キングオブ・プリンキング・フルオート? 第2回

'01.11.30

第1回
第2回

 買ってから一週間以上が経ったのだが、実はあまり撃っていない。仮住まいのアパートでは"そこら辺"でぶっ放すわけにもいかないということもあった。

 そうこうするうちに専門誌各誌1月号の発売となってしまった。中ではA誌が最も写真が多い。また、新製品記事にしては珍しく、記事中で生産中止品と共に各社並べて撮っていたりして、私としてはお勧め。というか「先にやられた」という感じか。

 で、第2回はいろいろ話題のボルトまわりについて触れたい。

 マルゼンが「再現した」とうたっているボルトについては、オープンボルトであるという機構にマニアは失望したが、そのモールド自体も「表現がチャチ」という批判が多い。

 しかしそれが強すぎて、ボルトヘッドキャリア(ボルトが前進しきった時にエジェクションポートから見える部分)の形がトイガンMP5史上最高の再現度であることに触れられることが少ないのは残念。前出のA誌ではここに言及し、その上デジコンMP5が先達であることも指摘している。

 そう、 MP5のエジェクションポートから覗く部分は、レシーバーとは逆の凹型のアールを描いているのが本当なのである。

ユースエンジニアリング製MP5A5(上)と→

 さて一方で、これまでのMP5のトイガンでボルト部分が可動になっていたものを思い出してみた。すると、モータードライブ式のMGCと、ガスブローバックのユースエンジニアリング2社のみだった。実は東京マルイ製でダミーカート式ガスブローバックというのもあったが(懐かしい…)、厳密に言えばボルトに相当するパーツはなかったということもあり、今回は除外しておく。

 MGCのものは、ボルトの下半分の部分だけが動くのだが、これはそこがモーターの動きをローディングノズルに伝えるパーツになっているというためで、形状も角張っており正確ではなかった。ここでは実物ボルトのイラストも交えて、ユースとのボルト部分の形状の比較をご覧いただきたい。実物では後端にある外側に向いた二対のU字型パーツが、レシーバーのストックが通る部分のレール凹部の内側に噛む。

←ボルト。上からユース、マルゼン、実物(イラスト)

 ここまで書いておきながら何ではあるが、マルゼン・クルツの本来の楽しみ方は、MP5のカタチのフルオートガンをガガガーッと撃つというところにあるのであり、ディティールやら何やらは二の次の物なのであるし、それこそがマルゼンだという気もする。季節柄、夜戦オンリーの栴檀林小隊では実戦投入の機会はないのであるが(快調作動するわけがない)、やはりこのクルツ、フィールドで呻らせたい物である。

補足

'01.12.10


 文中でデジコンMP5の話をしているが、考えてみたらユース製と並んでデジコン製も店頭ではあまり見掛けることのない製品である。なので念のため画像を載せることにした。家が建て替え中のために実家にしまい込んでいたのを引っ張り出してきた。

 エジェクションポートからのぞくボルトの凹面表現がどんなものか、これでわかっていただけるだろうか。この程度でも充分なのである。しかしマルイ製AEGは、ここにシリンダーが来るために凹ますことができなかったのだ。

 

エジェクションポートに注目。→
亜鉛パーツの変色は気にしなくて結構(苦笑)。