LS
S&W M19

発売時期 '91年10月頃
定価 2,500円

さて、今回のデスクサイドは"コンバットマグナム"だが、例によって"直球"ではない。元々私はリボルバーにはほとんど興味がないので、エアソフトガンにしてもあまり持っていないのだが、なぜか'2.5のM19だけは2挺持っている。初期のコクサイ製(これはシルバーだからM66なのだが)と、このエルエス製だ。

最近ではトイガンメーカーとしてのエルエスをご存知ないという方も出てきているらしい。ワルサーモデル9やルガーP08のプラモデルを懐かしく想う世代の私としては意外なのだが、倒産したのが10年近く前なので無理もないかも知れない。

エルエス自体の話はまたの機会にするとして、このM19はメーカーだけでなく機構も珍しいので取り上げた(きっかけは例によって、よく寄る会議室まわりで話題になったからだが)。このM19は、リボルバーでは珍しいコッキング式なのだ。グリップ内にハンマーと連動してコックされるポンプがあり、シリンダー後端のノズルまではホースで繋がっている。当然非力で、精度も価格相応だ。もとよりカート式の場合はカート毎のチャンバーのバラつきがある。


最近でこそ、マルイや、タナカのフェニックスシリーズの様に新機構でリボルバー人気が盛り返してきているが、一時はASGのリボルバー自体がなくなるかという印象すらあったほど衰退した。

これは、素通しのシリンダーの危険性を危惧した協会により自主規制でシリンダーが不自然な段付きの内径となったためもあるかと思う。これらの自主規制を受けた形式のリボルバーも、ASG黎明期に危うい造りで実銃と判定されたコクサイM29の様に、蓄気カートの底をハンマーが叩くわけでなし、プライマー部分にはエアやガスが吹き出すだけで単体では何が危ないという程の物でもないのだろうが、問題はこのシリンダーがわずかな加工で(ものによっては無加工だったかもしれない)モデルガンに付けられてしまうということだったようだ。といって、それで実弾が撃てるわけでもないのだが。

↑写真も撮り様だが…。本体は全てABSプラで、質感も価格相応。

 

→価格の割には凝ったメカで、可動式のフォーシングコーンもおごられていたが、ノズルの断面が四角形だったのはなぜだろう。

コッキング式のリボルバーは、他にはクラウンとファルコンが出していたが、いずれもエルエスとは形式が違った(クラウンのは資料ナシなのでちょっとうろ覚え)。比較的エルエスの形式は実用的な構造だったにも関わらず普及しなかったのは、前述のリボルバーの衰退とコッキング式自体の衰退というダブルの衰退が重なったためではないかと考えている。

通常は重さ稼ぎのウエイトが入れられるグリップ内がポンプになっていることもあって重さには"存在感はない"のだが、その割には"コッキングすることが楽しい"、珍しいガンである。

■追加情報(11.2)「連絡所」に寄せられた、たぐちやすたかさんからの情報

文中で不明とされていたクラウンリボルバーのシステムは、LSの方式とほぼ同じ構造になっています。LSの方が後発である分、耐久性・精度的に多少勝っており、今年始め頃にもアリイブランドで再販がかかっていました。

クラウン製も不定期ながら製造されているようで、ホップ付きとなったものが売られているのを見かけた事があります。金属部品の点数も増え、多少の改良はなされているようです。

クラウン製といえばガスタイプも存在したのですが、これは非常に良く出来た製品でパワー・精度的にも同価格帯の(¥3,980程度)オートタイプと充分に渡り合える気にさせてくれる(笑)ものでした。

タナカ製品でリボルバー人気が高まりつつある(ような気がする)昨今、再度世に出まわればそれなりに売れそうな気もするのですが…。

情報感謝。実はクラウン製リボルバーは写真などでしか見たことがないのだった。それにしても再販されていたのは気が付かなかった。駅前の玩具屋も廃業して久しく、アリイ製品は私からかなり遠いところにある。



 


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