しばらくMacの起動音を聞いていなかった。OS8以前は確か起動時からは音を消しておけなかったのではなかったか。下手をすると数年聞いていない。
起動音はともかく、今のMacが良くなったとは私には言えない。この数年のiBookとPowerBookの故障には正直うんざりしている。何せ各機毎年である。この対処はユーザーにはどうにもできない。秋葉の裏で買ってきたリペア用L/Bに交換とかで解決したりはしない。そういう時代を通過した私としては、そんなことを夢想したりする。PowerBook
Duoを弄っていた時代はそういう意味では自由だった。
Duoと言えば、数ヶ月前に気まぐれで引っ張りだした2300cを書斎に置き放しにしていた。Duoは稼働用のバッテリの他に、パワーマネージャ用のボタン型充電池を内蔵しており、これがへたると起動しなくなる。新品でもしばらく充電しないと使えない。その上数年放置していたのでさすがに駄目かと思いつつも、ACに繋ぎ放しにして忘れていたのである。
半分気まぐれに電源ボタンを長押しすると「ブツッ」と音がした。「まさか」と思い画面を見るとなんとハッピーマックが出現した。数年ぶりの起動である。
となれば、モバイル文字打ち専用機として使っていた250も気になる。低速だが電力消費も少ない68030CPUと鮮明なTFT液晶に最終型Type3バッテリーの組み合わせは、シリーズ最長駆動時間を誇っていた。iBook(Dual
USB)に乗り換えるまで、メインにPowerPCの2300cを使いながらも、長時間モバイルには250を使い続けていたのだ。
キーボードが繋がっていない基盤むき出しのこれに、ほぼ冗談のつもりでACを繋ぎ電源ボタンを押した。万が一壊れたところで構わないつもりだった。
「ジャーン!」
そして聞こえたのが懐かしい起動音である。これ、動くんだ。
自分の中のMac黄金時代を思い出した。
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スケルトン筐体の2300c。フルカラー表示(と言っても32000色)だとVRAM容量の関係で表示範囲が極端に狭くなる。接点酸化のためかキーポードが全く効かないの外付けで操作。

メンテのまま放置(?)の250。TFTモノクロ液晶はバックライトなしでも鮮明表示で使用可能だが経年劣化で表示範囲が狭くなっていた。 |