GUN&MILITARY
公文書

'05.8.3  gun&military

形見

 形見の品というのは、当たり前だが"持ち主"から受け取るものではない。だからか、大抵は手にするときに妙な居心地の悪さを覚える。もっとも、私には大層な形見を受け取るような機会はなく、亡くなった祖父の置き時計(退職時の記念品)も「これは捨てないでおこう」と自分で取っておいた程度である。

 今回の画像の品は毎度の玩具であるが、実は形見の品である。しかも私とはほとんど親交のない第三者の方がわざわざ送って下さることになった。不思議なご縁である。誰の物かあえて書かないのは、分かる人には必ず分かるし、分かる人にだけ分かれば良いからである。

 BWC/KWCワルサーP990。私はこれと同じ物を既に持っている。'03年の9月にネット通販で買った。台湾製で国内ではあまり流通していないモデルだが、レア買いというより物好き、もしくは意地買いという感じだ。

 私はこのP99系のトイガンを集めており、専門のコンテンツもあるのだが、当時は長いこと放ったらかしにしていた。ある時知人がこういう物もあるよと教えてくれたのでネット上で情報を集めると、この形見の持ち主のサイトに行き当たった。「たまたま」行き当たったのではない。彼のサイトはP99に関して日本で最も詳しいサイトだったからだ。メールを送ると、彼の返書には私のサイトと当のコンテンツを自サイト立ち上げ前から知っていたとあって嬉しかった。そこから親交が始まり、まず私は放ったらかしの自分のコンテンツをリニューアルした。残念ながら生身の彼と直接会う機会はないままだった。

 その様に、これ以外あり得ない程の形見でありながら、実のところ私自身はこのエピソードを忘れかけていた。

 これが届いて箱を開くと、中に彼が購入した時の宅配便の伝票が入っていた。発送元は彼愛用の通販店で、私も何度か利用している。取り説と一緒に宅配便伝票なんか畳んでしまっているところが彼らしいと思った。

 私の知る限りでは、彼らしいと思った。


久しぶりのこのジャンルだが、実際このところ新しい物を買っていない。と言ってもGGFFとしては「照らす奴」とか「増やす奴」とか、一応買ってある。レポートは出尽くしている感もあり、また改めて。

'05.5.4  gun&military

KJ-HEAD Mk1カービンについて

 今月号の専門誌2誌に"新製品"としてレビューが載っていた。発売自体はGun誌前号の広告枠で告知されており知っていた。

 KJ-HEADのMk1カービンである。

 G、A両誌どちらの記事でも一切触れられていないのがとても気持ち悪いので、私はあえてはっきりと書いておくが、この製品はマルシン工業製スタームルガーMk1 MAXIのデッドコピーだ。

 KJ WORKSは台湾のメーカー。本国ではプラ外装でブルバレルとカービンの2本立てで展開している。このカービンのアウターバレル/レシーバーを金属製に置き換えたのが本製品である。これは、過日「ハーフメタル外装は合法」というのを公に押し出した集まりの一員であるKM自身によるアレンジだ。

 トイガンの金属化については、当サイトではC-Plusの基準に則るが、トイガンを取り巻く状況は変化している。しかしそんな話とは別で、要するにこれはコピー商品である。かつて日本のトイガンが外国製品のアレンジから始まったのを知るのは古いモデルガンマニアの方だけかも知れない。「本物をコピーする」という模型の宿命はありつつも、一方安易な他社製品コピーが横行した時代もあった。台湾のホビー文化はまだまだ黎明期であるという見方も出来る。だから私は殊更にその点だけを非難するつもりはない。

 問題なのは日本のメディアがその点に全く触れないということだと思っている。

 知人がかつて、外国製模型の新製品を購入したところ、それが日本製のデッドコピーと後に知りショックだったという話を聞いた。メディアはなぜその情報を事前に流せなかったのだろう。

 メーカーや流通に対する商業メディアの"しがらみ"というのがあるのであれば、では欠けた情報を補完するのが私メディアの使命であろうとも思う。

 しばらく保留にしていたが、スタームルガーMk1トイガンのコンテンツ、やはり本気で作ることにした。KJもHWもしっかり紹介する。乞うご期待。

→ 2挺のMk1ブルバレル。右がマルシン、左がKJ。刻印とメダリオンが異なり細かいRの違いはあるが、明らかなデッドコピー。