小隊司令部(随筆)
公文書

'04.8.29  随筆

続・胸元

 露出の高い服程度で簡単に気もそぞろになるのは私だけでなく、造作・体型・年齢問わずその通りだという意見が多かった。その話は04.5.28[随筆]の反響として、連絡所に書き込まれた意見を04.5.31[告知]に書いた。しかし性別だけは関係あるという話で落ちが付いたというのを、某酒場で"城主"C嬢の胸元を眺めつつ思い出した。

 彼女の豊満な谷間には蜥蜴のタトゥがある。従ってこれは見られては困るという成りではないのだろうが、さすがに凝視するわけにも、頻繁にちらちらと見るわけにもいかない。ちょうどその話になったので便乗して、見てしまうものですよという話をすると、彼女に「全く見られないとつまらないですよ」と返された。綺麗なニューハーフや女形(?)の知り合いがいるせいか、あまり「でも男だしなぁ」とは思わない。まあ、その気があるだけかもしれないが(笑)。

 ある日の昼にFMを聴いているとお決まりの番組内CMとなった。女性パーソナリティ2人がバストを嵩上げする下着の着心地や見た目について語っている。なぜだか異様にはしゃいでいる。商品を売るための方便とは言え、何か聞くに堪えないなぁと思うのである。確かに広告はそういうものではある。経血がいかに効率的に吸い取られるだとか、陰毛を綺麗に剃れるだとか、媒体問わずそういうのが頻繁である。しかし男性向けより女性向けの方が、圧倒的に媒体問わずの感が強い。広告の法則として、カツラにしても性的な問題にしても、それがクチコミで拡がることがないからこそ広告が盛んになるというのがある。それにしても何だかなと思うことしばしばであるが。

 もっとも、それこそがヒトという動物のオスメスの役割分担で、発情期のないこの動物が、双方に簡単に気もそぞろになってしまったのでは社会が成り立たないからではないかと思う。いや、大風呂敷を広げて自分を説得してみても、「何だかな」の気持ちは変わらないのだが。


'04.8.18  随筆

東京駅のホーム

 東京駅5番6番ホーム。山手線外回りと京浜東北線が神田方面から入ってくるホームだ。そのホームの神田側の端に私はいた。なぜかというと、得意先からの電話連絡を待つためだ。週末の5時過ぎ、なぜかホームの端まで行かないと携帯電話が通じない。東京駅から他の所へ移動する指示を待つために、私はベンチ一つないホーム端の柵に数十分もたれ掛かり続けることを余儀なくされた。

 このホームのこちら端には不可解な設備があり、前々から気になっていた。ホームから神田側に100mかそこらのところで、山手線と京浜東北線からそれぞれ分岐した線路が合流し、十数メートルの所で止まっている。その止まっているところが深さ数十センチの水槽になっている。ここに車両が止まっているのを一度だけ走る列車内から見掛けたことがあるが、角張った特殊な車両で、変なカラーリングだった。この水槽は一体何か? ネットで調べる限りではわからない。鉄道に造詣の深い知人(但し関西在住)に訊いてみても有効な情報はなかった。

 そのホームの端に立っていると、そわそわと辺りを歩き回る人が多いのに気が付く。ホームの端には喫煙コーナーがあるのでそのせいかと思った。確かに落ち着かないよな。私は外では吸わない習慣なので関係ないのだが、吸う人でもあんな片隅に集められてはな、と思う。しかしそれは勘違いで、彼らは待ち合わせをしているのだった。しばらく見ていると、ホームの反対側から誰かが歩いてきて、ほっとして歩み寄る人が多い。そういえば、「ホームの上り側端で」なんて待ち合わせを、昔はよくしたものだ。喫茶店のコーヒーは高いもので、携帯電話はまだなかった。

 ホームの端と水槽の間には大きな物置が建っており、端に寄らないと水槽は見えない。私がじっとそちらを見ていると、線路を歩いてきた作業服の男がこちらを見ているのに気が付いた。「その水槽は何ですか?」と声をかけようと思ったら、電話が震えだした。全く間の悪い得意先である。


'04.8.8  随筆

祝・日本優勝!

 「サッカーは観るもんじゃない。応援するもんだ」。ゲームのある日は早仕舞する我がボスの教えである。その応援が問題になったのが8日終了したサッカー・アジア杯である。

 中国。素晴らしい! 長い歴史と厳格な政治体制を支えるのに必要なもの、それは偏狭もとい強固な意志と、粗暴もといぼくとつとした国民性、そして自己中心的なもとい純潔な教育なのだ。

 中国、素晴らしい! スポーツも政治的争議の一つと捉え、徹底的に敵国を責める。無意味なウェーブに見られるようなむやみな人海作戦は、前面に大量の歩兵を配して地雷原を抜ける共産主義的戦術を見るようだ。オリンピックも間違いなく政治利用されるだけだ。

 そもそもスタジアムの中国人"サポーター"(サポートするのはチームではなく中国教育上の歴史だが)は、話題の偽造入場券で入場していたに違いない。でなければあの高価な入場券を買えるような上流階級の中国人ですら無教養で粗暴な暴徒であることを認めざるを得なくなるからだ。

 申し訳ないが、私はサッカーのことはよくわからない。出ていた選手それぞれの活躍について正しいコメントをすることも出来ない。しかし彼らの活躍には敬意を持っている。理由はどうあれ応援するなら、ベストを尽くした選手に敬意を表するのは当然だろう。中国人にはそれもない。負けた選手達は三角帽を被せられ、反省のために石を投げつけられながら市内を引き回されるに違いない。中国。素晴らしい!

 あれが靖国問題のためだとか言っているような馬鹿な政党(その馬鹿と組まないと与党にもなれない情けない政党も含め)もどうかしているとしか思えない。しっかりしろ。全然関係ない。あれが靖国問題のためなら、うちの中国製の玩具がすぐ壊れてしまうのも靖国問題への抗議によるサボタージュのためということになる。


'04.8.4  随筆

はめ殺し/アジア杯

 住民投票で決められる地名ほど下らないものはない。何とかヶ丘とか、西なんとか市とか、教養のないデベロッパーが社内プレゼンででっち上げる分譲地の名前と変わらない。勿論例外はある。合衆国の片田舎で、住民の力で「JAP通り」というのが「"辺鄙(へんぴ)なところ"通り」になったそうだ。そこにそういう名前の店があり、住民の認知度が高いのだそうだ。洒落ているではないか。こういうのが民度というのだろう。

 民度と言えば重慶の中国人のその低さに呆れる。スポーツは戦争の代替だから、頭の中が未だに戦争中の人達には馴染めるはずもないが。だいたい彼らにとっては、侵略はされても負けた戦争じゃないのだから、言いたい放題なのだ。不況だそうだが、そんなじゃ工業がいくらあっても発展しやしないだろう。

 話が脱線したが(どこから?)、私はプルーフのあるものはどちらかといえば否定しない方だ。従って、古い言葉も古いから悪いと言うつもりもない。しかしまあ、というのが今回の表題だ。

 表題の言葉。「はめ殺し」というのは元々建築用語である。職人言葉だ。機能を止めることを「殺す」と表現することは他になくはない。開かない窓などの作りを言い、クルマの窓にはその手の物が多いこともあってクルマ業界でもよく使う。しかし同種の言葉である埋め殺しと合わせて、わざわざそんな言い方をせんでもとは思う。言葉の機微かと思わなくもないが、あまり響きが綺麗とも思えない。洒落ていない冗談の様だ。

 テキサスのJAP通りも、重慶の「釣魚島(尖閣諸島・魚釣島の中国名)を返せ」の横断幕も、同様に洒落ていない冗談の類だとしたら、どうだ、アジア杯決勝戦は全員巻き脚絆というのは。背中に重慶爆撃隊と入れるのは。そんなことを言いながらルールも分からないスポーツの日本チームを応援している私は民度が低いだけだろう。許してくれ。


 私にとってのサッカーアジア杯はあまり興味のないイベントだったが、国歌演奏にもブーイングをし、日本車にはガソリンも売らない様な開催地と聞くと俄然日本チームを応援したくなる。大体、こんな国でオリンピックなんぞ開催できる訳がないだろう。

伝言>いつぞやの通りすがり様 週末、娘を連れて近くにある都立小金井公園で遊んでいると、一角がクローバーで埋め尽くされていたのでつい撮影。これは、クローバーでしょ?(笑)

読書 藤沢 周「刺青」河出文庫

'04.7.24  随筆?

地元の酒場

 中央線沿線地域の街道には、割に気の利いた風のショットバーがぽつりとあったりする。そういう店の前をクルマで通り過ぎる度、こんな店が近所にあればなぁとよく考える。 而して、我が地元に気の利いたショットバーなどない。あるのはカラオケの看板がガンと出されているスナックの類とファミレスの様なチェーン居酒屋だ。どこも一人で入りたいとは思わない。思わないが、取りあえず覗いてみてしまうのも私なのであるが。

 前にも話に出したと思うが、自宅から5分ほどの所にPub"H"がある。勿論、ドラフトのギネスやフィッシュアンドチップスを出している訳ではない(この冗談はつまらない?)。カラオケ機材屋の名前が入った看板が通りに出ている、普通なら敬して遠ざけるタイプの店である。しかし実は結構通っている。

 私の様に都心からの帰路で立ち寄る勤め人の客は見掛けたことはない。ほとんど地元の自営業の人だ。洒落ていないし旨い物を出す訳でもない。店の女性達も特に店の付加価値を高めている様には思えない(誤解を恐れず言うなら、ね)。しかし全体に、慣れればそう悪くもない。大抵空いておりのんびりできるし、カラオケをやる客は滅多にいない。こういう店で酒の種類を選り好みするのは無粋である。スーパードライでも酎ハイでも何でも来いだ。

 そして、実は最近、新しい楽しみを見つけた。

 店の奥の使われていないスペースに、トイガンが何挺も置かれているのだ。そのこと自体は以前から知っていたが、その一部が、いつも言葉を交わすH氏の持ち物であることが分かった。ママに前振りをしておくと、「ガンマニアなんだって?」とH氏に話し掛けられた。タナカのコッキングKar98kの外れっぱなしの首をはめ直し、残弾があってもホールドオープンしてしまうタイトー93Rは逆さにスプリングが掛かっていたスライドストップを治した。

 修理費代わりに「彼に一杯、出してやってくれよ」と言われた時の気分の良さ、分かるだろうか。旨いビールだったんだ。スーパードライだけど。


'04.7.15  随筆

書斎

 我が家には書斎と称して設けた自分の部屋があるが、実質は物置となっている。以前も書いたように現状ではうちには部屋が余っているし、この部屋に入らなくても生活には何の支障もきたさない。大抵のことは居間でできる。

 しかし居間では娘がうろうろ歩き回ったり妻が洗濯物を畳んだり、2世帯で夕食をとったりもするので、細かい部品や危ない道具を広げるときだけ書斎に籠もる。そのため、書斎は物置である上に作業場の様になっている。ヘキサレンチとプラスチックハンマーとリューターと、それからどこかの部品を比較するためにバラしたまんま転がっているメーカー違いの同型のエアガンが数挺。壁際には幾つか段ボールが積み上がっており、下の方の箱は、どうせ用事もないだろうが、何が入っているかわからない。いつだったか捜し物のためにその一つを開けたところ、旧いマック用のケーブルやらアダプタやらがぎっしり詰まっていた。当然今のマックには全く使えない物ばかりだ。ホットスワップできるSCSIケーブルアダプタなんて、最近のユーザーには全く価値が分からないだろう。

 蒐集癖は確かにあるのだが、利殖目的に物を買うことはない。だからこれを売ったらいくらになるなんてことはいちいち把握していないが、そう大して金になる物はないように思う。ネットオークションは面倒臭くてあまり参加しない。

 家の建て替えの時にウンザリするほど出てきた父の遺品も、そんな私の父の物なので何かお金に換えられるような種類の価値の物はない様だった。学生時代に買ったと思しき50年以上前の真空管や抵抗や半田。半端な揃い方の洋酒のノベルティ。脈絡の見えない幾つかの鉄道模型。片づけているときは何でこんな物をとも思ったが、自分のことに置き換えれば説明不要である。


'04.7.13  随筆

愛娘2題

 恋愛をしていると仕事にも俄然やる気が出るタイプの人の話を聞いたりもするが、自分は全く逆のタイプだと思う。上手くいっていなければそれは誰でも気に病むだろうが、上手くいけばいったで気もそぞろなんである。

 四十間近の二児の父が何事かと思われるだろうが、いやなに今現在は娘の話である。下の娘が2歳。無条件に可愛いのだ。iBookのデスクトップに画像を貼って、社内にいるときはアピアランスのテーマを切り替える。大きな眼(まなこ)に長い睫毛、丸い鼻やぽちゃっとした唇など、もう可愛くて仕方なく、ただただぼけっと眺めていて仕事にならないのである。

 早く帰って撫で回したり頬ずりしたりキスをしたりしたいのではあるが、そろそろ自我も芽生えており、すぐに「まめッ(だめッ)」と言われる。その言い方がまた可愛いので、面白がってこちらも「まめッ」などと言っていると、なんかうるうるしてきたりする。「まめッまめッて言うからだよぉ」と上の娘に注意されたりする。それはそうだ。「だめだめ」言われたら悲しくなるな。ごめんごめんと頭を撫でると「まめッ」。

 あまり下の娘ばかり可愛がると、上の娘が面白くないかと思い、とりあえず件のデスクトップは家では使わない。ところで先日、書き貯めた文章ファイルを整理していると、この記事と似た内容の古いファイルを発見した。1年以上前の物である。途中まで書いて、そのままになっていた。曰く書き出しは「こんなところで臆面もなく書くと笑われるかもしれないが、実は私は娘が好きなのである。大きな瞳や長い睫毛、丸い鼻もぷっくりした唇も下ぶくれのほっぺも可愛くて仕方ない」。なんと、上の娘について書かれた物だった。

 私は夜中の居間でビールを握ったまましばらく苦笑いをしていた。

 愛娘と離れている某小隊員の家庭円満をわざわざ電話で確認の上でアップ(爆)

顔を避けてファイルを並べている(笑)

'04.7.11  日記

買い物

 各所で話題の「ペプシブルー」をミニストップで発見、購入した。それにしても最近コンビニというと行動範囲にあるのはam/pm(牛角のレインズに買収されたね)ばかりなんだが、欲しい物が何も置いていない。特に食玩が弱い。"太陽神戸三井住友"銀行の出し入れには便利なATMがあるんだが、こうもam/pmばかりだと特に食べ物が飽きる。いや、私がコンビニ使い過ぎなのか? しかしメタルガンマニアなんかは他を当たってもいまだに1個も買えていないのだが。

 ともかく飲んでみるが…。普通のコーラ味。それもちょっと甘め。面白くも何ともない。何を期待していたんだと訊かれそうだが、私はどうしても「マリンクラブ」が忘れられなくて(笑)。とにかくあれ程の個性はなく、期待はずれ。飲んだ後舌が青くなるというだけ。面白くないんでもう買わないな。

 それよりはパンチが効いているのがチェリオの「ライフガードジャングルマン-X」。「ペプシブルー」の近くにあったので一緒に買ってしまった。なにせカロリー50%オフだけどカフェイン炭酸強め。どういう方向を狙っているのだろう。迷彩したトーチカの様なボトルデザインが流石チェリオ。色は思いっきり蛍光グリーン。それでいて甘さ控えめで後味スッキリ(あてにならんコメント)。ああ、これこれ、混ぜたらどうだろうとみんな思ってるでしょ?

 ところで前回 myhomeで書いた除草剤は、結局ザイトロンの微粒のものにした。僅か1週間の間にコニシキソウの侵略はかなり進んでしまい、微粒の方が一挙に広範囲撒けると考えたからだ。…合ってるのか?(いい加減だな) ちなみに例によってまた店頭でしばし迷う。去年の芝地用の除草剤はシバキープだったのを思い出して、少し安いシバキープでは何か不都合があるのか考え込む。要するにこいつは雑草が繁殖してからはあまり効かないからだった。さてこの週末には撒きたいのだが、どうもまとまった雨が降るらしい。

雑草ナビ(住化タケダ園芸)

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'04.7.8  随筆

ナラオカトモコ

 私はどちらかと言えば芸能人の名前を知らない。余程メディアに"名前入り"で出ていなければあまりわからない。そんな私が、なぜかナラオカトモコという名前だけは覚えていた。子供の頃にホームドラマでよく見掛けた。口うるさい姑とか小料理屋の女将とか、そういう役柄が多かった様な気がする。要するに名脇役の女優である。

 これは学生の頃の話だから、もうずっと昔のことだけれど、当時付き合っていた女性と話していて誰かの喋り方のことを「ナラオカトモコに似ていてね」と私が言うと、彼女は顔をしかめて「ちょっとやめてよ」と言った。あまりにきつい言い様だったので、話はそこで切れてしまい(何の話だったかは忘れた)、私は理由の分からない居心地の悪さを感じた。しばらく経ってから、彼女は私がアイドルか何かの名前を出していると勘違いしていたのだと思い至り、胸の奥に厭なものが突っかかる感じを覚えた。何か低俗な物を見下すような言い方だった。実際、私もどちらかと言えばアイドルの話題を持ち出すようなのは低俗なことだと考える傾向はあったのだが、それだけに"気の合った相手"はそんな名前は持ち出さないと考えるだろうにと、力の抜ける、とてもガッカリした気分になった。

 その彼女とはそれから半年と経たない内に別れた。ガッカリした気持ちで私がふったのではなく、ガッカリした気持ちのまま「好きな人が出来たから」と宣言されてふられた。5年つきあっていたので未練はあったが、この時に「ああ、やはりあの時は、ナラオカトモコをアイドルか何かの名前だと思って馬鹿にしていたんだな」と、妙に合点がいったのを覚えている。

 「なに、アイドルか何かだと思ってない? 厭だな、ベテランの脇役女優だぜ?」位のことが、なぜあの時言えなかったのだろうとしばらくは思っていたが、いつの間にか、そう言われた時にはもう駄目なものなんだろうな、と思う様になっていた。


'04.7.5  随筆

スーツ

 この季節、スーツ姿で仕事をする身で困ることは、脱いだ上着の処し方だ。上着を手に持ったり椅子に掛けたりする時に、私は裏返して畳む。本来、両肩を内側に入れて畳むものらしいが、私は左の肩の内側から両肩を掴んで裏返す。こちらの方が小さくなるし早い。いずれにしてもこの様に裏返して畳むと、畳んだ服を置いた時に腕の部分が垂れてくることがない。そして置いた場所が汚れていたとしても、上着の外側を汚してしまうこともない。

 困る点と言えば、ブランドのラベルが外に向いてしまうことか。有名ブランドだと厭らしい感じになるし、安売りで知れたブランドだったりすると恥ずかしい。郊外型の"紳士服の某"ではなく、繁華街で最近よく目にする比較的若い人向けのショップがあるが、40も近くなってその辺の物を着ているのは、少し憚られる。

 実は去年の夏に1着駄目にした時に、間に合わせで1着買ってみたのだが、而してあまり良くはなかった。普通に着ていて襟の部分に皺がよるスーツというのは今まで着たことがない。私の買った物がたまたまそうだったのかもしれないが、とにかく"はずれ"である。

 この数年でお気に入りなのが、セミオーダー物である。百貨店や年輩向けの紳士服店でしか見ない形態という気がする。若い人はまず着ない。しかし実際にオーダーしてみると、自分の体型に細かく合わせてくれるし、オプションも意外に豊富だったりする。チェンジポケット(小銭入れ。使わないけど)を付けたりスランテッドポケット(斜めのフラップのやつ)にしてみたり、結構遊べる。

 そして意外に高くはないのである。安売り量販店でも自分の好みを通そうとすれば結局3〜5万円代の物に落ち着いたりするが、セミオーダー専門店だと意外や2万円代からあったりするのだ。実のところ私の職種は、まともなスーツかどうかはあまり気にしなくても良いのだが、割にかちっとしたスーツを着ていなければならない人の方がむしろ重宝するように思う。


読書 藤沢 周「スミス海感傷」集英社文庫

'04.6.27  日記

既に先は決まっている。

 先週後半は、私にしては珍しく待ち合わせて人と呑むことが続いた。金曜は、得意先の元担当の人と呑んだ。

 つくづく思うのは、大企業の社員は面倒で大変だなぁということか。社内の人間が、キャリアだプロパーだ中途だ出向だという区分をいちいち覚えていた上で、会ったこともない系列企業の上層部の人事まで把握していないとならない。自分も得意先のことだから多少は知っていないと仕事にならないのだが…。今の会社には全く無縁な話だが、前の勤務先はそれなりに大きな所だった。でも人事にはほとんど興味なかったもんなぁ。

 そんな話だけしていて2時間。「色っぽい話の一つも何もしなかったですね」と言うと「仕事の話訊くんで呑んでるんだから当然でしょ」とあっさりしたものである。誤解のないように書いておくと、別に口説きたかったわけではなくて(笑)、グループ外の人間と呑んでいても人事の情報交換で、あらためてこのグループの人は大変だなぁと思った次第である。ちなみに彼女はキャリア志向には見えないタイプであるから、明らかに「この人は…」という人はもっと凄いのかと想像すると気が滅入る。もっとも、私はそういう人とはあまり接点がないのだが。

 話は全く変わって、このサイトの話である。

 実はそろそろ6周年となる。これを機に…という準備は例によって間に合っていないのだが(笑)、多少形態を変えていくつもりでいる。と言ってもいきなりブログになるわけではないし、ダイナミックHTMLガンガンになる訳でもないが(不可能!)、古いコンテンツがそのまま上の階層に出ているので、新しい読者にはある種の誤解を招くかなと思い、その辺の物は下げてしまうつもりでいる。その上でもっと読んで貰う順番を明示した方が良いだろうなと。

読書 藤沢 周「SATORI」河出文庫
<感応道交…ファック、是なり>「だからぁ、シャタック・パーム、譲ってぇ?
」<看脚下、数息観>
酒呑みながら机の下に落としたガンのビスを探していて気分が悪くなった時のことを思い出してしまった。


'04.6.14  日記

グリーンパッケージのメンソールと目土

 先週の思い切った買い物と言えば、新しい煙草。偏狭な私は、ビールはハートランドと決めたらハートランドだし、煙草はダビドフライトと言ったらダビドフライトしか吸わないのだが、そのダビドフにメンソールが出たのである。驚いてしまう。ダビドフにメンソール…。スミノフにいつの間にかシトラスやら何やらが出ていたようなものか。何よりグリーンのパッケージに惹かれてしまう。しかしメンソールか。結局買うには買ったんだが、しかしなぁ。なんか酒が不味いんだが。

 土曜は天候が怪しかったので慌てて芝を刈る。本当は雑草を抜いてからなのだが、時間がなく(というか面倒臭く)て一気に芝を刈る。細かいところも電動芝刈り機で刈ってしまう。テラスの際がどうしても刈れず、手の痛くなる安物の芝刈り鋏を仕方なく使い刈りだした辺りで雨が落ち始めた。この芝刈り鋏、母が通販で買った中国製の何点かセットの一つなのだが、「難点セット」と言いたくなるくらいどれも使いにくい。使いにくいというか、刃合わせが悪くてわざわざ手でひねるような力を加えないと切れないんである。結局また手を痛めてしまった。

 明けて日曜の朝。ドシャ降り。芝を刈って置いて良かった。午後から晴れたので、目土(めつち)を買って来て撒く。植え替えの出来ない芝は、時々上からそれ用の土を撒いてやった方が良いそうなんである。一坪に2袋必要と言うが…ま、とりあえず運べるだけ買ってきた(笑)。

 本当はこの週末は東京マルイのBOYsMP5のレポートをアップするくらいのつもりだったのだが、実はまだ買っていない。先週後半は、あれくらいコンパクトでもトイガンを抱えて帰れる状況になかったので。いやなにシリアスな話ではなく、遅かったり、得意先のパーティがあったりしたもので。


一箱320円

一袋257円

'04.6.10  随筆

邪魔

 バーで呑まずにいるというのが、性分に合わない。そもそも呑めないならどこか適当な余所へ移ればいいだろうし、そうでないなら続けて呑むのが礼儀だろう。

 いつだったか馴染みの店で、グラスが空いたままでも間の持つ客を"遊び上手"みたいに言う客がいて、マスターがこっそり「こっちはあまり嬉しくないけどね」と耳打ちするので、まあ自分にもそういう時もあるかと思い、まあそういう時があったら勘弁してくれと言ったら「放っておいても(あなたは)呑むでしょう」と言われた。

 それはそうだ。酒場は酒を呑む場所である。呑まないのは、そもそもマナー違反だ。根が偏狭な人間なので、人のマナー違反が気になる。器が小さい証拠である。もっとも、個人主義も酒場のマナーであるから、自分に無関係な不作法は気にしないことにしている。

 それどころか、気が小さいので自分に関係していても、そう表だって事を荒立てる訳ではない。

 久しぶりで偶然バーで会えた人がいて、しかもそれをわざわざ話しているのに横入りをされれば、不快に思うのは当然だろう。さらにその持ち出された話題自体があまりセンスの良くない話題となると不快も倍増である。大して面識のない人間に酒場で職能がらみの話をされるのは苦痛以外のなにものでもないだろうと思うのだが違うだろうか。しかもグラスが空いたままで。

 その前にその当人とは隣合わせになっており、大声で極端な物言いをする様に「何か馴染みにくい人だなぁ」と感じていたので尚更である。何より腹立たしいのは、それをスマートに回避できなかった練度の足りない自分である。

 "からまれて"しまった当人が帰ると言うので、これから事務所に帰る彼女に「2杯呑んでもあまり酔えなかったでしょう」と声を掛けると、「1杯しか呑んでいない顔で帰りたかったから丁度良かった」と言うので、「怪我の功名という訳だ」と言った。

 割り込んできた当事者が目と鼻の先だというのに、相変わらず私自身も礼を失していたらしい。


 河岸替えして呑み直したのは言うまでもない。久しぶりのG街ハーメルン。K子さんは何とNBAの全国大会出場で神戸帰りだとか。何も取れなかったと言うが、天下のNBAだし仕方ないでしょうとお疲れの1杯を差し上げて退却。

'04.6.6  日記

呑んでる場合じゃない

 このところ激しく資金不足が続いている。あと三月程はこんな調子になるだろう。詳細はここに書けない。呑みに行く回数を減らそうと、とりあえず記録をしてみる。結果は…今さらだが1週間でこれはまずいだろう。金額もここには書けない。ところがそんなこととは全く別に、当面あまり呑めない理由が出来てしまった。

 と言っても深刻な病気に掛かったわけではない。水虫なんである。正確には爪白癬(つめはくせん)、皮膚ではなく爪の水虫。これは塗り薬では治らず、定期的に内服薬を服用しなければならない。そしてこの薬、肝臓に結構な負担が掛かるのだ。1週間毎日服用して3週間休む。これを3回繰り返す。このひとまとまり(1週間分)で1万円弱もする。とてもじゃないが結果がきちんと出るように服用しなければやってられない金額である。もっと安いタイプは半年間毎日飲んで、肝臓にも更に負担が掛かるという。「という」と言うか、実はこれは続かず途中で止めてしまっていた。

 ついでに他の所も診て貰う。地元の掛かり付けの皮膚科は家から少し遠い上に待ち時間が長くて平日には通えない。行けるのは土曜日の午前中だけだが、大抵は娘達を小児科に連れて行くか、前夜に呑み過ぎてとても医者なんぞへ行ける状態でないかのどちらかなので、行ける時にはまとめてというつもりだった。

 実は先週末の庭仕事の後から指先が痛んでいた。左手薬指の側面なので、運転中右折をする度にウインカーレバーを苦痛を伴い倒していた。而してこれは、"ひょうそう"であった。塗り薬と抗生物質である。酒なんか呑んでいる場合ではないのである。

 週末は何やら日記モードになる。ついでに書いてしまおう。今年は寒肥を施した柿木だが、葉の具合は良いのにまだ全然実が付かない。2階のベランダで雀が死んでいた。先週オイル交換をしたばかりだがオイル交換10%引きのDMが来やがった。ついでに書いたから何だということではないが。

→爪Net


'04.6.5  随筆

BAR 幻影城

 いつもの様に軽く一杯というつもりでゴールデン街に寄る。こういう時に限って馴染みの店は混んでいる模様。Luft SchlossのDから訊いていた店が開いていたので、そこに寄ってみようかという気になった。幻影城。

 空中"城"のちょうど背中合わせの裏手が幻影"城"という洒落た立地である。Luft Schlossとは同じ"源流"だが色合いが違い、黒のLuft Schlossに対して白の幻影城という感じである。色だけでなく和洋のコントラストでこちらは大正期の洋館をイメージした内装となっている。同名の江戸川乱歩の作品を店名としているが、残念ながら私にはそういう造詣がないので細かいニュアンスは分かっていないかも知れない。

 オープンからまだ1週間だという。例によって万人向けの店ではないが、排他的な感じがしなかったのは私が趣味の話で馴染んでしまったためだろうか。ガンの話題は"城主"黒蜥蜴ちさとさんにはまったものだったらしい。もっともそちらの同好の志に勧めるには、それ以外の要素の方が大きい店ではあるが。

 初めてにしては時間を忘れてくつろがせてもらったが、システムの方は時間制となっている。普通のピッチで呑む分には安いくらいと思うのだが、酒量は人それぞれなので何とも言えない(笑)。

 ロフトがありグループにお勧めとのこと。凝ったインテリアで特徴的。ロフトではなく屋根裏座敷と呼んだ方が良いかも。

新宿区歌舞伎町1-1-7-2F 新宿ゴールデン街内 花園五番街
(『明るい花園五番街』アーケードそば)
電話 03-3208-2372
1時間4000円。以降1時間毎2000円(男性の場合)
月〜木/19:00〜2:00頃、金 ・土/19:00〜5:00頃
(システムは変更されることもあるので事前に確認を)


'04.5.28  随筆

黒シャツ

 ある日総務部長がスーツ姿の私を見て「なんだかヤクザみたいだな」と言った。別にヤクザに憧れているわけではない。そんな37歳がいたら只の馬鹿である。そういう意味では、スモーク貼ったベンツで横暴な運転をする普通の人は、只の馬鹿と言えるかも知れないが。閑話休題。黒いシャツにベージュのスーツとベージュのタイ。あえて言えば本人は黒シャツ党や突撃隊のつもりである。…じゃ、やっぱヤクザか(苦笑)。

 ちなみにこの組み合わせ、例えば女性が白いパンツスーツに黒いシャツでその上開襟だったりしても、セクシーと言われこそすれヤクザなどとは言われまい。女性の服装はそういう辺りで羨ましいほど自由である。多分。

 ところでこれから夏にかけて益々羨ましいのは露出度である。私にアレな趣味があるわけではない。ただ、そこのところ誤解を恐れず書くなら、露出した程度で目を引けて良いなぁとは思うのである。

 「あの超ミニに惑わされるな。目線誘導技術を使っているぞ」は、士朗正宗「攻殻機動隊2」でのリー保安部長の台詞だが、私が最前線の兵士で敵が露出の多い女性型兵士だったら即やられている気がする。馬鹿である。いや、相手が卑怯である。

 何が卑怯かというと、男性にはおよそそういう技が使えないからだ。胸元の大きく開いたシャツを着ていたからといって、筋肉質な腕をにゅっと出していたからといって、大抵の女性は気もそぞろになったりしないだろう。 …え、なるの? いや、よく考えたら筋肉質は自分に再現できないんで関係ないのだが。

 そういう格好をするには美人でスタイルも良くないとというのは女性サイドの思い込みで、特に綺麗でなくてスタイルも良くなくても、開いた胸元のままの前屈みに大抵の男性は"気もそぞろ"なはずである。というかそういう格好で打ち合わせに臨まんで下さいお得意様。いやホントに。

 そんなことで気もそぞろなのはお前だけだいうご意見があれば、返す言葉はない。


読書 松尾スズキ 「大人失格 子供に生まれてスミマセン」 光文社 知恵の森文庫

'04.5.23  随筆

マトリックスごっこ?

 私のことを知っていると言う人物から、私の連絡ポイントにアクセスがあった。平生は風采の上がらないサラリーマンの私も、実はネット上では名の知れたハッカーで、その私を救世主と見込んで…という訳ではなくて(なんだそりゃ)、私の随筆を読んで下さっているという「まる」さんという方からの書き込みだった。

 しかも銀座の某所の常連らしい。つまり結構な確率で既に会っている可能性も高い。そうなると会ってみたくなるのが人情というもの。というかこのままだと落ち着かないし。強引にメールを催促して連絡を取らせて貰うと、頂いたメールは送信者名が本名らしかった。覚えはないがどこの酒場でも常連の名前をほとんど覚えられない私である。

 私より某店に頻繁に通っていると思われるM嶋さんに訊くと、あっさり「なんだ、Aちゃんか。知らない? 女弁護士」。そういえばなんとなく口をきいたことくらいはあったような。女弁護士? う〜ん、トリニティではなくてアリーだったという訳か(意味不明)。

 ネットで知り合った人と初めて会う時には、独特の楽しさみたいなものを感じるのだが、しかしなぁ、微妙だな。これ以上酒場で私を「小隊長」と呼ぶ人が増えてもなんか困る気がする。

 とりあえず妙にそわそわしながら呑んでいると、I君が「いらっしゃいました」と耳打ち。その女性に会釈をすると会釈で返されるが、もう一度すると、「え(と「あ」の中間のような「え」)、あなたでしたか」でご挨拶。

 しかしその後すぐに"樽"の近くで呑んでいたエージェント達に囲まれて彼女は攻撃を受けた。「何その服の色」。「いっつも仕事残してきたとか言って来るよねぇ」。「なんでいつもいじめられながら呑まなきゃならないんだろう〜もう」。やはりトリニティだったんだ。モーフィアス! モーフィアスはどこへ行ったんだ? あ、金曜は月島の日か。

 帰路。そういえば会ってみてどうだったですかと訊くのを忘れていたことを思い出す。別に良いけど。


 彼女を待つ間I君に、「MODのことを書いているサイトを見つけた」と店主のKに言っていたという人と会うんだと話していたら、隣にいた人に実は自分もそうですよと言われた。何というかその…(焦)。ご訪問感謝。
 ところでこの週末、トップページのカウンターが20万をまわった。調べるとここしばらくは訪問者数は1日概ね200件。…200? いつの間に増えてた? そちらの方が驚き。ご訪問感謝。

'04.5.19  随筆

散髪

 髪を切りに行く店はできるだけ変えない。信念でも、美容師を気に入ってのことでもなく、自分の望む髪型をいちいち説明するのが面倒だという消極的な理由による。ご存知の方はご存知の様に、私は特に変わった髪型をしているわけでもないが、たまに変えてみたところで気に入らないのが常である。誰か有名人に似せたい訳でもなく、決まっている希望の髪型は参考写真もなく絵に描いて説明するしかないのだが、そんなことは勿論しょっちゅうしたい事ではない。

 学生の頃から十数年通っていた店が吉祥寺に近い住宅地の中にあったが、オーナーが「子育てのために良い環境へ移りたい」という理由で埼玉の奥の方に越したために通えなくなってしまった。ピーターバラカン似の人当たりの良い人だった。困って探したその次位に見つけた店に今でも通っており、そこもそろそろ十年近くなる。ここがまた特に優れているとか心地良いという程の所でもないのだが、いつもお願いしているのがオーナーなので、潰れない限りいなくなったりしないのが良い。しかもカーマニアで、アルファ・スパイダー→147→ポルシェカブリオレという趣味人である。話と言えばクルマの話だし、ここで私は毎月「NAVI」を読んでいる次第である。

 美容室に大してこだわりのない私がそういう店を探すにあたり、実は何より優先する条件が一つだけある。

 自宅よりクルマで20分程度。勿論駐車場のある店に限る。

 概ね月イチの散髪は、一種のレクリエーションというか気分転換である。他に用事がなくとも好きなクルマに乗り、軽く近所を流す感じで通う。これが必須条件なのである。

 今の店の難点は、新婚時代住んでいたアパートからのルートで選んだために、今の家からは"開かずの踏切"を越えねばならないことくらいである。


散髪の話、某所に捧ぐ(爆)

'04.5.14  随筆

拳銃のようなもの

 新聞紙上やTVニュースの類で目にし耳にしするにつけ、怪訝に思う言葉がある。それが「拳銃のようなもの」。強盗やらチンピラやらが使うあれである。それは「拳銃」ではなく、あくまで「のようなもの」である。単に確認できないからそう称しているだけかというとそうとも限らない。その証拠に、犯人が捕まった後の報道の中でも、それが実は何だったかの説明は結局成されないのが常なのである。犯人がどこの某でどういう幼少期を送ってという情報は公表されても、「拳銃のようなもの」が、実は具体的に何だったかについてはほとんど言及されない。

 同種の物に「バールのようなもの」がある。「バールのようなもの」の実体は公にされないと清水義範も書いている。その点では「拳銃のようなもの」と同じである。しかし「バールのようなもの」と「拳銃のようなもの」には決定的な違いがある。

 「バールのようなもの」は、金庫をこじ開けることに使われたりするが、バールでも金庫をこじ開けることは出来る。一方、拳銃で人は殺せるのに、「拳銃のようなもの」であるところのモデルガンやエアソフトガンや水鉄砲は、いずれも明らかに人を殺せない。

 そこには、あえてうやむやにすることで"拳銃的なイメージに対する"恐怖感を煽ろうという意図すら感ぜられて、何かしら報道側の悪意すら覚えるのだ。

 モデルガンやエアソフトガンを「改造して実物に出来る物」などと考える人は単なる無知な人だから、少なくともこの栴檀林では相手にしない。そういう人にとっては、ホームセンターに売っている様な除草剤で爆薬を作ったり、トラックの板バネから青龍刀を切り出したりすることも造作ないことなのだろう。ガキかお前は。

 とりあえずその様にして悪意的な「拳銃のようなもの」が我々の幸せな生活を狙っている。ということになっているのだ。誰が言ってるんだ? ガキかそいつは。


'04.5.7  随筆

家で呑む

 よく酒を呑みますという話をすると、では家では呑んでいますか? と訊かれ、私が家でも呑むと答えると、大抵はそれは珍しいですねと言われる。

 高い店に通うわけではないがなにせ頻繁であるし、私は普通のサラリーマンなので、すぐ金はなくなる。呆れた妻は「いつも家で呑めばタダだしくつろいで呑めるのに」と言うが、全く同じという訳ではないだろうと答える。

 しかし私は誰かと連れ立って酒場に行くわけではないから一人で呑むということでは一緒だし、必ずしもそこで顔見知りに会いたいと思うわけでもないのでその点も一緒と言えるかも知れない(居間で呑んでいるとたまに妹がやって来るが)。店の人間が変わるのは好きではないので、これは確かにまず変わらない。しかも好んで呑む酒は大概置いてある。

 だから外で呑まずに家で呑む、ということはないが、だから家でも呑む、という理屈にはなるだろうか。逆説的には、外でしか呑まないと言う人の多くは複数で呑みに行くことが多いように思うが、この辺は統計も何もない事なので理屈が合っているかはわからない。

 しかしまあ、靴を履いたまま気取った心持ちで呑むというところに酒場で呑む意味があるのであって、そのままでは外出できない様なくつろいだ格好で呑むのとでは全く異なる。その辺の意味では銀座のスタンドバーで呑む時も、家まで5分の酒場で呑む時も、あくまで同じ心持ちで呑んでいるのである。

 家でしか出来ない呑み方というのもあり、それはそれで好きだ。iBookを広げて書き物をしながら呑む。夕方のテラスで椅子に掛けて庭や周りの木々を眺めながら呑む。たまに家の裏で缶ビール片手に空き缶を撃ちながら呑むこともあるが、これはまああまり行儀が良くない。

 呑み過ぎは体に悪いだけではないから、適度にした方が良いのだろうが、なぜか呑んでしまう。…いや中毒ではないと思うのだが、多分。


読書 清水義範 著 「バールのようなもの」 文春文庫

'04.5.3  日記

連休

 連休とて特にどこに行くでもない出不精な私なのだが、上の娘もそろそろ6歳、何か考えないとなぁと。いや、そう思っているだけで、実際にどこかへ連れ出すのは親戚とかなのだけど。で、娘2人は妻と、妻方のお婆ちゃん、大叔母ちゃん、叔母ちゃんと共に泊まりがけで浦安ネズミーランドへ。何せ遊園地も人混みもディズニーも嫌いなんで私は今まで1度しか行ったことがない。丁度その日(29-30日)は仕事だったのでターミナル駅まで送るだけだったのだけど。

 そんな訳で連休初日の1日は、いまいち元気のない庭にいろいろ投下。全然青くならない芝に根切りと肥料。端の方に蟻の巣がにわかに盛り上がってきていたので蟻駆除剤を。枝垂れ梅にまだアブラムシが残っていたので殺虫剤を散布。

 ところで娘がパスに忘れ物をしており、新宿まで取りに行かねばならなくなった。ただ取りに行くだけでは何なので、上の娘と2人で行ってデパート屋上の「でこぼこフレンズ」の催事を観てくるということになった。電車で行けば30分だが休日は電車に乗らない信条なのでクルマで行く。ところが道が空いており、わずか40分で着いた。珍しく穏和なままデパートで過ごす。

 という感じで連休進行中。更新してるよ、更新。

戦車が通った後。ではなく、根切りで穴を開けた庭。

娘を乗せて井の頭通りを新宿へ向かう愛車(イメージ)。