第2回

面倒な道具?

〜NEC PC8801mk2FR

'99.4.22

 しばらくしてから今はなきHAL研製の巨大なトラックボール(ケンジントンのアレよりデカイ)を繋いだが、とても思う様に絵を描けるデバイスではなかった。自分で描けないなら、道具としてはあまり魅力は感じない。
 そんなわけで、私はこの機械では「JET-88」というワープロとBASICのMML(MusicMacroLanguage)しかやっていなかった。楽器の演奏が出来ず譜面も読めない私にとっては、自分のほぼ好きなように演奏が出来る夢のような道具だった。いずれにしても、山のような呪文を打ち込まなければならなかったのだが。
 あ…、「テグザー」や「アルファ」とかのゲームもよくやったか。
 しばらくは妹がDOSで使っていた様だが、今は私の前の職場の同僚(ガラクタ好きなDOS/Vユーザー)に引き取られている。この後わが家には98が導入されたのだが、私はほとんど使わずじまいだった。面倒な自動演奏には飽きてしまっていたし、元々ゲームにはのめり込む方ではなかったし、文章を打つだけならワープロで充分だったから。というか、パソコンはまだまだ「何でもできる」道具にはほど遠く、付き合うのが面倒だった。

 PC8801mk2FRは、8ビット時代の"ハチハチ"の大ヒット作mk2SRの廉価バージョン。機能そのままにスロット減らしたりしてコスト削減したというやつ。全機能をフルに使った付属のデモは、マドンナの「マテリアルガール」に乗せてグラフィックがコマ送りされるものだったが、購入当時ですら、えらくショボかったのを覚えている。それに、カラーで絵が表示され、それがまがりなりにも動くというのが素晴らしいことに違いはなかったのだが、これを自分でやるとなると、気の遠くなるような作業が必要になることは私にもわかっていた。当時は絵を描くには、座標を指定して点を打っていくしかなかったからだ。


発売は`85年11月。ドライブの搭載で3タイプあり、¥99,800〜¥178,800。CPU:μPD780C-1、64kメモリー、320kbFDD

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