父と呑む

'01.7.11

 父の通夜の席で、学生時代からの長いつき合いだった人が、父のことをお酒の好きな人だったと言っていた。家で毎日晩酌をしていたし、そんな席で旧友にわざわざしみじみと言われる程だから、確かに酒は好きだったのだろう。しかし母の話では会社のつき合いでもなければ外で飲むことはあまりなかったというから、私の呑み方とはだいぶ違っていたようである。

 父は私が学生の時に倒れ、亡くなるまでの数年間、殆ど酒は飲まなかった(当たり前なのだが)。だから、社会人になって会社帰りに父に奢って貰う、なんてこともできなかった。と言ってもそれほどそういうことがしたかったわけでもなく、そのことに関してだけ言えば、強く残念に思っていたりする程ではない。しかし意外に"上の妹"は父と外で飲んでみたかったらしい。割に最近になってその話を聞き、じゃあ俺と行くかと言うと、お兄ちゃんは強い酒を呑み過ぎるからいいよと言う。もっとも、妹もいつも焼酎を飲んでいるからお互い様だろうという気がするが。

 父はウイスキー党だったので、命日や月命日には墓にウイスキーをかけに行く(最近ご無沙汰だが)。これがワインだったら黴びたり腐ったり汚らしいなと思いつつ、いや待てよ自分だったらウオツカだから、蒸発してお終い…なんてのも味も素っ気もないな、と、妙なことを考える。

 親孝行なんて結局、生きていようが死んでいようがしようと思ってからわざわざするものでもない。しかし一緒に飲みに行くのは意を決して行くものなのかもと考えていたのだが、某所の7/10付けの日記を読むと、どうやらそういうものでもないらしい。

 体験しなければ分からないことは多い。と、思う次第。


 ちなみに、私がよく書いている「呑む」はあまり正しい言葉遣いではない。なので基本的に自分にだけ使うことにしている。誰も気にしてないだろうけれど、なんとなく、今回多い言葉なので(笑)。