前回のレポートでトリガープルについて「こすれる感触が強いので、磨き込みが必要なのだろう。それを差し引いてもプルが重い割にトリガーの戻りが遅い。ハンマーSPが強くてバランスが悪い感じがする」と書いた。今回はその辺りを確認するためにバラした。すると、この劣悪なトリガープルは、主に二つの原因によるものだと分かった。
まず、戻りの悪いトリガーは、トリガーSPの組み付けの悪さが原因だった。トリガー単体では元の位置に戻らなかったのである。そんな訳で、これは個体の問題であった可能性が高いが、同様の症状の方はトリガーSPのフレーム側に掛かる部分を再確認することをお薦めする。

↑フレーム。この状態でトリガーへのテンションはトリガーSP以外はカムSPしか掛かっていない。

↑ではカムを押してカムSPのテンションを解放した状態で…

↑トリガーを引くと…戻らない!
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↑これが問題のトリガーSPのフレーム側。
次に「こすれる感触」。金属同士の「グギギ」という不快な感触が強くトリガーフィンガーに伝わるのだったが、これはまずは何より強すぎるハンマーSPのせいである。そして次に、そのテンションをハンマーに伝えるパーツの形状の問題であった。

↑左) 強力なハンマーSPのテンションをハンマーストラットに伝えるハンマーSPガイド。右) 断面の角張ったハンマーストラット。

↑バックストラップと、その中に収まるテイクダウンラッチ、6mmボール、ハンマーSP、ハンマーSPガイド。
解決方法としては、ハンマーストラットの先端をハンマーSPガイドの凹面に合わせて角を丸めること。それからこの部分にグリスを塗布すること。これだけで全然違う。勿論、ハンマーSPを"緩くする"ことは有効だが、長さに余分がないので単純にカットするのは見送った。画像を見ていただきたい。ま、これなら1.5巻くらいは問題なさそうだが。
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