随筆/日記
公文書

'14.4.18  随筆 

必要な量
 今時、個人ホームページというのはあまり流行らないらしい。ウェブ日記からブログになり、今や個人の情報発信はTWやFBでという風潮の様だ。文章が伝聞調なのは、その様な話をTLで見掛けて「そういうものか」と感心したからだ。

 かつて人気のあるサイトというものは、閲覧者へのレスポンスを早く的確に返せているかが重要と言われていた。その場所は時代によりBBSであったりコメント欄であったりしたが、自分もサイトを持ってこの方、この点は気を付けている(つもり)。

 何かしらのメッセージを自分なりに考えて書き込んで何もレスがないと大変残念な気持ちになる。だから自分は、どうでも良さげな書き込みでもそれなりに、でも即座にレスする。面倒そうな書き込みには慎重に言葉を選んだ上でその先の反応を幾つか想定して再レスを考えておく。確かに面倒だが、それが発信する立場というものだと考えていた。

 ところで、FBのアカウントは仕事繋がりメインなのであまり発言しないが、FBでは長文を書くと「これ以上長文を書くとアカウント停めるぞ、みたいな警告」が出るのだと聞いた。

 そんな事より馬鹿みたいにでかい画像貼り付ける人をどうにかしたらと言いたい。借りスペースでちまちまウェブ日記を続けていた私はその時の癖が抜けず、どうしても画像は小さくしがち。レイアウトが横3段だと画像は167X125で、小さいとご指摘を受ける事も。しかし情報には相応の必要量があるはずだ。

 昨今話題の数々の炎上画像も、小さければいろいろ特定されたりせずに済んだんじゃないかと思う事しきりである。馬鹿みたいにでかくて、背景の卓上の調味料のラベルまで読めたりする画像とかあるからな。尤も、そこに使える神経があれば、あんな物アップする訳がないが。

'14.4.2  随筆 

晩年

 怒濤の年度末が終了した。我が社ではなく得意先のだが。毎年度末には余らせた予算で「じゃあ、あれやっとこうか」的な仕事が出る。今時有り難い話である。

 この時期だけはタクシー帰りもしばしばとなる。例年なら帰路途中歌舞伎町に降りるのだが、止まり木が折れてしまったためそうもいかなくなった。

 季節の移ろいに気付けない程忙しかったとまでは言えないが、しかしあっという間に暖かくなり、日も長くなっていた。ロウバイいつ咲いてたっけと思う間もなく枝垂梅と梅が咲いたかと思ったら、もう既に白木蓮が散っている。歳を取ると時間の流れは意外な程に速い。これらは庭の木々だが、晩年の私は毎年このスパンが短くなって行くのを見送り続けるのかも知れない。晩年、なんてものを送れるのだかどうだか知らんが。

 電車の座席に座っていて、ふと目の前に年寄りが立っているのに気付く事がある。私がぼうっとしていたとか何かに熱中していたとかでなく、何の気なしに顔を上げたら前に立っていた人が実は年寄りだったという次第だ。要するにあまり年寄り臭くない格好をしている人が多いという事でもあるのかも知れないが、ともかくこちらはばつが悪い。

 尤も、こちらの年寄りの年齢基準も上がって来ていて、多少年配でも年寄りと認識しないということもある。何せ自分が50目前であるから60-70代前半位では年寄りには感じない。「年上はどこから年寄りか」という基準は年齢が異なると共有が難しい気がするが、私の中では自分の母親くらいの歳でないと感覚的には年寄りと感じない。

 近所は年寄りが多い。夜遅くでもなければ誰かしら見掛ける。しかし、最近見掛けないと思っていると、入院していたりする事もある。一人暮らしの場合は亡くなってもその家で葬儀をするとは限らないので生死も不明な場合がある。

 私がその様になるのはどの程度先の話か。庭の木々もそれは知らない。





今年はロウバイの咲いている所を殆ど見られず、撮りそびれてしまった。それぞれの画像の撮影日は、白梅3/15、枝垂梅は3/20、白木蓮は3/30となっている。


'14.3.21  随筆 

BBCの閉店

 ここ暫くの私は、いつも仏頂面で過ごしている。何かの拍子にふと気付くと、極めて不機嫌そうな表情をしていたりする。実際大抵は機嫌が悪かったり、不安定な気持ちで過ごしている事が多いからだが。

 そんな私でも仕事中に人と接する時は温和な感じで話していたりする。それは仕事だからだ。不機嫌そうな人間と気持ち良く仕事をやれる人間もそういないだろうし、営業職の私が接する相手の大半は得意先なのだから。

 それから、親しい人と過ごしている時も普通にしているだろう。要するに接する相手がいれば普通に出来る程度の能力と気力はあるらしい。良かった良かった。

 しかしよく知らない人が周りに居ても、比較的好ましい感じで過ごしている時もある。それは酒場にいる時だ。初めての酒場に入る事は少ないので、店の人間以外にも誰かしら知り合いが居るという事もあるだろうが。

 その様に気分良く過ごせる場所が、今週でひとつ減る。

 歌舞伎町のBAR BAD CAT(BBC)が閉店する。この店は元々通っていたBAR BLACK LUNG(BBL)を、店主ふるくんの後輩格で客でもあったひなくんが継いだ形で続いていた店だ。

 だから常連も多くは引き継がれていた。大概はどの時間に寄っても見知った顔が居る。BBL時代には「筆頭株主」という渾名が付いていた程通っていたという事もある。

 昨日が平日最終日なので行って来た。H嬢も連れて行ったが林檎屋君は仕事で間が合わなかった。見事に見知った顔ばかりで、「これからどこで呑めば良いんだ?」とか、話題は湿っぽいのになんだか皆が無闇に楽しそうだった。

 この店で私はここ暫く何人もから「これからは(新宿では)どこで呑むんですか?」とか「良い店あったら教えて下さい」とよく訊かれた。最近随分と呑み歩きの軒数も減ってしまい、BBCがなくなったらG街にしか知った店がない。

 暫くは、不機嫌面で毎日過ごすことになるか。


'14.2.23  随筆 

鉄塔

 自宅近くの通りから大きな鉄塔が見える。特に変わった鉄塔ではなく、送電線の鉄塔には違いないのだが、巨大さの割には架かっている送電線が疎らなのでちょっと変な感じがする。

 そこにはかつて巨大団地があったのだが、再開発が遺跡発掘という漫画みたいな理由で中止されてもう10年以上経つ。管理事務所代わりに使うため残された棟を除けばほぼ全てが撤去されたのだが、敷地内の鉄塔は残されたままだった。広大な敷地の巨大団地なので鉄塔も1本ではない。送電線の疎らな鉄塔が、住宅地跡の野っ原に何本もただ突っ立っている姿はちょっとシュールな気もする。

 鉄塔は電力会社の物で団地の撤去とは無関係だろうが、全く異なる形状の建物群が出来る計画(だった)なのにそのまま使う予定だったのだろうか。大規模開発と言っても鉄塔は変えないものなのか。私に知る由もないが。

 何故いまそんな話を書いているかと言うと、浅い角度で強く陽の差すこの時期、朝の時間に照らされた鉄塔が強く輝いて綺麗なのである。尤もその時間は慌ただしく出社する時間であり、いや慌ただしくしなくてもいいのだが、いずれにしても悠長に景色を撮影している時間ではない。

 それに、繰り返し見掛けるちょっと良いなという景色も、いちいち覚えていられる訳では無い。そういう物は、ふと気付くから良いのではないかという気もする。

 この鉄塔の幾つかは、某団地フリークサイトに30年程昔の写真がアップされていた。果たして架かっている送電線の量は当時と変わらない様だった。今が寂れているからという先入観で少なく感じただけらしい。人様のサイトを見なくても、多分近所の写真くらいどこかに残っているだろう。ひょっとしたら、今と変わらず綺麗に強く輝いているかも知れない。

 後日少しだけこの送電線を辿ってみた。「鉄塔 武蔵野線」みたいだ。ちょっと走った位では鉄塔の形や送電線の本数は変わらない様だった。

事実誤認があったので追記。団地跡地のデベロッパーは“検討中”の再開発に向けて昨年夏から今年初めに鉄塔の移設を行い、終了していた。だから目に付いたのかも知れない。勿論何をどこに移したのかは分からない。('14.3.29)

'14.2.10  随筆 

乗り換え

 いつもは使わない駅から山手線に乗って高田馬場で西武線に乗り換えた。PASMO定期の残額がなかったので乗る時にモバイルSuicaを使ったのだが、そのため馬場での精算が少し面倒になった。きっぷだったら続けてICを改札に通せば良いだけだが、交通系IC2枚は処理できない。不便だが対応した場合のシステムとしての面倒さや高コストを勝手に想像して納得することにしている。なので態度は至って紳士である。

 「◯◯からモバイルSuicaで乗って、これ(PASMO定期)に乗り継ぎたいのですが」と言うと、駅員は一連の操作の後、モバイルSuica(の乗っている携帯)を手渡しながら「携帯は仕舞っていただき、これ(精算券)を通してから定期をお願いします」と言われた。

 窓口を離れた時である。私の後に並んでいた初老の男性が一言「田無」とだけ、投げつける様にぶっきらぼうに言った。要するに、馬場までの券はあり、乗り換えて田無まで行きたいとでもいう意味なのだろうが、それで良いのか? 用は足りた様だが、そもそもが人同士のコミュニケーションでそういうものの言い方はどうだろうかと思う。

 何でも世代では分けられるものではないが、これ位の歳の人にこういう態度をとる人は多い。また官民を決定的な区分に考えたりする場合も多い。そいつが右でも左でも関係ないし、社会的地位も関係ない。人としてあるべき態度というものが何にせよあるだろう。また、いちいちそこで会話をしていたら効率が悪いという人は、どうぞ自動精算機で精算していただければと思う。

 だがちなみに、今回の私の場合は精算機は使えない。自動精算機はICカードを「挿す」インターフェイスしかなく、「かざす」ことしか出来ないモバイルSuicaは利用できないからだ。おそらくはクレジットカードの読み取り口と兼用させるからだろう。と、事情を勝手にしながらも、不便な事に変わりはない。


そう言えば前回の話題だけど、ホームの売店のSuica非対応に文句を垂れるくらいなら、AppleにiPhoneへfelica載せろと位言って欲しいね。

週末の大雪に気張って作ってはみたが、そもそもサラサラと猫の絵も描けない人間が、立体の猫を彫れる訳がないわな。

'14.2.7  随筆 

誰の利権で、誰の利便か?
 今週ネット上で流行ったのが「それとも何かの利権か?」というフレーズだ。言葉としては私も使う事があるが、大概は冗談めかして何かを揶揄する場合に使うという気がする。件のツイートもそんな感じであればここまで流行らなかったと言うか炎上はしなかっただろう。まあいいや、そこは本題じゃない。

 秋葉原の総武線ホームには昔からミルクスタンドがある。この店ホーム上にも関わらずJR東日本の交通系電子マネーであるSuicaが支払いに使えない。件のツイート氏は「速やかに撤去し業者入れ替えよ。それとも何かの利権か?」と息巻いた訳だが、実はそういうテナントはそれなりにあって、ちょっと前の品川駅の立ち食いそば屋常盤軒なんかもそうだ。確かに「なんで使えないの?」と思うことはある。古くからある店だと頑に拒んでいるのかと疑ってしまう。

 だが一方、新宿ルミネエストB1のベルクは、館側の理不尽な契約更改や立ち退き要求を断固拒否して署名運動で利用客に支持されるなど、デベロッパーの要求を丸呑みしないテナントとして有名だが(笑)、Suicaは導入している。それも全然Suica連動型じゃないレジの使用は貫いたまま。レジ連動型でないSuica端末は2度入力をしなくてはならず面倒なはずだが、それどころか館内トップクラスの利用率だとか。

 件の発言は同氏が「おサイフケータイ」(Suicaと共通の技術を使用)の立役者だという背景もあろう。しかし実際個店のSuica導入には高いハードルがある。何度か話題にしているnonowaが地元連携を重視しながらも商店会のSuica普及を進めてはいないのはそういう事もあるだろう。店にとってあってもなくても構わない程度の物であるなら入れるだろう。客にとっては便利なのだから。

 便利過ぎて使い過ぎてしまうのが難点だが、それはあくまで自分の問題か。

撮って来てから気付いたが、これは同氏が利用したのと反対側ホームのスタンドだった。やれやれ。ちなみにピロシキパン1個買った。

本文と全っ然関係ないのだが、ベルクのベルクドッグ(税別290円)が本当に旨い。その上ビールも安い(税別300円)。本当は何も付けないプレーンで食べるのがお勧め。

'14.2.2  随筆

nonowa東小金井、開業

 JR中央線東小金井駅に直結する形で、商業施設「nonowa東小金井」が先週頭の1.27に開業した。いわゆる「駅ナカ」というのではなくて、施設としては改札を跨いで駅の内外にある。

 nonowaは高架化された三鷹〜西国分寺間の高架下を有効活用した施設。「武蔵野の輪=ののわ」が命名の基。メインは確かに駅に隣接した商業施設だが、レンタサイクルや駐輪場、今後は保育施設や地元ベンチャー向けの開放スペースなどが複合的に開設される予定になっている。

 twitterのTL上で「駅ナカビジネスの本格化で共存共栄がなくなっている。改札口設計からして全て商業基準で考えられている」という意見を目にした。改札口の話はおそらく中央線の武蔵境駅や、この東小金井駅の新設改札「nonowa口」の事を指しているのだろう。それらはSuica専用改札で、その先にはSuicaの使える商業施設であるnonowaが直結する形で新設されている。確かに「商業基準」という言い方はできるだろう。

 駅の大きさの割に改札が少なければ、利用者からは当然増設が望まれる。しかし利用者増も何もなく有人改札を増やせる訳がない。その意味で、無人改札を商業施設に繋がる形で増設するというのは一つの解決策なのではないか。

 自分自身、中央線沿線に隣接する地域に住んでいるので、中央線の高架化は生活に少なからず影響がある。開かずの踏切や一通の踏切だった場所が、いまや普通の道路になっている。駅の南北で分断されていたいくつもの街がひとつになる。交通インフラだった場所が、今度は生活インフラの土台ともなる。しかし、その“接続部分”は、あくまでもJR東日本の所有地だ。いち企業がという見方もあろうが、一方この何市にも股がるエリアを長期的ビジョンでまとめられる組織が他にあるだろうか。

 ゴミの処理一つできない小金井市が? ろくでもない知事選をしている東京都が? 準地元民としてnonowaに期待したい。

「学生街=カルチェラタン」という事で、コンセプチャルにフレンチテイストな館内ファサード。

意外に薄暗い照明演出で、暖色系ランタン風だったりする。

床は石畳風で、SPDシューズ向きではないな(W

nonowaに合わせて開業になった
2箇所の駐輪場は1時間無料。注意書きでは不適とされていたが23cタイヤのロードバイクでも駐輪できる。ちなみに隣接する市営駐輪場の時間貸しの方にはそういうサービスはないので注意。

開業日と2/1-2週末限定のバルーンアーティスト実演が大盛況。

北口には2/1-2週末限定で地元出店のマルシェが出現。

小金井公園での出店危機で一時期話題だった珈琲屋台 出茶屋がマルシェに出店。盛況だった。

開業日に登場のペコちゃん。他店に来る予定のコアラのマーチ君との対決を楽しみにしていたのだが見られず。

ヒガコ南口と言えば宝華がなくちゃね(笑)。勿論健在。
関連リンク
nonowa東小金井
ヒガコ駅なかフェスティバル