'01.7.9 第1回 マルゼンMP5K その1

 


発表

 さて、栄えある(?)第1回はマルゼンH&K MP5Kである。マルゼンは割合に夢の立ち消えが少ないメーカーではある。しかし、期待のワルサーP38が随分前に発表済みのままというところに更に出たモデルアップの話なので、どうも怪しそうではある。初めて専門誌に広告の出た今年4月以降、「夏発売」とは出ているが今のところ特に新しい情報や噂話は聞かれない。

競合

 模型としてのセグメントで言えば、同社イングラムとKSC スタイアーTMP/SPPの間くらいの位置になるだろうか。まさか3点バーストの再現まではしないだろう。クルツ自体は多くのメーカーから出ていたが、現在は東京マルイの電動ガンがあるのみだ。これはゲームの道具として考えれば、他の長物と同様に東京マルイの電動ガンとは競合のしようがないからというところだろうか。
←KSC スタイアTMP  東京マルイ MP5K→


 FTCがバルグ式の電動ガンを出してはいたが、実射性能だけでなくリアリティ(とコストのバランス)の点でも圧倒的な差があり、現在は市場で全く見かけない。しかしガスブローバックとなると道具としてのセグメントが違うので良い棲み分けになる。
←FTC MP5K   

憶測

 個人的には、MGCが健在であればガスブローバックのクルツは出ていたのではないだろうかと思っていた。しかし設計者の小林太三氏なき後のMGCでクルツのリメイクというのも考えにくいか。だがそこからちょっと進めて考えると、この突然のモデルアップは最近マルゼンと組んでいるタニコバさんの仕掛けたものなんじゃなかろうかと推測したりもする。タイプUの次に来る大型マシンピストルはKG9というのが今までのマルゼンの"流れ"だと思うが、そういう仮説で考えると納得がいくような気がする(とか言って中継ぎで出したりして)。MGC MP5KPDW→

最後に

 フルオートのガスブローバックは"作動を楽しむ"という楽しみ方に最も適したセグメントだと思うのだが、製品の層は薄い。そもそもハンドガンサイズではモデルとなる実銃自体少ないのだが、安定作動する製品自体が少なかったということもあるだろう。最近、ニューイングラム、タイプUがヒットしているマルゼンにぜひとも開拓して欲しいセグメントであり、そういう意味での期待も大きい。ハードルの高い内部構造の再現や3点バーストはあっさり諦めて、快調作動で1.8万程度で出せればかなりのヒットとなるだろう。もちろん個人的にもかなり欲しい。



 

'01.7.30 第2回 マルゼンMP5K その2

 

 専門3誌が発売になり、マルゼン・クルツの写真が広告でお目見えしている。残念ながら記事で出ているものはないが、広告でも一通り気になる部分は写し出されている。もっとも写真が小さくて細部はよく見えない。

 実は、雑誌の発売数日前に専門店の店頭にはチラシが出ていた。これを見る限り、パーツ割はMGCクルツに近く見えなくもないが、ディティールから別物であろうと思われる。溶接の表現やプレスを再現した部分のアールが異なっているからだ。ボルト先端部のモールドがちょっとチャチなのが難点だが、それ以外は正に"最近のマルゼン"だ。期待は高まる。

マガジン

 ただ、悪くも"最近のマルゼン"な箇所が一つ。ロングマガジンがイングラムと同様にショートの延長という作りになっているのだ。イングラムと違い接合部がもろに外に出てしまうクルツでは不細工だ。この写真はチラシにしか載っていないので、あくまで試作品ということであって欲しい。