「ガチャガチャの様な」という言葉を使うことがある。

ちゃちな作りだったり小さかったりするものを指して言うのだが、「ガチャガチャ」というのは、コインを入れてレバーを回すとカプセルに入ったオモチャが出てくるあれのことである。

私の子供の頃…というと、既に20年程も昔になってしまうが、あれは10円玉1〜2枚のもので、カプセルの大きさはうずらの玉子くらいだった。しかし今や値段は100〜200円以上で、カプセルもかなり大きくなっている。

童心に戻ってやってみる、というと聞こえは良いが、いい年の大人がジャラジャラガチャガチャとスーパーの脇の小さな箱に目を輝かせているのは、あまり体裁の良いものではないかもしれない。などと、つい考えてしまうから"いい年の大人"か。

「これが欲しい」と思うものに限って出てこないのは大人になっても全く同じだが、「あともう一個」などと熱くなっては本当の子供達に迷惑を掛けてしまうので、2,3個で自制する。これも"いい年の大人"。

売れ筋のポケモンや、相変わらずのアメーバ系に、ダンゴ3兄弟なんてのも流行りだしたらすぐ出てきていた。キャラクターものにはほとんど興味のない私だが、ガン関係のガチャガチャにはついついコインを放り込んでしまう。

ところで、以前の話だが、帰宅すると居間のテーブルにカプセルがゴロゴロ。初めて見るガンのガチャガチャだった。妻と妹が、オープンしたばかりのホームセンターでとってきてくれたのだった。最も欲しがりそうなタイプは当てられなかったとのこと。最近はカプセルの中にシリーズカタログみたいな印刷物が入っているので見てみると、おお確かに。ルガーはぜひとも欲しかった。しかし翌々週にその店に行ってみると、既に他のオモチャに変えられてしまっていた。

大抵は手にしてみれば大したものではないのだが、惜しかったと思う気持ちは子供の頃と変わらない。

たまに、懐かしい感じの寂れた玩具屋に立ち寄る夢を見る。子供の頃によく行った海岸近くの路地裏にあったあの店に似ている。薄暗い店の中は、昔買い逃したプラモや、見たこともない古いトイガンが山になっている。戸惑いながらも目を輝かして店の柵一つひとつを見て回り、一度外に出て少し思案した後に再び買いに入ろうとしても、その店はもう二度と見つからないのである。

どこかのガチャガチャの前で、私みたいないい年の大人がジャラジャラガチャガチャとやっていても温かく、放って置いて欲しい。どうか。


ところでこの玩具のことを「ガチャポン」という人もいる。しかしガンマニアの間では、意味合いは似ているが別のもの(安価なコッキングガン)を指すこともあるので、ここでは「ガチャガチャ」と表記する。それから「ガシャポン」はバンダイの登録商標なので、ここでは使わない。

'99.4.1 小隊司令部発