page-23 ケータイデジカメ

'03.3.24

 

と視線を上げると、正面のテーブルにいる客が携帯電話を開いており、黒く丸いレンズがこちらを向いている。「自分を撮る意味は、ないよな」と改めて考えながら観察すると、そういう操作をしているのでないことは分かる。でも嫌な感じがする事に変わりはない。 最近の携帯電話にはご存知のようにカメラ付きのものが多い。中にはレンズカバーを内蔵したモデルもあるが、大抵はレンズが剥き出しになっている。こういうデザインを続けるメーカーのデリカシーを疑う。

 なぜカメラ付き携帯電話が増えているのか? プリクラの流行という素地はあったにせよ、これは各社の通信費稼ぎのための戦略というのが大きいだろう。通話やメールではやりとりされるデータの分量も限られるからだ。

 携帯電話のデジカメは、いわゆるトイデジカメ並の性能だ。そういえば先日、家電量販店の店頭で、一時流行ったトイデジカメを見掛けないのでどうしたのかと店員に尋ねたら、面白くもなさそうに最近あまり入れないと答えるからどうしてかと問うと、「ケータイにカメラ付いてますから」*と言う。

 トイデジカメは30万画素クラスのLCDなしで0.7〜1万円未満辺りが標準の様だ。デジカメも100万画素代だと2万を切る。一方でカメラ付き携帯電話はトイデジカメ並の機能だがLCD付きで2万以下。お得感は強い。  そもそも一体何をそんなに撮る必要があるんだろうと思ってしまうが、それはプリクラ全盛期にも考えたことだから問うだけ無意味か。私なんかには分からないのだ。

 ところで自分の携帯電話はカメラ付きではない。ウェブページのネタを集める身としては付いていても良い位だが、現状AUの携帯では一度メール添付で飛ばさないことにはマックに受けて加工もできやしない。これではあまりに効率が悪い。せめてUSBで直接流し込めればいいのだが、それでは携帯電話に付加する機能という意味付けが薄くなってしまうからだろうか。カメラ付きノートパソコンは使い勝手が悪い。でもノートパソコンも携帯電話もデジカメも持ち歩くというのはちょっと面倒なんである。どうにかならないかなぁ。

*どうでもいいが東京駅の家電量販店Sの、あのカメラ売場の店員もどうにかならんのか?

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