久しぶりに漫画単行本を買った。作:大山あつし/画:三宅乱丈「ヒーローズ」は隔週刊「イブニング」(講談社)に連載中の漫画だが、12月21日に単行本第1巻が発行された。
大山さん、というかゴンザレスさんはトイガン繋がりで知り合った方で、実際にお会いしたこともある。歳は私より大分上なのだけれど漫画原作では新人である。ネット上にはなぜか劇作家と勘違いしている方も見られたし、見た目はゴンザレスとかドミンゲスという感じだけど(笑)、前も今も堅気の勤め人だ。
クルマ業界に詳しくトイガンもお好きなので、両方が出てくる第1話はある種のサービスかと思ったが、とてもじゃないがそんな余裕はなかったそうである。件のガンに関しても、あくまで作画の三宅氏が手元の資料から登場させた物の様で、中国人の居直り強盗が五四式ではなくグロック26なんぞを持っているのは、この作品中に数多い"舞台的道具立て"と相まって違和感がある(但しマニアにしかわからない)。それ以前にその後全体のストーリーはもっと違う方に進んでいる。もとよりガンやクルマを楽しむための漫画ではなく、物語の漫画である。
ところでよくよく考えると、私にとって主人公は2人共あまり近くにいて欲しくないタイプなのだ。単純でお人好しな田辺にはイライラするだろうし、短気で要領が良い中山にはあまり敬意を払えない。しかしなぜかこの2人がいろんな困難に巻き込まれる度、「何だ、次はどうするんだ?」と気になってしまう。
不況のどん底で、"プロジェクトX"的ヒーロー像に希望の光を見る人も増えたが、一方では"幸せになりたいけど頑張りたくない"のである。プロジェクトX的なものは多くの犠牲を周りに強いるし、グロンサンな幸せは実際には得難く、幸せになりたいなら頑張らざるを得ない。頑張りたくないけど頑張らざるを得ない私達が、この2人の中にいる気がする。
作:大山あつし/画:三宅乱丈「ヒーローズ」第1巻(講談社イブニングKC) 540円(税込)
それにしてもイブニングKCっていつもこんななの? カバー折り返しの「原作者想像図」(当たらずと言え遠からじ?)とか、巻末の「原作フ作画入れ替え漫画」(ゴンザレスさん、コマ運びが逆だよ)とか。カバー表4も笑える…。
ところでKC繋がりという訳ではないが、アニメの「げんしけん」もう終わりなのか。面白かったのに…。悔しいからコミックでも買うか。ええ、若かりし頃はオタク爆走だった小官ですが何か?