卵酒

'99.6.7

 最近は山手線の外に出て仕事をすることすら稀になってしまったが、前の職場では年に一度くらいは福島に出張することもあった。得意先は海沿いの田舎町にあった。駅の周りには大した商店街もなく、また、列車の本数も少なくて、打ち合わせを終えるとすぐに帰らなければ帰れなくなるような場所だった。原子力発電所の関連施設なので当然といえば当然か。

 ところでそんな出張にも楽しみがあった。それは駅前の酒店で売っていた卵酒だ。牛乳瓶の大きなのみたいな瓶に詰められて要冷蔵で売られていた。本当に卵酒なので、確か1週間くらいしかもたないものだった。それでも店で卵酒なぞ売っているのは他では見たことはなく、珍しくて買って帰ったものだった。元々卵酒が好きなんだけど。

 卵酒ではないが、卵のリキュールという物はいくつかある。有名なのはBOLSの「アドボカート」だが、最近写真のような可愛らしいパッケージのものが日本に入ってきている。この、ドイツ製の「フライドエッグ」は、去年末位から市場に出回り始めた。これからの季節、クラッシュドアイスを詰めたグラスに注いでトロピカルドリンク風とか、ロックグラスに冷やしたミルクで割ってとか、そんな飲み方でどうだろうかと思う。卵酒みたいなホットは、試してみる気はないが合わないような気がする。

 ところでこのリキュール、柵に並んでいればディスプレー効果も高いのだが、開封してしまうと日持ちしないのは卵酒と同じ様だ。件のZOIDの柵にも飾られているが、注文してもマスターに冷蔵庫に入れている他のリキュールを勧められるだけなので、念のため。