気候の挨拶をするのですら嫌になる暑さが連日続く。ペルチェ素子付きに違いなき組長殿ですら嘆く気温であるから、世間一般の凡俗に至っては熱暴走一歩手前の状態ではないだろうか。
しかしこの不肖・島津、これしきの暑さはものともしないのである。織田軍の兵火の中で「滅却心頭火自涼」と喝破した快川紹喜が住した武田家の菩提寺、塩山の恵林寺は臨済宗だが、小官も旧制で言えば曹洞宗第一中学林を優秀なる成績で卒業した栴檀林の獅子児である。
とはいえ、戦国武将を支えた仏教の精神や、精神力をもって物理的限界を超越せんとする旧軍のモットーをしても乗り越えられるのはヒトの限界であって、モノはあくまで物理原則の中にあるものなのである。
一升瓶の日本酒すら凍る極寒の大晦日の多摩川河畔にて、その強靱なる精神力で長時間地に伏せて目前の敵に突進した小官も、我が愛銃・東京マルイの電動ガン「MP5A5」が余りの寒さにバッテリーが死に絶え、ついに一発も発することなく玉砕したこともあった。
ある高名なカメラマンも、マイナス30度の自衛隊ニセコ訓練所での冬季レンジャー訓練完全同行取材の中で、やはりバッテリーがだめになりシャッターを切ることが出来なくなったという。
ところでバッテリーが正常に機能しなくなるのは極寒時ばかりではない。灼熱の太陽の下でもやはり用を成さなくなるのである。所詮はモノ。所詮は化学反応のみに頼るしかない物質である。万物に宿る八百万の神といえども抗い難き限界がそこにあるのだ。従って、あなたのPowerBookのバッテリーも、物理原則を精神力で超えバッテリーの神のご加護の下にいつもと変わらぬ長時間稼働を続けることが出来ると信じてはいけない。旧い機種、とりわけDuoを愛用のご同輩に注進申し上げるが、この季節ばかりは予備バッテリーの携行を。小官のType3付き250はカタログスペックで5時間保つはずのところ去年の猛暑では1時間で落ちた。今年iBookが保っているのは、多分UVカットファンデーションの容器に形が似ている所為であろう。
今回、文体がいつもと全く違うのは、件の"ある高名なカメラマン"の本を読んでいたからであります。私の師匠の後輩だそうで。総長、まさか日芸写真学科じゃないですよねッ!?
ちなみに私が暑さをものともしないという行は全くのデタラメである。仏教徒でありながらクリスマス生まれの私は、実は高温多湿に弱い。で、パケットはどうしたかって? いや〜、ははは。忘れてた! 見捨てないデ〜>nabechan
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