ポイント
ルガーP08
'91年12月発売
9,000円

 エアガンの愉しみ方も歳と共に変わってくるものだと思うが、例えば子供が昼寝をしている休日の昼下がりに庭で空き缶を的にしてプリンキング…なんて時にガスブローバックでは耳にも気持ちにもちょっと騒々しい。そういう時は上質なコッキングガンがあればと思うのだが、これが意外にない。

 この銃はもう10年以上前の物だが、今の自分の歳でやっとしっくり来る感じすらある。ルガーP08という旧式銃というのもうるさくなくて良い。

 シリンダーは細身のレシーバーを避けてグリップフレームに配置されてトグルとリンクされる。ガスガン登場前のマルシンのコッキングガンに見られた形式だ。しかしレシーバーはショートリコイルするし、全弾発射後はホールドオープンする。

 ほぼ同時期に発売されたタナカ製初代P08とよく比較された。価格帯からすれば違う物のはずが、刻印などの再現度は互角と言えた。ポイントはモーゼル社製の俗に「ゴシック・エス」と称されるモデルを再現している。

 

←ショートリコイルしたレシーバーとホールドオープンしたトグル。


↑隙間と「GE」の頭。

 

 単純に模型としての洗練度という点では少し点が辛くなる。全体にヒケも多い。発表から発売まで1年掛かったという記録になっているが、各部の妙な寸法や形状に、型屋とのやりとりなどの苦労を勝手に想像する。セフティレバー基部だけが2mm明らかに後ろ過ぎ、オンの表示(GESICHERT)がオフのポジションでも少し見えるし、インジケーターの突き出る位置も後ろ過ぎて突起に引っ掛かる。またグリップの形状がなぜかフレームに合っておらず、左グリップの前方には大きな隙間があり、後端の切り欠きに合う突起がフレーム側にない。挙げていくと大人げないほどにキリがない。

 しかしトグルを引くと粘りやひねりなく気持ち良く作動する。安くて肉薄なモデルと違い軋みもなく、重量感がある。

 例えばこの路線でブルームハンドルなんてあったら絶対買っているが、そういう層はトイガンユーザーのマジョリティではないのだろう。

 またしても「BBSで話題になっていたので」引っ張り出した次第。



 


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