GUN&MILITARY
公文書

'18.4.22  gun&military 

コスメ屋で買う護身用拳銃 SPY-1

 初めてこのトイガンを見掛けたのはツイッターのTLで、フォロワーの人がスマホと重ねた写真をアップしたものだった。面白そうなトイガンだと思うと同時に既視感があった。ああ、あれだ。いつか見たあの銃だ。

 Ideal Conceal社のCellphone Pistolという銃。クラウドファンディングで話題になった折り畳み式の2連発銃。調べたら既に販売されているらしい。サイズと偽装具合だけを見れば、大昔にも、財布にしか見えないホルスターに入ったデリンジャーや、サングラスケースの様なプレッシンなどがあった。しかしスマホが変形して銃になるというのが現代的だし、今は内蔵レーザーポインターがあったりしてサイティングの不安もない。

 あの銃をモチーフにした事自体より驚いたのは、トイガン製品化のその速さ。実銃が'16年に発表されて'17年発売となったのだが、この製品自体も'17年の発売らしい。原型とかよくそんなにスピーディーにと思う。比べて日本メーカーのフットワークはそれに及ばない。

 ちなみに発射機構自体は東京マルイの銀ダンエアガンの模倣で、銀玉でっぽう風アクションでもってエアでBB弾を飛ばす。そこ模倣かよとは思うが、勿論そのままでこの銃が出来る訳でもない。細部に不満が無いではないが、製品の価格帯を考えれば充分な出来の製品と思う。

 ところで現状このSPY-1は、amazonで韓国の特定業者から買うしかない。例によって事情通タグチ氏によれば、日本に輸入しようとした業者が、販売しようにも倍付け近い価格になってしまうため断念したという経緯があるとか。ちなみにその韓国の業者はコスメ専門店。発送は追跡付き風ながら追跡が効かずにやきもきするが、一応予定通り6日間で到着した(結果を保証するものではありません)。

 ネットで見ると、黒とグレーだけでなくカラフルなラインナップとなっているらしいが…ま、黒だけで良いかな。

ToyStar SPY-1(購入価格1,900円) 元はスパイ用じゃなくて護身用なんだが。


オフィスの机上にあっても自然。


モチーフとなったIdeal Conceal社製Cellphone Pistol
https://www.idealconceal.com/


側面の妙なディティールは、自重落下のため内側を漏斗状にしたのが外側に反映されたものと知る。ちなみに“オリジナル”の中身はこちら

読書 村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、巡礼の年」文春文庫

久し振りに読んだ村上春樹。暫く大長編ばかりだったし、一時期のエキセントリックな設定が鼻について離れていた。本作も周りの話だけでは読まなくて良いかなと思っていたが、手に取りやすいサイズだったので。相変わらず勃起だの射精だのと言っているが(苦笑)、村上春樹の文体を味わうには丁度良い本だった。


'18.4.1  gun&military 

噂の中華Nerfモーゼル
 中国人のモーゼル・ミリタリー好きは定説だと、私は思っているのだがどうだろう。現代でこそノリンコが積極的にモーゼル・ミリタリーのコピーを作ったりすることはないが、現役当時に多くのコピー品が出回っていたことは有名な事実。

 それが下地になってか、現代の中国製トイガンでもモーゼル・ミリタリーは多い模様。20年くらい前になるか、私が北京やら上海やらに旅行で行った時のこと。まあトイガン好きなので、当然玩具屋でも土産物屋でも銃器然とした物を探してしまうのは性なのだが、その時見掛けた拳銃のトイガンはモーゼル・ミリタリーばかりだった。

 なぜそんなことになったかの背景については、19世紀初頭の中独合作(という言葉自体は私も知らなかったが)について調べられると良い。1910年代から日中戦争の前辺りまでは、中国(中華民国)とドイツの経済的・軍事的協力が盛んだった。実は今、私たちが中華料理屋でチンタオビールを呑めるのもそのおかげである。

 ところで中国製玩具のモーゼル・ミリタリーは、特徴的にタンジェントサイトの構造に執着することが多い。弾を飛ばす物であれ紙火薬を鳴らす物であれ、基本的にここが可動部品になっていることが多い様に思う。

 そしてつい最近、ネットで「中国製Nerfモーゼル」として話題になっていたのがこの製品だった。流通は不安定だったものの、何とか入手が出来た。ちなみにNerfとは全く関係ない上にコピーでもない。

 トイガンと言うより要するにコドモのオモチャなのだが、諸々の特徴は継承している。タンジェントサイトも可動。いらんだろ、これ(笑)。また、日本でも昔はよくあったけど、他社製トイガンの独自ディティールをまんま再現というのがこの銃にも明確に見られて楽しくもある。

 何にしても、面白い玩具に出会したなぁと思った次第。


警官風の人が撃っている現代風のリーガルイメージなパッケージ。

キャンディーの様な色取り取りの弾は、この様に薬莢ごと突き出される。。


1m先でもしっかり横弾。何せバレルクリアランスが…。だけどなんか楽しい(w

スッカスカながら可動するタンジェントサイト。中国、2世紀のこだわり。

実銃にないボルト上のこの突起、何も機能がない。しかしこの形状には見覚えがある。

ボルトのリターンスプリングの場所を、EJポート上に確保したエアコキ発掘。

数年前に買った中国ダブルイーグル社のM32というやつ。バレルも同様に外れる。