私がMac以前に使っていたパソコンやワープロなどのデジタル道具についてのあれこれを綴る企画。旧い機械の話だし、所有機自慢ではなくて、道具の意味とかそういうことについて考えてみる。
'99年4月15日から5月13日までの毎週木曜
「小隊司令部発」に連載。

4/12 予告
ボクは執筆家 デンタク片手に
ボクは編集者 デンタク片手に

 ところで、読み返してみると記事中至る所に「父」の話が出てくる。

 亡くなった父が昔使っていた部屋を整理したとき、学生時代に買ったらしい巨大なダイオードや真空管が出てきたという話を以前も何かに書いたことがあったと思うが(あれ?ウェブじゃなくて会報か何かだったか?)、そんな父なので、私の機械ものの趣味は特に父の影響が強かった。

 パソコンやワープロを私に与えるときにも「将来のための勉強に」と父が言っていたという記憶は特にない。むしろ自分で楽しむ姿の方が印象に残っている。でも少なくとも私は、ためになりそうだとか必要だとかいう以前に、「楽しいモノなんだ」と感じることができたのだろう。

 でもお父さん、あんまり真面目にやんなかったんで、どれも大して上達しませんでした。もっとも、よく考えたら、父も飽きっぽい人だったのだが(笑)。

 卓上に来た電子計算機は、やがて進化して、「足したり引いたり」することを意識することなく、音楽を奏でたり出版をしたりできる道具になる。20年近くも前に、"神"たちが予言したことだった。

 ただし、その後には「足したり引いたり」を勉強したり意識したりしなければならなかった長い期間があったこと(もしくはあること)は忘れられない。その期間、実は私も、少なくともMacを使う様になるまでは、のらりくらりと「足したり引いたり」していた。


 これは、今週から5回に分けて、私がMac以前に使っていたパソコンやワープロなどのデジタル道具についてのあれこれを綴る企画。

 といっても単なる所有機自慢では別に面白くもないだろうから、ちょっとは読み物に出来るよう努力の予定(大丈夫か?)。まぁ、大体単に旧い機械の話なので、別に自慢するところはないのだが(笑)。私と歳の近い人は懐かしい機種も出てくるかも。一つを除いて全てまだ手元に残っていた。物持ちの良いこと。

備考)「神様」:テクノの神様・クラフトワークは、`81年発表のアルバム『コンピューター・ワールド』のヒット曲『電卓』の中で、DTMやDTPの姿をはっきりと予言(というより宣言)している。

 

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