page-18 時間潰し

'01.4.16

概の電車の乗客は、目的地に着くまでの間、時間潰しを強いられることになる。ちょっと遅めの朝の通勤電車に揺られながら−つまり遅刻しているのだが−見ていると、人は様々な時間潰しをしている。「潰し」と言うとおよそ建設的な感じはしないが、それを何とか有意義なものに転換しようと努力する人もいるし、そうでない人もいる。

近の私の時間潰しは、専ら書き物と決まっている。文学的に崇高な何かを目指しているわけでも、計画的に時間配分して書いているわけでもない。そういう意味では"努力"はしていないとも言える。

 書き出して「こりゃだめだ」と諦めてDuoを閉じてしまうこともあるし、タカタカと打ち続けられることもある。こういうのは素人もプロもそんなに変わらない。もっとも、適正くらいはなければ「こりゃだめだ」とも思わないだろうが。

 私は小心者なので、自分の書いたもので人が楽しんでくれることが嬉しい。太宰治もそんなようなことを書いていた。みんなそうなのかと言えば、そうでもないらしい。みんなが太宰治ではないのだろうし。そういう問題でもないだろうけど。

方で、私の書き物の道具であるDuoは、100%そんな私の暇つぶしにつきあってくれるわけではない。大抵は2時間未満しかバッテリは保たないし、そもそも時間を潰したい時にDuoを開けられる環境とも限らないからだ。今がそうだ。立ったままでは操作は出来ない。

 そういうことでは携帯電話でメールの文章を打っている人を見ると羨ましい。しかし私なぞはあんなものでまともな文章など書けるものではないと思ってしまうが。考えていることを頭の中でローマ字に変換し、その上それを12個のキーに割り振って入力する。やれやれ。ダッフルコートの上から女の子をペッティングする様なものだ。

 もっとも、ワープロが普及する前は「こんなもので書いて心がこもるわけがない」などとよく言われていたが、今そんなことを言う人はいない。そのうち携帯電話で心のこもった文章が書けるようになるのだろうか。

んなことを面つらと考えていたら目的地に着いてしまった。このままでは本当に単なる時間潰しなのでせめてページのネタにすることにした。そういう意味では"努力"はしていないとも言える。

<前へ

次へ>