CMC STURM RUGER MARK1 TARGET
発売時期 不明
定価9,000円(`82.9価格表)

道具っぽい。というのがこの銃に対する印象で、それが全てだ。そこにそそられる気がする。もっとも買ったときは確か中学生だったと思うので意識はしていなかったと思うが。

実銃のマーク1は、元々プリンキング(撃ち遊び)用なのだが、簡単な競技が楽しめる程度の精度もある。米国陸軍の練習用に採用され、その後、サイレンサーを付けて特殊作戦用にも採用されたりした。割合に活躍しているのだが、同じ.22でも、ウッズマンやハイスタンダード程にも華がないのはこの道具っぽい外観で何となく納得してしまう。豊富なバリエーションがあり、現在は、独立したボルトストップで全弾射撃後ホールドオープンするマーク2に移行している。また、プラフレームの22/45もあり、こちらはP85系との混血風だが、どっちつかずの野暮ったさまで似ていてちょっと何だかという感じ。

実銃がロングセラーの割には日本ではあまりモデル化されていない。他にはコクサイの真鍮製モデルガン、マスダヤ製だったかの火薬併用のカート式のものと、ツヅミ弾突き出し式のヨネザワ製がある位だ。幻の台湾製(?)というのもあったのだが、これは写真でしか見たことがない。

私がこのCMCのモデルガンを買ったのは確か`80年頃で、金属製モデルガンがどんどん衰退していた時代だった。このモデルも特に構造などに問題があったわけでもないのに生産中止ということになった。それから少ししてCMCはメーカーとして活動しなくなってしまった。しかし、何年か経った後もこれ程持ち続けていて良かったと思えたトイガンもない。よくある「あの時代だったからこの程度でよかった」という作りではなく、いつまでも超える物が出てこないのだから。

↑以前、イベントで入手した22LRの空薬莢1ケースと。

ところで、私はマーク1の実銃を撃ったことがある。ハワイのインドアレンジはどこもマーク1を置いている。大抵の客は、初心者でもすぐに「44マグ」とか「ガバ」を撃ちたがるそうだが、私はマーク1を数マガジン撃ち続けた。狙い撃ちをしたり、タッブシュートをしたりといろいろ楽しんだ。場所柄どうしようもない個体もあったが、マシな整備をされた物はマルファンクションなしでしっかり回転した。

実は、私はCMCのモデルガンも撃ったことがある。人によってはこっちの方が驚くかもしれない。徹底的にオイルをさして、慎重に綿棒で紙火薬を詰めて、4発毎くらいにジャムしつつビクビクでやっとワンマガジン撃ち、すぐに完全分解・完全洗浄しなければならないというストレスがあった。しかし実物は実に快調で、しかも脆い亜鉛の様に傷や歪みを気にして扱う必要もなく(実際は撃つだけだから関係ないが)、レンタルだから整備しなくても良いしとても気分が良かった。もっとも、リコイルの方はモデルガンと大差なかったのだけど。

しかし、人を傷つけかねない道具より、その模型の方が扱うのに緊張したなんてどうかしてるかもしれない。



 


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