GUN&MILITARY
公文書

'11.8.27  gun&military 

押入モデラーとお座敷シューター
 模型作りを趣味としない人には全く通じないと思うが、「押入モデラー」という言葉がある。模型を購入しても押入などにストックするばかりで組み上げない人の事を指す。読書でいう「積ん読」みたいなものだ。そもそも模型を作らないのであれば、言葉の意味上はモデラーとは言えないのではないかとも思うが、模型趣味の人自体をそう言うのだから仕方がない。

 これが銃趣味のガンマニアで、同様に自身が趣味に対する関わり方が足りていないと感じている人は、自分のことを「お座敷シューター」と自虐的に言ったりする。撃っている(使っている)のは買うだけより関わっている様でもあるが、一部例外を除き完成品を愛好するのが銃趣味なので“組み立てなければならない”モデラーに較べれば低いハードルという気もする。

 更に、いずれの趣味でも、より関わりが薄くなると現物すら買わずに専門誌を買うだけという状態になったりする。知識だけ高めていくという関わり方だって充分趣味として成立しているとは思うが、趣味として愛好しているとなかなか言いにくい。

 自分の場合はどうだろう。今でも当サイトのメインコンテンツを「サバイバルゲームチームの活動報告」として紹介しているページがあったりするが、私はゲームをしなくなって久しい。ちなみに'05年に廃屋でインドア戦をしたのが最後だった。ガンマニアはゲーマーの他にシューター(競技)やガンスミス(改造)等に分類できると思うが、今の自分はコレクターかな。

 もっとも只集めるだけでは面白くはないので、色んなメーカーのモデル化する同じ銃を集めて比較してレポートを書いたりしている。比較のためにはいろいろ資料も必要だが、何にしても「専門誌買うだけ」と大差ないかも知れない。それどころか最近は専門誌すら買わなくなってしまった。これでは胸を張ってガンマニアだと公言しにくい。

 いや、ガンマニアはそもそもが、公言しにくいものか。


モノグラム4突。タミヤMM基準確立前の製品のため1/32。

ESCI Sd.kfz.10/4。あまりに地味だ。


高校生時代に海外模型を買うため、NG品狙いだった。しかし大抵は箱が潰れている程度の物だった。
■ESCI
「REST AREA」1体使用。「7.5cm LIGHT INFANTRY GUN」「PARTISANS」なぜか火炎瓶2本だけ使用。
■ITALAERI
「AXIS PARATROOPS」「BERSAGLIERI」「DEUTSHES AFRIKAKORPS」
■Heller
「MOTO GNOME-RHONE」「2eme D.B.2」「TIRAILLEURS SENEGALAIS」セネガル“義勇兵”

'11.8.14  gun&military 

「100%安全なモデルガン」
 一見、矛盾する様な事を謳って印象に残すキャッチコピーというのはあるが、「100%安全なモデルガン」というのはどうだろう。MGCが'79年にプラスティック製BLKモデルガン、コルトウッズマンを発売した時のコピーだ。

 銃趣味のない一般の人にとっては何のことだか分からないだろう。銃は危険な物だろうと思われるかも知れないが、モデルガンとは「弾を飛ばさない銃の模型」のことなので、形状とは裏腹に人に危害を与える道具ではない。玩具用火薬を使って音を鳴らしたり、弾を発射する以外の擬似的な作動をさせたりするモデル(BLK=ブローバックモデル:玩具用火薬で作動させて空薬莢を排出する)もあるので、その意味では、指を挟むとか鼻にぶつけるとか程度の若干の危険がない訳ではない。しかし一般に銃器を危険と言う場合は、使用者が他者に危害を与える能力に対して言うのであって、その意味での危険はモデルガンにない。一方で「弾を飛ばす銃の模型」であるエアガンに相当する本格的な玩具は当時はまだ殆どなかった。だからこのコピーは、自明の理であり表層的には矛盾はしていないとも言える。


新旧パッケージ。発売当時の箱は硬質な発泡スチロールの個性的な物だった。

以下本文
[今週のデスクサイド] MGC コルトウッズマンスポーツ


今回の更新時に、栴檀林サイトのトップページでのコンテンツ紹介を改変した。今まで来ていただいている方にはあまり変わり映えもせず意味もないのかも。


読書 椰月美智子「しずかな日々」講談社文庫

極めて淡々と描かれた小5の夏休みの回想。とはいえ何も起こらないのではなく、特異な母親の母子家庭からの消失が起点である。にも関わらず「淡々」と思えるのは、直裁的に厭な人間が出てきたり厭なことが起きたりしないからではないかと感じた。ひょっとしてこの人は悪い人間を描けないのではないかと思ってしまった程だ。しかし逆にそうすることで「淡々」を表現しているのではないかと思った。帯に謳われる「傑作」という言葉すら、その「淡々」さに合わない。


'11.7.10  gun&military
無音のPPK/S〜共栄NewワルサーPPK

共栄 NewワルサーPPK サイレンサーセット  4,000円(単品3,500円)
PPK/Sには間違いないが仕上げが変わってる…のではなくて、これ木製の輪ゴム銃なのだ。
PP系を求め続けて
 一口にワルサーPPKと言っても様々なタイプがあり、私が好きなのは戦前タイプPPKだが、トイガンでは取り敢えず広く“PP系”ということで集めている。ごく最近の降って湧いた様なPPK競作を別として、昨今モデルアップされるPP系は概ねPPK/Sなので、コレクションも大半PPK/Sとなる(ちなみにPPK/SはPPのフレームにPPKのアッパーを組み合わせたモデルで、戦後米国の輸入基準対応がきっかけで作られた物)。

 各タイプを集めるだけでなく、トイガンの形式としても一通り手に入れないと気が済まなくなり、モデルガン、エアガン、ガスガン、ガスBLKガンは勿論、1/6ミリタリー人形用アクセサリー、挙げ句の果ては良い歳した大人が銀玉鉄砲まで買い漁る始末である。以前はまだ煙草を吸っていたこともありPPK/S型のライターもある。これは既にトイガンですらない。

輪ゴム銃のPPK/S
 やがてガン熱にも陰りが見え始めたこの数年だったのだが、暫く前に今までとは全く違うジャンルにPPKを見つけた。それが木製輪ゴム銃だった。以前ウェブで見掛けた共栄の初代PPK(PPK/S)は、標準的な輪ゴムを使用するために全長を延長すべくサイレンサー装着を前提として作られていた。しかし脱着可能であり、フォルムもそれまでのいかにも木工品風の輪ゴム銃とは一線を画す出来であった。これは良いなとは思ったがその辺に売っている物でもなく、そのままになっていた。

 先日、ふとしたことからgoogleワード検索「ワルサーPPK」の列びに輪ゴムガンを見つけた。また流行り始めたのかなと思ったら、この7月1日にリニューアル版がリリースされていたのだった。近県でなければ直接通販での購入しかないが、頼んだ翌日には届いた。


この輪ゴムを掛ける歯車が見えなければ、ぱっと見は輪ゴム銃と判らない。

サイレンサーは、木製品らしくダボ接合。

'11.6.12  gun&military 

Towel_Gun
 ガンマニア諸兄に質問なのだが、異性にトイガンをプレゼントした経験はおありだろうか。私は4回ある。

 と言っても、残念ながら同好の士とお付き合いしたことはないので(残念か?)、相手は“一般人”な訳だが。さすがによく知らない相手にそんな物を贈る訳にもいかない。少なくともそれなりに私の趣味なり何なりを分かって貰った上での事ではある。尤も、その相手は、大昔の彼女と今の妻であって、他は、資料用に拳銃を求めていた漫画描きの知り合いと、あとは、もんちゃんである。おかしいのは、任侠物設定だった漫画描き嬢にはトカレフだったが、他は全部PPK系だったことか。女へのプレゼントがみんな同じ男って、必ず後でバレて呆れられ嫌われるっていう設定だよね(笑)。

 さてそんな私が、この週末久しぶりに人にあげるトイガンを整備していた。と言っても相手は女性ではないけれど。酒場繋がりBBL常連のTowel君ことS君がツイッターでガスガンもいいなぁなんてつぶやいていたので、じゃあ何かあげようかとなったのである。

 そりゃ二百何十挺も持っていれば人にあげちゃっても良い物くらいあるだろうという話だが、コレクターとしては自分の集めている種類は、重複していても駄目物であってもなかなか人にあげようという気にならない。そう言えばもんちゃんのPPK/S以外はそれ用に買ったな。

 随分前に目的のMk1とペアでオクに出ていて落としたKHC P228を確か持っていたのである。欠品はあれど完動品だったはず。しかし、埃まみれのまま送られてきて(酷いよな)そのままだった。

 それにしても久しぶりに楽しめた。何せ専門外の興味外だから何の予備知識も資料もない。途中途中をデジカメで撮りながら完全にパズルゲームの気持ちだった。いや、こういうのがそもそも楽しかったんじゃなかったか?

こびり付いた埃と小粒の梱包剤まみれで、しかも猫の毛入り。汚過ぎる。


あっさり全バラ(バレル周りはこの後バした)。


ホップ調整ネジとバレルピンの右側ネジが欠品で、セフティが効かず、デコックもしない(これは仕様?)。