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公文書

'04.7.10  myhome

眼下の敵

 「男は外に出ると7人の敵がいる」などと言うが、庭に出ただけでも敵はいる。私の目下最大の敵は、眼下に広がる芝地を浸食しつつあるクローバーとコニシキソウである。

 都心の得意先に行く途中、リバーサイドに高層マンションがあり、その横が小さな公園になっている。春先の話だが、植え込みが囲われていたので何が植えられているのかと覗いてみると、立て看板には「立ち入りご遠慮下さい。クローバー養生中」とあって驚いたことがある。クローバーを植えて育ててんのか? 雑草を? 私の認識は、中央区の高層マンションに住む人達とは大きくずれているのだろうか。にっくきクローバー。庭では、芝の密生が緩くなっている部分を中心に浸食して来ている。

 もう一方の敵コニシキソウの名前は最近知った。「雑草という名の草はありません」なぞという戯言に耳を傾けたわけではなくて、除草剤購入のためにまず名前を知っておかねばと調べたのである。地面を這うようにひょろひょろ伸び、ちぎると白い汁が出てくる、あの雑草である。私は裸足で庭を歩き回るのが好きなのだが、こういう草が生えていると油断ならない。粘る汁は、付着するとなかなか落ちない。

 雑草はいちいちむしるのが基本だが、私がそれをやれるのは週末で、それも晴れていればのことなので、うっかりすると逞しく群生されてしまったりする。小さい子供がいてあまり薬を撒くのもいかがなものかとは思うが、この暑い時期にそれこそ庭をごろごろという事もないだろう。

 ちなみに選んだ除草剤はHCCザイトロンアミンスプレー溶剤。微粒と希釈用の液体が他にあるが、雑草を見つけた時に即使用できるという意味でこれを選んだ。私にしては珍しく、店頭ではなくネットでまず調べた。効力はどんなものか、結果はまだまだ先である。何せまだ買ってもいないのだから。


訂正('04.7.11)

 連絡所でご指摘いただいたので訂正。文中の「クローバー」は「カタバミ」の誤り。

1枚1枚がハート型をしているのはカタバミ(カタバミ科)。花は黄色。
クローバー(マメ科)の葉は丸型で、白い花。

  …だった。クローバーには勘違いで因縁をつけてしまったらしい(苦笑)。

 ついでに今回のご指摘とは関係ないのだが告白すると…敷地の中央に鎮座する我が家の象徴・白木蓮、実は…辛夷(こぶし)だった模様。祖母も母も近所の人達も白木蓮と言っているのだが、それにしては花が小さくて白く、樹が高い。訂正しきれないほど頻出しているのだが…。


読書 藤沢 周「死亡遊技」河出文庫

'04.6.8  myhome

広い家

 朝はたいてい、妻や子供達とは家を出る時間に若干の差がある。私は3人より少し遅く家を出て概ね定時だし、一緒に出ようとすれば全体の時間が押してしまうからである。そのため3人が家を出てから私が自分の用意をすることが多い。私が娘達を送ることもあるが。

 そんないつもの朝には自分の用意をしながら散らかった家の中を何往復かしたりするが、そういう時ふいに「広い家を建ててしまったなぁ」と、少し不安な気持ちになってしまうことがある。1階の食堂から2階の寝室まではコの字に家を移動することになる。特に廊下が長くなる様にしたせいもあろうが、部屋数自体も少し多い。

 不動産広告の様な表記でどうなるのか、実はわからないのだが、7部屋とリビングが1つ。DKと風呂は2つずつでトイレは3つある。そこに2世帯6人で住んでいる。これでも引っ越し当初は2軒分の家財道具が収まりきらずえらいことになっていたのだが、いややはり広過ぎるだろう。

 家を建てる時、あまり先のことまで考えてもきりがないと思う。最小限に建てて改築すれば良いという考えもあるだろうが、増改築は効率の悪いことであると経験者の私は思う。しかし考えてみればこの先出ていく人間ばかりの家なのである。母、妹、妻、娘2人と私。実は年頃の親戚の娘が北海道から出てきた時のためにということで納戸兼用で1部屋作ったが、その子は今年地元の大学に入ってしまった。

 固定資産税のことさえ考えなければ、広い家も悪くない。しかしそれはちょっとした額である。自分の土地に自分の家を建てて暮らしているだけなのに、国に家賃を納めている気分である。いや、そもそも上物のローンがまだ35年も残っている。

 ローンを払い終えた家に、その時一体誰が住んでいるのか。実のところ見当が付かない。不安な気持ちでものを考えると、ろくな事を考えない。朝っぱらから困ったものである。


'04.6.2  myhome



 週末は天気予報がことごとく外れて晴天続き。第5週の土日には娘のプールもない。しかも私にしては珍しく早く起きてしまい、とりあえず庭の柵でも補修することにした。

 庭には柵が2箇所、通りに面した部分と、隣家との境にある。通り側は2mの塀の上で普通には外から見える場所ではないし、隣家は貸家とあって、共に手製の適当な柵である。手製と言っても市販品を使ったもので、その手の作業をしたことのある方ならご存知であろうアイリスオーヤマ製のラティス材を使っている。建材メーカー製と較べて遥かに安く、DIYセンターで簡単に購入できる手軽さのため、ちょこっと庭やベランダを囲うのに用いられているのをよく見掛ける。ただ、やはり安かろう…な物で、防腐塗装されているとは言えそのまま使用すれば結構簡単に表面が荒れてしまう。また元の木材があまり良質ではなく、割れや欠けの類をパテで埋めてあり、少し歪むとそれが剥げ落ちてくる。

 柵の片方は私が設置した物で緑のニスで塗られており、妹の設置したもう片方はそのままの仕上げで、状態に差がはっきりと現れていた。また、妹製の方が大きく、設置の仕方に若干無理があったため部分的に外れかけていたので補修することにした。表面がぼろぼろの上に苔まで付いていたので全体を金ブラシがけして塗装した。手間や費用を掛けるつもりもなかったので安売りのラッカースプレーで塗る。

 ルーバーラティス2枚1組をステープラーみたいなコの字金具で繋ぎ、L字金具で柱の間に固定してあった。これだとラティスの伸縮の力が逃げる方向がなく歪みやすくなると考え、繋ぎ型を変えたラティス材を、柱の側面に固定する形式にした。もっとも、既に歪んでいるために、ややたわんだ感じになってしまったのだが。

 しかし自分でしておいて何だが、電動ドライバとタッピングネジでの木工は手軽過ぎてとても邪道に思う。まさか今は小学校からこんなやり方教えてるなんてことないよな?


読書 角田光代「だれかのいとしいひと」文春文庫