■ユニークなメカニズム
ギミックとしては「自動排莢システム」が売りである。排莢と言ってもカートリッジは実射とは関係がなく、発射されるBB弾とは別々にマガジンへ込めて、エジェクションポートから弾き出す様になっている。逆にそのため、BB弾の発射だけ、排莢だけといった楽しみ方も出来る。
チャンバー部はユニットと連動して回転し、マガジンからBB弾を1発毎拾う。マズル方向は上部のゴム突起だけで弾を保持するため、発射時ホップらしき回転が掛かっているものと思われるが効果は特にない模様。
ちなみにここでは便宜上「ガスBLK」と書いているが、現在の同カテゴリー製品とは大分趣の異なるメカニズムを持っている。この少し前のマルゼン製カート式コッキングガンなどにも見られた「押し込みコッキング+スプリングバック排莢」に準えて、「ガスコッキング+スプリングバック排莢」とでも称するのが近いだろう。
東京マルイはこの頃MP5の他に同シリーズでワルサーMPLを、また排莢機構のないガスBLKでS&W
M59とFNハイパワーを発売していた。これらに採用されたユニットは、脱着式のガスタンクをセットするとシリンダーにガスが充填されてボルト/スライドが前進・閉鎖し、ハンマーによるバルブ解放でシリンダーから排出されるガスで弾を飛ばし、ボルト/スライドはバネで後退。後退しきるとガスが再び充填されるというサイクルで作動する。この型式は記憶では後にヨネザワがフルオートガバのシリーズで採用しただけだった。
長物のMP5とMPLは、外部ソース用のアダプタと着脱式タンクのコンパーチブルとなっており、ワンタッチで付け替え可能だった。タンクは液化フロンをチャージするスプレー缶の様な構造で、熱効率の良い肉厚な金属製となっている。まあいずれにしてもフルではあまり使い物にならない。このタンクはHP/M59と共用である。ちなみに付属の外部ソースのセットはガスボンベから細い3mm径のホースで繋ぐが、バルブはないので止める時はその都度缶を外す。
■実射性能
外部ソースで圧がありセミオートだとそれ程でもないが、リキッドチャージのフル射撃のサイクルは、「タシタシタシッ、タッシュタッシュ、タッ、シュッ、タッ、シュウッ」という感じで徐々に回転が落ちる。「次第にゆっくり」リタルダンドが付いている感じだ。それでも指切りバーストではそれなり快調に作動した。
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東京マルイの長物では初のカラーパッケージだったのではないか。

EJポート周辺。後方、ストックのすぐ上にあるネジはエアコキにはない。ユニットのグリス注入口。

ピストンが後ろ向きなのが分かる。ガスが充填されるとこれが前進。トリガーを引くとハンマーが後端のバルブを開放してユニット下のチューブから、前方にあるチャンバーへエアを送る。
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