ユースエンジニアリング
MP5A5
'97年9月発売
39,800円

 最近はほとんど市場では見かけない。分類は「ブローバックガスガン」となっているが、シアが存在せずエアスイッチになっている辺りは往年の「ユニット式ガスガン」(MGC M16やLS製品)に感覚的には近い。それでもボルトの存在感はブローバックガン並にある。

 発売当時は、独創的なメカとメタル製フレームや、画期的な各種のオプションの構想と共にMP5ファンの期待が高まり、メーカー自体の高いモチベーションと相まって話題になった。39,800円という価格も、この仕様としては格安だったという気がする。

 しかし、この製品自体はメーカーというより担当者個人のモチベーションにより支えられていたものだったらしく、最近は新しい展開の話を聞かない。どうもその担当者の方はこの商品の販売権だけ持って独立されたようである。そもそもユースエンジニアリングはメカトロニクスなどの企業であって、トイガンは一種の社内ベンチャーだったようだ(一時期流行ったが、大企業にはまだあるのだろうか…?)。同社のホームページにはエアガン販売の痕跡すら残っていない。

 

 トリガーを引くとエアスイッチが押されてユニットが作動。ボルトのブローバック中にノズルから吹き出すエアで弾を発射。内部構造は全くのオリジナルで実物と異なりハンマーがないために"レットオフしている感触"がない。反動がある割には"感触"が今一つのリアルさという気がしてしまうのは贅沢か。

 しかし逆にフィールドストリップ時の"感触"はリアル。上下をピンだけで分割し、レシーバーからボルトがシャリッとすべり出てくる感じはなかなか良い。マルゼンのガスBLKクルツが発売されるまでは唯一のものだった。

 


 製品コンセプトとしては本物志向のゲーム向けだった様だが、私はプリンキング用として楽しんでいた。外部ソース全盛の時代ならもっとヒットしただろうと思う。

 造形の事で言うと、「本物志向」にしてはハンドガードやロアレシーバーなどのプラ部分に旧JACの型を使っていたために若干寸足らずとなっており残念。また、せっかくのボルトの形状があまりリアルに出来ていないのもくやしい。削り出しでなく鋳物の方が良かったのではないかと思うが、その方がコストがかさんだのだろうか。

 一応今でも新品で入手できるそうである。エアタンク派のゲーマーか、"感触"のリアルさを楽しみたい向きには、今でも右に出るモデルのない最適のエアガンだと思う。



 


この前のは… / さて次は…