“立ち喰い”と言えば押井作品のイメージが強いと思うが、私にとって、立ち食いシーンを描いた作品では「いっしょけんめいハジメくん」の一エピソードが印象深く残っている。と言っても当該エピソードが何巻の何話かまで覚えているわけではなく、細部の確認は取れない。
主人公ハジメくんが新人の頃に立ち食い蕎麦屋で月見コロッケ蕎麦を掻き込んでいると、眼光鋭い男がかけにたっぷりの七味だけ振って勢いよく蕎麦を啜る※。そして「そんな食いにくい物をもそもそ食ってちゃデキル男にはなれないぜ」と言われ、その男のライフスタイルにハジメくんはすっかり感化されてしまう。しかし、暫く経って立ち食い蕎麦屋で再び出くわした男は、意外にも大盛りの月見蕎麦にコロッケと何とか天を注文する。転職だかで新たなスタートを切ったばかりの男は「しっかり食べなきゃね」と笑う。そんな様な話だった。
そうだ。しっかり食べないと。
高校生の頃の私は、よくコロッケ蕎麦を食っていた。通学は2時間程で、部活帰りなぞは池ノ上やら下北沢で食った。下北沢にあったのは「箱根そば」だったと思うが、ここのコロッケは小さめのが2つ入っていて、よそと違ってモッチリ固くて汁で崩れないカレーコロッケだった。
「箱根そば」は小田急系列だからこの20年ほどは生活圏外となっている。近くにないかと検索して当たった「生そば箱根」は、運営がイタメシの会社の様だった。調べると確かにそこも小田急グループには違いないが、「箱根」ブランドはグループ3社で共用しているらしく、高校生の頃に食ったあの「箱根そば」とはモノが違うらしい。“直系”の「箱根そば」の方は、自分の行動範囲内では新宿駅改札外の「箱根そば本陣」が近かったのでそこへ行ったのだが、普通のコロッケが1つ。辛うじてカレー風味ではあったが違う物になってしまっていた。
箱根そば本陣(小田急レストランシステム)
生そば箱根(ジローレストランシステム)
※「機動警察パトレイバー」OVA第6話「二課の一番長い日 後編」遊馬の言う「ネギ抜きで唐辛子をガンガンかけて、“立ち喰いのプロ”のような凄ぇ食い方」に近い。訂正 ブログ版コメント欄で、眼光男のオーダーは「なめこおろしそば」だったことが判明。 |
欄外は立ち食い蕎麦屋の「外道メニュー特集」(笑)。価格はうろ覚えだったので割愛した。

後楽そば(歌舞伎町)「やきそば」昔の有楽町店は銀座勤務時代たまに寄った。

笠置そば(神田)「月見そば+メンチカツ」若者の食いもんだな(苦笑)。

箱根そば本陣(新宿西口)「コロッケそば+温泉卵」想い出の箱根そば…?。あの頃、温たまはなかった。 |