0.5thインプレッション 後編

セグメント ?


↑左からPPK/S、P99、USP

 マルゼンP99は、そのサイズから同社USPと比較してしまうが、シリンダー周りの構造はむしろPPK/Sなどに似ている。しかし"ツメ付き"負圧式であるPPK/S・イングラム系の様にバルブのロック/アンロックをスライド/ボルト側とマガジン内の相互のツメを介して行うのではなく、フレーム側のパーツ(マガジンに掛かる形のメッキパーツ)で行う様になっている。

 実銃のセグメントでもP99はUSPとぶつかるが、マルゼンP99と各社のトイガンUSPを比較して悩む人はいないだろう。同社USPとは比較にならないリアルさを持ち、タナカUSPよりパワフルで価格も安い(2千円)。

 「特定のガンに思い入れはなくて、最近作のガスブローバック機でモダンオートを1挺だけ」という人には、KSCグロックやマルイM9より私はこれがお勧め。と言ってもそういうニーズってないような気がするが(笑)。唯一マガジン(のリップ)がネック。…結構大きな"唯一"だけどな。

 「とにかくP99が欲しいけど、マルゼンとKTW/A&Pどちらが良いか?」なんて人もいないかな。勿論お金があるならマルゼンを買った方が良いに決まっている。価格の違い以上の価値を間違いなく持っているからだ。

撃ってみて △

 

 撃ち心地は重い方で、負圧式の例に漏れず後方への排気がある。今回はそれが不快に感じるほどでないのは、シリンダー後方に具(コッキングインジケーター)があるためか、それとも気温が下がってきたためか(笑)。

 特殊なトリガーポジションの再現には敬意を表する。この価格帯でよくぞここまでという驚きもある。改めて思うのは、これはワルサーP99のカタチのトイガンではなくワルサー社に認められたワルサーP99のトイガンバージョンだということだ。

 タナカとKSCのG17比較の時にもトリガーメカニズムの所で触れたが、トイガンのトイガンとしてのアレンジは当然否定しないが、本物の意味を知ることが出来る模型としてのトイガンに私は強く惹かれる。と言っても、メカはそれ程リアルなわけではない。実銃のストライカーと、ハンマーの違いがあるので。

バナー ○

  ワルサー社との正式契約を謳うだけあり、さすがにバナー類はキッチリバシッと入っている。KTW/Y&P P99でも驚いたが、こちらはさすが日本のメーカーという出来の良さ。書体一つにもこだわりが感じられる。


FOLLOW UP! ('99.11.8)


←KTW・P99と比較すると(前頁)、書体が違う。現行品はマルゼンの様に「9」の下が丸まり方の少ない書体になっている。
しかし、model.Mと呼ばれるプロトタイプではKTWの様な書体だった。これはKTW/A&Pが早い時期にP99をモデルアップしたためではないかと思われる。…でもマガジンボトムの方が新しい書体なのはなぜかな。

部品展開図 ×

 

 フレーム側は自信のない人はバラさない方が賢明か。そうは言っても"骨太アレンジ"されたパーツ群は組み合わせを把握しやすいのだが、P99もマルゼンの他製品の例に漏れず部品展開図は添付されていない。ガンマニアにとっては部品展開図とてその銃を愛するための情報の一つであって、部品売りをするかしないかとか分解を促す結果になりはしないかとかいうことを別として、ぜひ添付してもらいたいのだが(メーカーに請求すれば入手可)。前述の通り実銃とは構造が異なるので、専門誌に載っているような実物の分解図を参考に出来るわけでもないし。

FOLLOW UP! ('03.10.5)

 部品展開図は切手注文で簡単に取り寄せられる。