番外編

『Oh!X』の復刊と感傷的道具愛

'99.4.23

 別にプレミア付けて市場を確立すべきだとか考えている訳ではない。単に道具として可哀想じゃないかと思うという感傷的なことなのだが。確かにパソコンの進化のスピードは、車で例えれば、10年でレシプロからエアカーになってしまう様なものだろうが、"効率じゃない何か"を道具という"効率を追究するもの"に求めてしまう人間らしい矛盾が、何というか良いじゃないかと思うのだ。
 Duoが、PowerBookが、マックが、旧く陳腐化してしまう日も来るのだろうか。その時、私はグレー筐体の(あるいはグリーンスケルトンの)Duoをどうしているだろう? 『続・DENTAKU』なんてやってたりして。もっとも、Duoは現時点でも既に旧いのだけど(苦笑)。

 各メディアでは既に取り上げられているが、ソフトバンク社の雑誌『Oh!X』の復刊2号目が季刊として発行された。この連載のコンセプト的にはぴったりの話題なんでちゃんと取り上げたいところだが、残念ながら私はXシリーズを使ったことがない。当時うちはN88BASIC党だったのだ。X68000はグラフィック性能も筐体デザインも「すげぇなぁ」と傍観していた。仲間内でも使っていたのが2〜3人いたな。今はどうしてるんだろう?

 コンピュータの世界は進化のスピードと減価償却が早く、旧い機種を愛用し続けることは難しい。この連載で取り上げる道具達も、手放さないではいるものの使っている訳ではない。
 自動車やバイクには、クラシックカーやビンテージバイクというジャンルが確立されているが、パソコン市場は旧くなったものはジャンク扱いだ。

 ところで訃報?が一つ。三菱電機は秋頃をめどにパソコン生産から全面撤退することを21日に発表した。デスクトップのアプリコットシリーズが英国の子会社製というのも私は知らなかったが、それも6月で終了。極薄で話題になったペディオンも、高価格とソニーバイオブームに飲まれてかなりこけたらしい。今後の生産は企業向けのサーバのみになるとのことで、業界的には上昇中のノートパソコンも、自社生産はやめるそうだ。

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