小隊司令部発 gun&military '03.9.23

 私はこのモデルを店頭で見たことがない。それ以前に存在自体を知らなかった。例によってたぐちさんからに教えていただいてから探し、通販専門店で購入した。

 製造は台湾のKWC
輸入はBWC、販売はフジカンパニー、共に国内である。KWCではコッキング式も出しており、こちらはSIISブランドで輸入販売されている。同じシリーズなので外観はほとんど同じだ。


BWC/KWC ワルサーP990 実売価格は販売店によって7,980〜12,000円。

 刻印が皆無のコッキング式とは違い、モデル名とワルサーバナーの刻印がしっかり入っている。その刻印はダブルアクションオンリー(DAO)のP990のものなのだが、機構はなぜかシングルアクション(SA)となっている。DAシアのみとした方がシンプルなのにと思ったが、よく考えたらハンマーダウン=撃発という作りの方がよりシンプルに作れるのか。しかしそれでいてデコックはできないので、撃ち終えたらマガジン抜いての空撃ちが必要となる。ちなみにノンブローバックならDAOでぴったりなのだが、そちらは本国でも発売されていない模様。SAオンリーなら折角だからコッキングインジケーターを付けて欲しかった。コックしてもトリガーポジションが変わらないので余計にそう思う。

 結論として、コレクターでなければあえて勧めない。マルゼン製より安いことだけがメリットであろうが、実売価格を考えるとモノの出来からしてアドバンテージはほとんどない。機構的には珍しい(但し明らかに他社のパテントを侵害している)という点でコレクションとして価値があるのであり、その他にはとりたてて価値を見いだせない。いや、唯一あるとしたらその重さだろうか。HWプラと金属パーツをふんだんに使用してマルゼン製より重い。P99がとにかく好きか、とにかくレア物に弱い人は、上記()内の事情もあり、早い内に入手した方が良いかもしれない。


スライド刻印の比較。上からマルゼン、BWC/KWC、SIIS/KWC。後打刻でも浅くなく丁度良い。


マルゼン(左)と較べるとストロークが短いが、コッキングガンP99はほとんどこれと同様のストロークである。

後ろは左からマルゼン、KTW/Y&P、Mトレ/HFC、SIIS/KWC。手前のBWC/KWCはかなりグレーが強い。