歴史
PPK系のASGといえば、ガスガンでは3代続くマルゼン、と廉価版のマルシン/レプリカがあるが、個人的には名作・ポイントの2ウェイガスブローバックPPKが忘れられない(トイガン史上、あれ程忠実に再現された大戦モデルPPKは他にない)。
一方、これがコッキング式となると1種しかない。マルシンPPK/Sは、当時の同社製の他機種同様、外観はモデルガン譲りのリアルさを誇るものの、実射性能は"おまけで弾も出る"程度だった。数年前にリバイバルで出たが、最近は流通在庫も見当たらない。ポンプがグリップ内だったので、必然的な"ワリバシマガジン"だった。しかし存在感は7,500円の価格相応にあった。↓

上からアカデミー、マルシン、マルゼン
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その後、私が期待したのは、コクサイがサンプロと組んで発表したコッキングガンのラインナップの中に見つけたPPK/Sだが、果たしてそのラインナップは、1発目のグロックだけで消えてしまった。まあ、メーカーがメーカーだけに本気で期待してはいなかったが。
形状
とにかくまず、「何だこのマグキャッチ!?」と思う。実はこれ、クロスボルト式のセフティ。にしても、やりようがあるだろうに。なぜこの形? ちなみにマガジンは可動式の突起で固定されるが、プラの弾性ではなく、独立したスプリングで可動するストッパーは適度な堅さでしっかりマガジンを固定し、マルシン/レプリカの様に握った手の小指に押されてマガジンが抜けるということはない。他には特に不満なし。
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刻印
本体にワルサーバナーがないどころか、本体にもパッケージにも「WALTHER」の文字自体がない。代わりに何かが入っているわけではないのでそこだけぽかりと空いている。刻印を見る限りはマルシンPPK/Sを参考にしている様だ。「MFG」までコピーしている。その上に入る「ニトロマーク」はなぜか戦前タイプのようなのだが…。
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作動と構造
スライドもフレームも一体成形で、成形色ダークグレーのABS製だ。韓国製コッキングガンの例に漏れず機関部はユニット化されており、透明のプラでできている。シアやトリガーが金属製なので、ネジれる感触がなく、トリガーフィールは良い。マルシンPPK/Sと違い、ハンマーが落ちるのと同時にピストンが前進するため、違和感がない。
スライドはストロークが短く、引きが重い。しかし、期待せずに撃つとサイズの割にはなかなか。マルシンPPK/Sの様にティッシュの空箱に跳ね返されたりはしない。スリムなスライド内にあるシリンダにしては上出来。それにしては不格好なマガジンが気になりバラすと、それなりに実射性能を上げる苦労が伺える。

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