0.5thインプレッション 前編 ('99.10.17)

購入

 前日になるまではっきりしなかった発売日。仕事の合間にマルゼンP99を入手することができた。といっても、その後は常に誰かがいる場所にいたので、ほとんど試射することは出来なかった。それでも我慢できず会社の階段で撃ったんだけど(笑)。さらに何気なくデスクに置いておいたけど、鑑賞する余裕無しということでほとんどいじれず。誰も気が付かなかったのだが。翌日も終日出先。夜に会社に戻って取材のテープ起こし。家に着いて一息ついたら日付が変わってしまい、「今日」だか「昨日」だか、書いた文章も何だかわからなくなってしまった。

←KTW・P99(手前)と比較すると、バナーだけでなく、書体にも充分気が配られているのがわかる。

 さて細かくは追々コンテンツとして上げていくが、簡単に気づいたことを挙げてみたい。商業誌で既に書かれていることは当然割愛するとして、何せ時間を掛けて検証していることでもないので、「0.5thインプレッション」として、後日のフォローを参照いただくのを前提にしてアップする。

デコッキング時のバルブ叩きが起きる個体あり ?

  P99にも、PPK/Sと同様にデコッキング時にバルブが軽く叩かれてしまう個体があった。PPK/Sの時はC/Plus(当時はGUNSMITH BBS)周辺では類例がほとんど聞かれなかった症状だが、デコックするとバルブが軽く叩かれる「ポクン」という音と共にチャンバーの弾がこぼれ落ちた。P99を購入した御徒町のマルゴーは店頭で丁寧に試射した上で渡してくれるので、念のためにテストしてもらったところ「ポクン」と音がした。同じマガジンを別のものに挿してデコックしたら「カチッ」とハンマーの落ちる音しかしない。問題のない個体の方を売ってもらったので、今のところバラして原因を想定する作業もしていないが、いずれにしてもちょっとした角度の問題でヤスリ1本で直る種類のものだとは思う。

FOLLOW UP!(99.11.7+12)


 後日、C/PlusBBSでのBEATさんの報告によれば、トリガーバーにテンションをかけているスプリングが弱い場合にこの現象は起こるとのことだった。
 確認してみたところ、デコッキング時は普通のテンションがトリガーバーにかかっていればトリガーバー後端のコの字部分の間にハンマーの突起が入って噛む。しかしスプリングのテンションが弱まったりすると、トリガーバーが噛む前にハンマーの突起がコの字を外れて前進し、慣性でバルブを叩いてしまうということの様だ。

がトリガーバーの後端。がハンマーの突起。

デコッカーの仕上げ ×

 今までのマルゼン製品に見られないほどに適切な表面処理を施されたP99だが、残念なことに最も目立つデコッカーの仕上げがイマイチで、フラットさに欠ける表面になっている。何度も擦る部分のために、他のダイキャストパーツの様な仕上げを施せなかったのかもしれない…という考え方もできなくもないが、これはおそらくマルゼンがダイキャストパーツを発注している協力会社の問題というのが本当の所だろう。

本物のバックストラップ ○

 マルゼンP99のバックストラップは、別売りのS、Lサイズの物だけでなく、本体に付けられているMサイズの物もワルサー社から供給されている(ファーストロットのみ)。いずれもちょっと粘り付くようなゴムっぽい素材で出来ている。汗ばんでいると意外にグリップが良くない様な気もするのだが実物がこうなのだ。"実際"には、それ相応のグリッピングができるのだろう。というより「本物」であるということは、トイガンユーザーにとっては何より魅力的な要素に違いない。

←袋も純正(笑)。以前、愛車(10年落ちのBMW)のパーツを買った時、そういえばこんな飾りっ気のない袋だった。

クセありのマガジンリップ ×

 「弾が込められない!」という意見が早くも相次いであがっているこのマガジン。リップが非常に薄く、マグを床に落とす動作が頻繁にあるマッチシューター諸氏には間違いなく悪評紛々であろうと思ってはいたが、弾込めにこれほどクセがあろうとは。

 ローダーを使う時、弾込め後にローダーを外す際にロッドを押したまま上に抜くのが弾をこぼさないコツらしい。手先の器用さに自信のない人に"指込め"はお勧めできない。そんなことじゃいかんのだろうが。

←正面から見ると、いかにも微妙な保持。


FOLLOW UP! ('99.10.24)
ローダーの角度とマガジンリップ


 付属のローダーの角度をいくつかのガスブローバックガンで比べてみた。マルゼンP99の装弾の角度が他機種に比べてやけに直角に近いことがわかる。フォロアのテンションは当然給弾方向に掛かっているので、P99ではローダーは装弾方向の直角の方向にかけていなければならないことがわかる。この力をゆるめてしまうと、装弾中でもババッと弾がこぼれ出してしまう。指で込めるときも、既装弾の弾にテンションをかけ続ける必要がある。これではゲーム中の装弾は無理だな。

FOLLOW UP! ('03.10.5)

 ご存知の通り、マガジンは後に改良型となり、ここに書かれている問題点については全て解決された。
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