取付説明書は必要か?
過去4回のDuoスケルトンキットには、合計3冊の「取付説明書」が添付され。実は計画始動当初の実行委員会の話し合いでは、これは不要な物ではないかという意見もあった。

つまり、ネジ1本外しただけで保証の無くなるPBで、筐体をまるごと複製して交換しようというリスクは、相応のスキルがなければクリアすることはできないので、そういう人に対して、細かい分解方法のレクチャーは余計ではないかということでもあった。

また、この説明書を作成する労力は想像するだに大きなもので、これ自体が計画全体のスムーズな進行を妨げかねないというのが多くの委員の意見だった。

専用MLでの話し合いの結果、私たちはオリジナルのDuoの分解マニュアルを製作することになった。これは、限られた一部の人だけでなく、より多くの人に、スケルトンDuoを楽しんでもらうためだった。

委員の力
ここにも多くの委員の力が注がれた。サービス、造形、素材、撮影、デザイン、印刷と、よくも揃ったものだというくらいのプロが揃い、自分達の時間を削りあってマニュアルは作られた。正直な話をすれば、プロの人にその仕事をボランティアでやってもらうのは、とても心苦しいことだと皆が思っていた。だからカメラマンである人はセッティングまでで、ビデオ制作の人がスチル撮影と編集をしたりというのが微妙にあったと思うのだけど、結局、造形のプロである人に頼ってしまったりなど、結果としては「これで良かったのかな?」と思ってしまうところも多々あったように思っている。それでも嬉々として委員の仕事をこなしていったのは、勿論PBに対しての愛情(偏愛かも…)があればこそだったのだろう。

自分の話をすれば、広告制作会社の営業で、特にイラストの類を扱うことが多い仕事だったこともあり、自分が出来そうなこととして表紙イラストの作画を申し出た。しかし描き手に描いてもらうのはプロでも、自分で描くのは…。結果は取説を手にされた皆さんのご感想にお任せということで。

スペース確保のため、使っていなかった部屋の掃除を。そしてとにかくバラす。左のコップにはウオッカトニックが…。

全体を見ながらまず構図を考える。悩む。それから下書きに。

下書きをトレスしてペン画に起こす。

構図

表紙用に分解展開図をという発想自体は割合簡単だが、ではどんな絵を? と考えるのは結構難しい。分かりやすくパーツを拡げ、なおかつ表紙に耐えるような絵となるべく構図を決めるということが必要となる。スケルトンパーツとして「ここは描いておかなくてはいけないポイント」というものもあり、どう展開すればこの要素を盛り込みつつ見栄えよく描けるかを検討しなければならない。

タッチも重要。私はガレージキットの箱絵をイメージすることにした。細密画っぽい妹尾河童タッチを…と考えはしたものの、自分の技量がついていかない(苦笑)。それ以前に自分のタッチで描くので手一杯。描かすと描くでは大違いである。

←ああでもない、こうでもないと悩んでいるスケッチ。

下書き


重なり合わない部分を分けて描き起こす。他のパートと合わせた時に、重要な箇所が隠れない様に確認しながら位置決めをする。


絵面的に、マグネシウムフレームのディティールは強調したいところ。


背景として描かれる、今回バラさないパーツは、違う処理の仕方を考える必要あり。

仕上げ

最後にPHOTOSHOP上で各パートを組み合わせていく。

私の絵を描く機械は、7500/(120)/176M/2Gという環境だが、まぁ、それほど悪くはない。

右隣のカラクラは、デジカメからの画像吸い上げ担当なので今回は出番無し。よく見ると担当のよくわからないマックがそこかしこに顔を出しているが…

完成

パートの重ね具合の調整を誤ってしまったらしく、結構パースが狂ってしまったが、締め切り通りにどうやら完成!

お手元の取説やウェブのPDFで荒探ししてみて下さい。実はネジが2本ないというBigMuff氏の指摘が…

絵だけ見てみたいという酔狂な方はこちらへどうぞ。91Kありますけど。

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