中国人のモーゼル・ミリタリー好きは定説だと、私は思っているのだがどうだろう。現代でこそノリンコが積極的にモーゼル・ミリタリーのコピーを作ったりすることはないが、現役当時に多くのコピー品が出回っていたことは有名な事実。
それが下地になってか、現代の中国製トイガンでもモーゼル・ミリタリーは多い模様。20年くらい前になるか、私が北京やら上海やらに旅行で行った時のこと。まあトイガン好きなので、当然玩具屋でも土産物屋でも銃器然とした物を探してしまうのは性なのだが、その時見掛けた拳銃のトイガンはモーゼル・ミリタリーばかりだった。
なぜそんなことになったかの背景については、19世紀初頭の中独合作(という言葉自体は私も知らなかったが)について調べられると良い。1910年代から日中戦争の前辺りまでは、中国(中華民国)とドイツの経済的・軍事的協力が盛んだった。実は今、私たちが中華料理屋でチンタオビールを呑めるのもそのおかげである。
ところで中国製玩具のモーゼル・ミリタリーは、特徴的にタンジェントサイトの構造に執着することが多い。弾を飛ばす物であれ紙火薬を鳴らす物であれ、基本的にここが可動部品になっていることが多い様に思う。
そしてつい最近、ネットで「中国製Nerfモーゼル」として話題になっていたのがこの製品だった。流通は不安定だったものの、何とか入手が出来た。ちなみにNerfとは全く関係ない上にコピーでもない。
トイガンと言うより要するにコドモのオモチャなのだが、諸々の特徴は継承している。タンジェントサイトも可動。いらんだろ、これ(笑)。また、日本でも昔はよくあったけど、他社製トイガンの独自ディティールをまんま再現というのがこの銃にも明確に見られて楽しくもある。
何にしても、面白い玩具に出会したなぁと思った次第。
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警官風の人が撃っている現代風のリーガルイメージなパッケージ。
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キャンディーの様な色取り取りの弾は、この様に薬莢ごと突き出される。。
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1m先でもしっかり横弾。何せバレルクリアランスが…。だけどなんか楽しい(w
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スッカスカながら可動するタンジェントサイト。中国、2世紀のこだわり。
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実銃にないボルト上のこの突起、何も機能がない。しかしこの形状には見覚えがある。 |

ボルトのリターンスプリングの場所を、EJポート上に確保したエアコキ発掘。 |

数年前に買った中国ダブルイーグル社のM32というやつ。バレルも同様に外れる。 |