遅れてきた真打ち

'06.11.20 小隊司令部発



 表題の表現が正しいかどうか自信はない。何せ遅れすぎて誰と競っているのかわからない。グロックコレクターの1人として、トイガングロックが増えるのは嬉しいことだが、「グロック競作の時代」はとっくに終わったと考えていたのでなぜ今とすら思う。同社G26アドバンス用にフルサイズマグが別売りされた辺りで、まことしやかにG17登場論が出たりもしたが、それきりだった。

 さて今回登場の東京マルイG17サードエディションは、6年前に発売されたG26のバリエーションである。基本構成はそのままに、各部の見直しがなされている。

改良点
 
最大の改良は、コッキング時のみトリガーが前進している点と私は考えている。これがなければ、外観ハンマーレスでコッキングインジケータのないグロックはとても危険な銃である。この再現が私のトイガン・グロックに求める機能のプライオリティである。タナカガスBLKと、G18C発売以降トリガーメカの改善されたKSCが再現していたが、マルイのG26系では再現されていなかった。パーツ構成変更によるコストの問題がクリアされれば今後のロットでG26も改良されるのかもしれない。

 
何の機械でも良いが、細かな改良があったと聞いた時にあなたならそれをどう確認するだろうか。実働させた感じ? 全バラしてみる? 私はそれで何かを掴めるほどの才能はないので、とりあえずパーツリストを見てみる。

 
型番が同じなら概ね同じ部品。それで違っていたら多少は問題になるだろう。しかし実際の部品より部品図を変える方が手間なのか、型番が異なるのに同じ絵ということは多い。

 
今回のパーツリストを見ると、「G26」及びアドバンス用と思しき「26A」から始まるパーツナンバーのものがあり、「G17」と付けられているのが新しい物だろうというのが分かる。

 
注目したいのは「インナーフレーム」部、つまりトリガー〜ハンマーアッシーの変更箇所である。トリガーバーつまりトリガーとシアーを結ぶパーツが変更されていない。ということはフレーム側では全てがこの「インナーフレーム」に掛かっているのだ。詳細は画像を見ていただこう。

全体
 
さて全体であるが、きめ細か過ぎて塗装ぽい質感表現や金属パーツの仕上げにやや難を感じはするが、プラケース入りの蓄光サイト付属なんて小技がなかなか効いている。単体では大した金額ではなさそうなので別売りもないだろうし良いプレミアムである。また前作で問題となったわけでもないがスライドストップの切り欠き部に金属片が挿入されホールドオープン後のスライド閉鎖に不安がなくなった。また、これも問題は起きていなかったが、スライド前端の肉厚がかなり増やされている。

最後に
 
他のグロックとの最大の違いが一つある。新銃刀法の仮施行後登場した製品である点だ。マルイ製品はハンドガンに関してのみ言えばハイパワーなものではなかったが、改訂されたパーツ群はそれを考慮してのものだろうか。シリンダーが同じなのにピストンの構成がG26と全く変わっているのは興味深いが、とりあえず今回はここまで。

東京マルイ グロック17サードジェネレーション
\15,540


トリガーバーは全く同じ。右がG26で左がG17。以下同。


取り出したインナーフレームの上部。ディスコネクト部分の可動範囲がG17では延びている。ちなみのハンマーのコックの位置も若干異なっている。

右側面。トリガーバーの可動範囲はRが全く異なる。非コック時にトリガーバーが保持される切り欠き段差がある。

トリガーバー後端ディスコネ部分が滑る溝。G17では深くハネ上がる様になっている。
付属品のくせにわざわざパッケージを整えるところが上手だね。