて学童父母会関係が、だが。

 5月に新年度の総会があり、それをもって任期が終わる訳だが、例年この総会用の議案書作りが大ごとなのである。そして私はそれを担当する係のまとめ役なのだ。

 担当の係数名で予め印刷した物を定例会の会場で出席者に製本して貰う。製本は勿論大変だが数十人掛かりの作業である。何よりその前の印刷が大変。

 A4判60P×1400部で今年は84,000枚刷る。これを6名で分担して週末毎に刷り貯める。14,000枚/人。両面印刷なので紙の枚数で言うと7,000枚。箱入りのコピー用紙が2,500枚とかだから約3箱である。今年は印刷機のある公民館が節電のため17時には閉館するし、更に先週末は選挙の投票会場のため使用不可という始末である。担当部の人員も例年より2人少ない。

 あまりに大変なので文章をリライトして詰められる物は詰める。更に今年は、引き継がれているワードのデータを使わずイラレでぎしぎしに詰め込んで、例年より10P圧縮した。イラレなんか使ってしまうと来年の役員には引き継げないのだが、それどころではないのだ。というか、この編集作業が一番大変だな。一人でやらなきゃならないし。

 どの係でもそれなりに不平不満は聞かれるものだが、この係は不思議とそういう声が上がらない。皆協力的で、さくさくと仕事をしてくれる。学童父母会の市内連絡会に参加するようになってもう4年になり、実はずっとこの係のまとめ役なのだが、これはとても有り難い。

 ちなみに、仕事の方は例年この時期暇になるので、これも有り難く議案書作りに没頭させて貰うのだが、今年は景気の悪さと震災で今だけの暇ではなくなってしまいそうであり、気が気でないのでさすがに没頭できないでいる。


表紙。いまさら市名隠すことないか? マップも一昨年辺りに自分でイラレで作った物。

読書 井上荒野「不恰好な朝の馬」講談社文庫

7本の短編が少しずつ交錯する構成で、そういうのは割合に好きなのだが、どうしたことだかスムーズに読み進まず、読み終えた話の登場人物や設定を忘れてしまっていたりして、充分に楽しめなかった。あるがままに物憂くしょうもない人間達が描かれるいつもの井上荒野なのだが、私のコンディションが芳しくなかったためだろうか。


'11.4.4  随筆 

通常出社

 平常通りに走る様になった上りの準急を待つ。いつもの位置辺りに行くと、次の列車は4ドアのはずが、少しずれた3ドアの位置になぜか3人並んでいる。先頭はスマートフォンの画面に見入っている若い女。その次がゲームに夢中になっている30少し前のスーツの男。脇を通り過ぎて4ドア位置に立つ私を怪訝に思うどころか、気づきもしない風で立っている。列車がホームに停まるとそのまま横にずれてきたりするんだろうなぁと考えると、軽く面倒な気分になる。もっとも、私の後ろに並ぶ人はいても、なぜか横には誰も立たないので、彼女達もそのまま乗れるのだろう。

 乗車して奥の位置まで進み吊革の空いているところに立つと、目の前の男が慌てて立ち上がり列車を降りた。真ん前が空き、左右には年寄りや妊婦がいないのを確認して、そのまま座る。別に座らなくても良かったのだが、周りに特に優先すべき相手もいないのだから、混んだ車内に無意味に場所を空けておく必要もないだろう。

 ただ、座ったはいいが、手持ちぶさたなのである。文庫を電車内で座って読むのは何となく収まりが悪い。今朝は割合余裕のある時間に起きたので、メールチェックは済ませて返信すべき相手には返信済みである。書きかけの書き物も特にない。7時間ほど寝たので、眠くはないし、寝ていないのに目を瞑っているのは無闇に嘘をついている様で落ち着かない。

 週末に、まだ革のコートを着ているのはどうだろうかと迷ったが、日曜の冷え込みがあったのでとりあえず着て出た。しかし車内を見渡してもせいぜいスプリングコートである。ちなみに私はスプリングコートを持っていない。特に暖かい訳でもなく、邪魔になると思うのだが。そんな事を書くと基本的にお洒落じゃないのだろうなとも思うが、あれをお洒落で着ている人は少ない様に思うがどうだろう。

 という訳で出社。1週間の始まり。


本文には全然関係ないけど、先週末は久しぶりのベルクでベルクドッグにドラフト。これが…やはりベストだな。

'11.3.26  随筆 

割引券とビール券

 給料日が来たのでスーツをクリーニングに出す事にした。私は生活に関わるものの価格が覚えられず、毎度クリーニング代を忘れている。何となく高額な気がして、給料日が来ないと安心してスーツをクリーニングに出せないのだ。

 スーツ3着とマフラーを畳んで大きめの袋に詰める。洋服屋のバイトをしていた時以来、上着は裏返して畳む癖が付いている。袋は仕事で作った得意先商業施設のショッパーのサンプルで、不要な程にでかい。

 窓口で5%オフチケットを出すと、今は何とかのキャンペーンなのでもっとお安くなっていますからと返される。なぜかいつもキャンペーン中に当たり、5%オフチケットは貯まる一方である。「背広上下478円」。そうですか。

 その後、財布の中に入りっ放しになっていた貰い物のビール券を替えに、通りの向こうのスーパーへ寄る。アルコールを買うのにピーコックだなんて、とても贅沢をしている気がする。というかそもそも年に3回位しか入らない。

 今日は麦とホップは止めておこうだなんて貰い物の券に気を大きくする気の小さい私は、ハイネケンですら気張って手に取るが、しまいにはシメイホワイトをカゴに入れていたり。自費だと贅沢と非難されるので、貰い物だからということで妻の好きそうな銘柄も買ってみたりする。それにしても、やや高級スーパーなのにビール自体が少なくて、棚の殆どが似非ビールで埋まっているのは時世か。

 「袋お付けして宜しいですか?」「ポイントカードはお持ちですか?」やら何やら。全然分かっていないシステムに翻弄される。本当に商業施設の広告を作ってる「中の人」なんだろうか、私は。

 帰宅後、妻にビールはいらないと言われる。「花粉症で私アルコール全然飲んでないじゃん」と非難された上に「原発事故でノイローゼになってSちゃんのお母さんなんて何も喉通らないっていうのに」とか言われる。いや、それ俺関係ないだろ。

 そんな週末。日記モードであった。


こんな袋を肩に掛けて、乗車姿勢が前傾のJEDIには乗れない。モモチャリ活躍の時である。不要にデカい前カゴ活躍の時である。

読書 一条ゆかり「正しい欲望のススメ」集英社文庫

昔、私は漫画に近い仕事をしており、一条ゆかりさんには仕事で直接お会いしたことがある。実は少年期の半分は少女漫画で育った私にとって雲の上の存在であったし、大御所女性漫画家というとステロタイプに良くないイメージで書かれたりするけれど…驚くほどに作中の大人の女そのままのひとだった。本書が文章として面白いか否かとはまた別の話。


'11.3.17  随筆 

オトコのモノ

 職場にあった資料のグッズ雑誌を手に取る。お決まりのオトコのこだわりグッズみたいな物が多いが、有名映画をモチーフにした物は“こだわり”になるのだろうか。例えばワルサーPPK系にはやたらと007云々と付加されるが、そういうのを買う人にとってPPKって“こだわり”なのか? まあいいや、自分の専門分野だから気になるだけだろう。

 逆に専門外という括りはおかしいが、電動シェーバーにはとんと縁がない。格好良い製品も多いのだが、学生の頃父親のを借りたことがある程度で、自分用を持ったことはない。私は専ら風呂場でカミソリ派である。

 そのカミソリに近年電気仕掛けが導入されて、微振動で綺麗に剃る仕組みになっていたりする。しかしまあ、よくよく見てみると、複数刃化の弊害の目詰まり防止である様な気がしてならない。カミソリは、少ない付加価値を追い求めた結果、今日の5枚に至ったと言えるが(実用上2枚刃で充分に思う)、その結果刃は薄くこぼれやすく、目詰まりしやすくなっている様に思う。

 試供品を暫く使った。幅があって鼻の下などが剃りにくかった他は快調だったが、そろそろ刃を替える位のタイミングになると、触れてもいないのに作動していることがあった。お湯に浸して使っていた訳でもないのに電池が浸水していたのだ。危ないなぁ。


私にとってはこだわりの逸品(の一つ)。不調だったのを最近調整したマルゼンPPK/S(3代目)。

パッキンに問題があるのか? ジレットフュージョン。

 男性専用と言えば男性用下着。当たり前か。随分前に男性用トランクスを女性が穿くというのが流行ったが、実際に見たことはない。

 H嬢の知人ケイ嬢の店では男性用高級輸入下着を扱っており、最近オリジナルブランドを立ち上げた。ひょんな事からTバックを1着いただいた。日頃ビキニブリーフを着用していたりするので、トランクス派より違和感はないと考えていた。
タイトに包まれる感覚に慣れている身としては、前はともかく後ろが不思議な感じであるが悪くない。

 他人様にそうそうお見せする機会がない点では、他のこだわりの逸品と同様か。

 Made in Tokyoのアンダーウェア TOKYO BOYZ


電動ガン強化パーツの様な(?)高級感溢れるパッケージ。

中身は、Tバックのショーツ。

背面はこの様に透けているが、前面はさすがに二重。

読書 角田光代「八日目の蝉」中公文庫

近日映画公開ということで二の足を踏んでいた(笑)。近年の角田光代の「母と私」パターンかと思えばそれとも違う。誘拐犯とその女に育てられた私は、時系列でも物理的にも勿論血縁でも別れていて、だからこそ母娘の本質を考えるのに適した配役なのだろう。


読書 大道珠貴「東京居酒屋探訪」講談社文庫(読み掛け再読を読み掛け)

読み掛けで会社に放っていたので、他に読む本がなく手にしてみる。…駄目だ。小説は幾つか読んだが、この人のエッセイは読めない。ある種笑っている文章と言える。愚痴や内省が全然エンターテイナーでない。すみません。どこかに埋めときます。

勿論、思うことは色々あるが、いつも通りの栴檀林で行く。宜しく。


'11.3.12  随筆 

3/11の身の周り
14:46 地震発生時、社内には来客1人を含め5人がいたが、怪我もなく無事だった。棚の物が飛び散らかった程度で破損らしい破損はない。

16:00 打ち合わせの予定だった東京駅の得意先と全く連絡取れず。駅構内施設のなのだから、いま販促の打ち合わせどころではないだろう。メールは送れるだけで届いているかは不明なので伝言程度に、今後の進行についてメール。自転車はあるが、さすがに東京駅に近付く気にはならない。FMラジオは時折情報を流すものの間はずっと同じBGMが流れ続けるのでTVをつけると、現地の惨状が映し出される。

16:30 社長より総員帰宅指示。遅くなると帰宅者の集中で大変なことになるし、天気にも不安があるため。私だけ方向が違い別行動。置き自転車を引っ張り出す。この時点では、電車は途中で復旧して、無駄に走ることになるか位に考えていた。オフィス街の歩道は人で埋まり車道は渋滞。外壁崩落が報じられていた九段会館の近くを通過したが、周辺は騒然となっていた。幾つかのビルの一部が崩落して歩道が半分閉鎖されている所もあり。新宿を抜け中野辺りまで、道の様子はずっと同じ。どこもバス停には長蛇の列だが満杯のバスはバス停を通過していた。

18:10 結局、RC20で1時間10分の道程を1時間40分ほどで家に帰着。隣家の主人も偶然神田におり徒歩帰宅したそうだが、5時間以上掛かったとのことだった。個人的には助かったが、自転車移動者が大量だった場合の混乱を考えると広く薦められる事でもない。

 TVで繰り返し流される、宅地を飲み込んでいく津波の様子を映すヘリからの映像に愕然としつつ、こんな風に見ていることは果たして必要だろうか。このために費やされているリソースに疑問を抱く。またツイッター上に流れる拡散RTも果たして役に立っているのか…。近しい人の安否確認はまずメールとmixiの方が役立った。


地震直後の社内。撮ってたらH嬢に「あぁ、またブロガーが」と注意された(苦笑)。しかし、さすがに帰路の混雑やらは撮る気にならなかった。


これのお陰で暖かい家で眠ることが出来た。布団は飲み残しのビールが零れており湿っていたが。

ボードウォークD7の記録
走行時間約1h40m/走行距離約27km/総走行距離356.1km

'11.3.7  随筆 

浮浪者より迷惑

 ちょっと書き物がしたかったので、列車に乗って正面に見つけた空いている席に座った。座ってから、その3人掛け席の端には薄汚れたウインドブレーカーの下にパンパンに何かを着込んだ男が、ポケットに両の手を突っ込んだまま眠っている事に気付く。ただ、悪臭が少しはマシな程度だったので、そのまま座ることにした。

 次の駅で、立っている乗客を荷物で掻き分けて乗り込んでくる若い女がいて、そのまま間に座ってしまった。座る時の所作もやや乱暴で無神経だったので印象は良くないのだが、さすがに運の悪さには同情くらいする。そのまま座っているのは無理だろうと思ったが、女は大きな荷物をガサガサ脚の下にまとめると、首のマフラーを鼻の辺りまで引き上げて、そのままそこに座ってしまった。

 ところがこの女、次の駅辺りから肩で軽くこちらを押してくる。逃れたい気持ちは勿論分かるが、押される方は迷惑である。隣を押したくらいで間が空くわけでもない。まさか「あんた立ちなさいよ」とでもいうつもりじゃあるまいな。しかし逆にそんなつもりで押してくる位なら相当気持ち悪い女である。隣にいたら何をされるか分かったものじゃない。それでもどかなかったら、うっかりを装ってペットの紅茶辺りぶっ掛けられかねない。かと言って、そんな“圧力”にただ屈するのも面白くない。などと妄想に耽りつつ、一体どんな面なんだと女の横顔を盗み見た。

 寝てる。

 凄いな。眠れるんだ。確かに振る舞いの無神経な女ではあるが、嗅覚の神経までない訳じゃなかろう。無神経と言うより馬鹿なのか?

 しかしまあ、余程疲れていたのだろうな。そう考えると先の乱暴で無神経に見えた所作にも理由がつくし、何かちょっと可哀相にすら思えてきた。

 幾つめかの駅が近付くと女は頭を上げて周囲を見回し、停車するなり無言で飛び上がり前の人にぶつかり、ガツガツと荷物で人を掻き分け降りていった。

 やはり可哀相でも何でもないな、あれは。


'11.3.4  随筆 

つぶやかずに書いてみる

 以前に書いたと思うが、ツイッターを利用している知り合いのライター女史が、「物書きが自分のブログで同じ様なことを書き綴ったら得意先に申し訳ないので、ツイッター程度にしている」という主旨のことを書いていた。その時はそんなものかと思い、そして遅ればせながらツイッターを始めてみたのだった。

 始めてから1年ほどが経ち(正確には始めたのがいつだったかの記録はない)感じたのは、物書きとしての消耗は、むしろツイッターの方が多くはないだろうかということだ。たかが140Wだが、そこで書けることは実は400Wでも800Wでも書ける場合も多い。そして流れ去るツイートにすることで、アイデアメモになるものが発展や蓄積なく忘れてしまう事も多いのではないか。

 そこで、次回から2回の更新分は、このところツイッターで書いていた話題と、タイミングが合えば書いていたであろう話題を本欄用に書き換える位のつもりで記事を書いてみた。数ツイート分が800Wのブログ2回分になるかという話である。いつもと書き様が違って不自然だったり、冗長な文章になっていたら、それは私の考えが間違っているか、私の文章力が足りないか、あるいはその両方である。

 ところで最近、ツイッターで別アカウントを育てていることもあって、過剰気味になっている気がする。横の繋がりのないアカウントでは井戸に向かってつぶやく様なものであり、それでは全く面白くないので、積極的にフォロアー/フォロイーに絡んでいる。しかしこれだとブラウザの切り替えと一緒に性格・文体の切り替えもせねばならず、これもまた疲弊の元である。尤も、数年前に私は3つのサイトを異なるキャラクターで並行管理していたので、あれに較べれば楽かも知れない。

 ともあれ、明日はナポリタンの話。月曜は通勤列車の話となる。


読書 角田光代「薄闇シルエット」角川文庫(再読)

自活する女が生活の端々で半同棲駄目男に幻滅していくという様な角田光代の一時期のパターンらしきものは好きじゃなくて、本作も出だしがそんな感じだったから違う話まで読み飛ばそうとしたら、短編集ではなく長編だった。筋をすっかり忘れていた次第。


'11.3.1  随筆 

2月のドッヂボール

 週末は、市内学童クラブ父母会のドッヂボール大会だった。ちなみに会場は体育館ではなく屋外。小学校のグラウンドを借りての開催である。2月に屋外イベントなんて、どんなことになるかと思っていたが、ともあれ暖かい1日になって良かった。この時期にそんな運動会みたいなものを開催することになった経緯は、ここに詳しく書いても意味がないので書かないが、いずれにしても参加人数は保護者を入れて結局500人を超えたので、会場の選択肢はなかっただろう。

 私はその会の中では5人いる副会長の1人なのだが、こういう現場では、こぼしてしまった仕事をフォローする役である。元より人前で、それも広い場所で話したりするのは全く苦手なので、例によって裏方の仕事を探しながらこなす。しかし予備で持って行った紙や養生テープなどはすぐに無くなってしまい、手持ちぶさたにしていては申し訳ないので、人の足りない駐輪場の整理とか、そういうのをやる。

 8時半集合で会場設営して10時に開始し12時半まで。片付けて終了が14時。5時間半である。帰りにやけに頬の辺りが痛い思ったら、しっかりと陽に焼けていた。乾燥しているところに大勢が大暴れするので一帯は砂埃だらけ。砂埃だけならまだしも、時節柄花粉の舞い散り様も酷いことになり、私は特に重い花粉症でもないけれど、帰宅して暫くは目が真っ赤だった。

 この役員は、来年はもう辞退する事に決めたので、そうして考えると、山の様な小学生と同世代の親とわいわいやるのもこれが最後かと、まあ特に感慨深いという程でないにしても漠然と考える。

 秋の運動会と違いあくまでも任意で、女の子の参加は少ないだろうという予想だったが、実際はむしろ女の子の方が多かった。男の子達には、おそらく何かの試合があったのではないかという話になったが裏付けはない。

 ちなみにそんなイベントなのだが、肝心のもんちゃんが参加してないというオチ付き。


奥が霞む程の砂埃。

自転車一杯の駐輪場! と言ってもママチャリと子供用のルック車ばかり。自転車趣味の目で見ていて楽しい訳ではない。当たり前か。

ピナレロFP1停めてる人がいるよ、と思ったが、言うまでもなくご同輩のふじ氏であった。

読書 佐藤多佳子「しゃべれども しゃべれども」新潮文庫

二ツ目の噺家・三つ葉を初め、どうにもキャラクターの立った登場人物ばかり。皆が自分の何か足りないところを喋る事で埋めようともがく。そして喋ることは繋がりを見つけることだった。古風な無骨男と内気な美少年という二人で始まる冒頭にちょっと警戒した(笑)。M嶋さんからの推薦借り本。


'11.2.19  随筆 

チョコと眼鏡

 先週末、東京駅のエキナカはいつもより多くの人で溢れていた。降雪でごった返したのは少し前の話で、その日の人出は翌週頭のバレンタインデーを控えてのことだった。

 ああ、まいったな。買い物好きで来ているならまだしも仕事だからな。尤も混んでくれないことにはこちらも商売にならない。お客様ありがとうございますの心で人混みをすり抜ける。相手が余所見さえしていなければ、ぶつかることもないがなと思いながら、「ぶつかる気満々で歩いてくるからみんな避けるんですよ」というH嬢の指摘を思い出す。

 14日当日、ミルは手作りチョコを抱えて登校していった。恋多き娘なのでも義理堅いのでもなく、友達同士で交換する為らしい。小6で、中元歳暮じゃあるまいしわざわざ自分から虚礼を増やすこともなかろうよと思うが。

 そのミルが最近眼鏡を掛けている。いつの間に目が悪くなったかと思ったら、花粉対策用のダテだそうな。サイドボードに置きっ放しの掛け替え眼鏡と別に見慣れないのが転がっていたがそれだった。

 一方私の眼鏡は減ることになってしまった。それも家用ばかり2本。一つはテンプル付け根の細い金属が折れた。これは直せない。もう一つはナイロールのナイロンが切れてしまった。直せそうな気もするが面倒だし、この眼鏡は大分ボロである。

 通常レンズのちょっと古い物が家用で、新しいのは仕事用。それ以外は色付きレンズである。通常レンズのナイロールを1本買い、昨年夏に買った今の仕事用を家用にすることにした。

 新しいのは以前買い逃した物が再販されていたのでそれに決めた。度数はその店で前に作った物と同じでと頼もうとしたら、個人情報取り扱いの関係で店にデータを残さないとか。例えばカルテを残さない医者がいるかねと思ったが、健康には大きく関わるものの確かに医者ではない。所詮安売り量販店なのであるし。

 安ければ安いなりと思えないのは貰い物のチョコと同じ、とまで書いたらまとめ過ぎ。


モルトのガナッシュ12種セット(左端)は楽しめるね。溶かして固めた模様付きハート型チョコ(中央中)はミルの友チョコの余り。S女史手作りのフォンダンショコラ(中央上)はBBLで受け取る。なぜか母のくれた板チョコや、ゴディバのチョコクッキーの他に、何かで適当に配られていた物もあり。トリは「しずく・ショコラセット」(右)という、チョコとモルトの小瓶が3種ずつセットになった物。お返しが高く付くという意味合いで“本命”と思って良いんですか(笑)。コメントが呑気過ぎですかそうですか。


どちらもレンズはまだ使えるのに勿体ない。お疲れ様でした。

読書 角田光代「ドラママチ」文春文庫(再読)

初読に気付いていなかったのだが、「マチ=街=待ち」じゃんね。やれやれ。そして「思う様にならん」ということが「待つ」ということなんだよね。


'11.2.4  随筆 

うちの社長

 うちの社長はうるさい。

 規律に厳しいとか、金に細かいという意味ではない。経営者なのだしそういう面も多少はあるだろうが、殊更に言うほどのことでもない。冗談がしつこいという話では、今回はない。

 物理的にうるさいのだ。

 クシャミが大きいだけでなく、咳も欠伸も溜息もゲップも音が大きい。手やハンカチで口を塞げば良いだけのような気もするが、わざととしか思えないほど大きい。ゲップは病気じゃないかと思うので病院へ行った方が良いと思う。

 蕎麦を啜る音は良いとして、飲み物もすべからく「ズズズ」と啜る。ストロー物は絶対最後に大きな音を立てる。そして物を噛む時も咀嚼音が大きい。

 組んでるか何かしてる脚を頻繁に踵から落とすので、静かな会議中などは一人でドスンドスンと足を鳴らしている。中空のOAフロアなんかだと何かと思うくらい音が大きい。

 物を静かに置かない。10cm位しか離れていなくてもなぜか投げる。ペンも金尺も分厚いCDファイルも投げるから、いきなり「ガシャーン」だの「ドカンッ」だの大きな音が響くので、気を抜いてるとかなりビクリとする。ゴミ箱はあまりにうるさかったので金属製のを勝手にプラに買い換えた。

 尤も、話し声や笑い声はなぜだか普通である。むしろ私の方が大きい。前の会社で、京都出身の上司に電話で話す声が大きいと注意されたことがあった。ま、京都だからな。

 何の話だっけ。うちの社長がうるさいという話だった。

 その様な環境だからと言って別に職場が厭な訳ではない。「何事にもプライオリティを見極めろ」というのが、付き合いの長いこの社長から学んだ最も重要なことだ。広告制作の仕事をするにあたって社長がうるさいくらい何てことはない。

 私「ちなみにこの日に撮影入れないのはなぜですか?」

 社長「それはお前、その日は飲み会だからだ」

 あ…、あれ?


読書 山崎ナオコーラ「カツラ美容室別室」河出文庫

男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情を綺麗なものだと思い過ぎている。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。走り出した友情は止まらない。 (本書P.150より引用)

設定や台詞に、なにかとぼけたところがあるのだが、しかし実際の生活というのは物語のように何もかもピースが揃ってはまる訳じゃなくて、とぼけていたりぼんやりしていたりするだろう。でも大枠では、ああこういうことかと思えることが小説にはもちろん必要だし、やはり実生活にもあって欲しい。ちなみに男女であれ何であれ人と人の関係は組み合わせ次第なので、セックスしていても友達というのもあると思うが。


'11.1.31  随筆 

週末を無為に過ごす

 夕方近くに、庭から見える坂上にある近所の家をふと見ると、壁一面が夕陽に照らされており、何と形容して良いか迷うのだけれど、とても綺麗だった。

 西の空はさぞかし綺麗だろうと屋上に上がるが、西側の隣地は雑木林で、木々の隙間からは僅かしか見えない。昨日乗ったレオパードがベランダに出しっ放しだったので、軍用コートを羽織って外に漕ぎ出した。

 陽は既にかなり低い位置まで傾いており、多摩湖どころか、どこか適度に高くて周りに低層住宅しかない様な場所を目指さないと、あっという間に沈んでしまいそうだった。

 「ほら、西の空を見てごらん。夕陽がとても綺麗だよ」なんてメールを恋人に送って、「本当。小隊長さんも同じ夕陽を見てるのね」なんてレスを受ける、だなんて事はやっている暇もなさそうだ。

 阿呆な妄想のせいか道の選択を誤り、結局夕陽は、どうでも良い様な建築会社の社屋の陰に沈んでしまった。どうでも良いは勝手だな。

 この週末は全く無為に過ごした。言いきっても良い。歯医者へ行き、父母会の用事で学童クラブへ行き指導員の人と会い、一つ予定が空いてしまったので、父親仲間のル氏の家まで不調自転車の押し掛け整備に行った。あとは、呑んでた。もっとも、上の娘の具合が思いの外悪くなり、病院へ連れて行くのに呑んでいたら行けないだろうと妻に非難された。確かにその通りなので、下の子を肩車したまま(何故か肩車が好き)おとなしく居間で録画したアニメを観てた。呑みながら。全く無為だ。

 そして、例によって検索ワード逆検索の旅に出て、自サイトの古いコンテンツを読み返したところ、最近久しぶりに再会した昔の知り合いについて書いていたのを読んだ。その後どうもつれないと思ったら、これを読んだんじゃないかなと思ってみたり。物書きのジレンマだな(全然違うって)。

 あ、そう言えば、髪切っとくべきだった。全く無為だ。

このところ別アカウントでもツイート中。得意先の公式アカウントに絡むという無茶。だって褒めてばかりじゃ客は読まないよ。

1,500円のパスタ。間違いなく美味しい。あとは椅子を煩くないものに替えること。

1,400円の炒飯。特に興味なかったのに旨い。中国系店員ばかりだがサービス良し。

2,730円(60ml!!)の貴腐ワイン。プレゼントにこんなに適した物はない。小さくて高価なところとか(爆)。

'11.1.11  随筆 

書架

 ブックマークの整理をしていて、暫くご無沙汰しているネット上の知り合いを思い出すというのは、良くあることだと思うが、私の場合はそれが自分自身であることがたまにある。

 「出口、らしきもの」BLOG版の存在をすっかり忘れていた。私はこの様にして、自分で管理しているブログやらウェブサイトをうっかり放ったらかしにしてしまうことがあるのだ。買った服を仕舞ったまま忘れるのと似ている。

 もっとも「出口、らしきもの」BLOG版の場合は、忘れると言うより掌編を暫く書いていないと言う方が正しい。件のmixiコミュでちょっと面倒臭い思いをして、それと時期を同じくして11月に入って仕事が多忙を極めたため、ついそのままにしてしまっていた。書きかけのものが何本もある。やれやれ。

 「出口、らしきもの」本体の目次を見返すと、元々は昨年の秋口から半年以上放置していたのが、今年の春から異様なペースで掌編を書き始め、さらには隔週開催のお題コミュに10回連続で作品を投稿していた。振り返ると何だったんだという気にもなる。

 客観的に理由として想像できること…。掌編小説の懸賞サイトに応募していた(そんなものがあるならねぇ)とか、文学好きの女と付き合っていた(そして11月に振られたのか)とか、あるいは新しいPowerBookを買った(それが不具合なく使えている)とか。…どれもないな。

 ところでここ暫く書斎で寝る様になったが、殆ど物置である。押し入れの書架は昔買った漫画で一画が埋まっていた。寝るまでに時間があると手にしてみたりするが、これがことごとく持っていることすら忘れていたものだったりする。内田春菊、桜沢エリカ、南Q太…およそ男が読む漫画ではない気がする。

 小説もそれなり読んでいるつもりだし大抵本は処分しないのだが、文庫ばかりなのであまり書架を埋めてはいない。

 それより圧倒的に多いのが玩具の箱というのが何とも…。


読書 角田光代「福袋」河出文庫

人の善し悪しは実のところ相対的なものと考えることにして、私自身が丸くなったのか心底胸の悪くなるような人物からは遠ざかり、そういう人物には3年に一度出会すかどうかという様思っている。ところがこのところの角田光代は好き好んでそういう人物ばかりを描いているのではないかという気すらする。ただ直視するあるがままの情景を描く作品というのがしかし嫌いではないが。しかし加えて宜しくないのが、この人が私生活を綴った文章を読んでしまい、この文章が、朝仕事場に入り夕方まで机に向かって、それも食事の献立を考えながら打っている物と知ってしまったことか。朝から夕までだけデスクに向かうなんていうのは村上春樹だけにして欲しいなどと考えてしまう。


'11.1.4  随筆  bicycle 

年の初めの(再アップ)

 全くの深夜に目が覚めて、これが意外に眠くないものだから枕元のスコッチなんぞに手を伸ばしてみるがまるで効かない。昼間それなりの運動をしたのだが(自転車で90キロ超走れば「それなり」だろう)、身体の方が眠くなっていないのだ。ストレート3杯辺りで諦めて床を出て、階下の居間へ。

 何か身体の温まる物をと考えると、私には珍しく酒ではなくて、これは腹が減っているのではないかと考え始めたりする。明朝には妻の小言の一つもあるだろうが、構わずうどんのカップ麺にお湯を注ぐ。5分待つのに手持ちぶさたでテレビを付けると「schola」の再放送をまとめてやっており、勿論それなりに面白いのだけれど、これで一夜明かすかという気にもならないなと考えている内に食べ終えてしまう。

 歯を磨き終えて、食後には何か甘い酒が欲しいなと酒棚(単に酒瓶の並んだ普通の棚)に目をやる。先日妻が私用に買ってきた養命酒があり、これにウオツカを少し足して寝酒とした。布団に入って呑む養命酒というのも良い。それにしても2本はいらんだろ。妻はなぜ2本買っただろう。1本では誕生日プレゼントとしては足りないと考えたのだろうか。好きな酒ならそりゃあすぐに呑んでしまうが、薬草系リキュールをかぱかぱと呑むのはなかなか難しい。

 呑み終えると当然口の中が気持ち悪いのでまた階下へ行き口を濯ぐ。まだ足りないが、ちょっとウイスキーという感じでもない。軽くビールでも呑むか、となる。

 こんな風にして寝ると、また変な夢を見てしまう気がする。年が明けてこの3日間、どうも寝付きが悪く変な時間に目が覚めたりして、珍しく立て続けに夢を見た。不快な程ではないが心地良くもない夢。まあ日々の生活と変わらないのだとも言える。

 日々の生活か。そういえば年初だな。今年の抱負は…なんて考え始めた辺りで眠くなってきたので寝ることにする。


庭のロウバイ。五つくらい、蕾がこんな感じ。今年は鳥のついばみが少ない。

弁天橋。なぜか年始に来てしまうね。年々モチベーションが那須の某所に似てくる気がして心配なのだが…。

三箇日の銀座。なんでこんな混む時にわざわざ銀座に来るわけ?(私もか)

RC20の記録
羽田〜品川〜銀座〜上野 走行時間3h43m10s/走行距離91.29km/平均速度24.5km/h/総走行距離7753.1km
初め湘南を目指そうとして、箱根駅伝を思い出して思い止まるも、結局は、終了後だがコース上だった。